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トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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トランシルヴァニアへの扉  - Erdely kapuja-のRSSフィード

ブログ翻訳

モルドヴァの誕生日

10月の終わり、ある昼下がりに電話が鳴った。
1年ぶりに聴く声は、モルドヴァのチャーンゴー人の友人メリツァだった。
「11月24日に私の誕生日をひらくの。
ハンガリー人の舞踊ダンサーやインドから楽団(Dil Mastana)もやってきて、
盛大なパーティーになるから、家族も誘ってどうぞきてくださいね。」
懐かしい声と誘いを喜びとともに聞いていた。
しかし、あいにく11月の終わりは日本への帰国している時期だった。

連絡したいと思いながら、できなかった相手だった。
息子が病気になり、年末にもイースターの時期にも
訪ねたいと思いながら、遠出をすることができなかった。
1年半も会っていないのに誕生日に誘いを受ける、
以心伝心のような不思議な体験に胸が躍った。
彼女の誕生日の前に、思い切ってモルドヴァへ訪ねる計画を立てた。

モルドヴァのバカウ県は、
山を隔てただけで私の住むコヴァスナ県とは実は隣にある。
それなのに、モルドヴァと聞いて、
どこか世界の果てのような遠いイメージを覚えるのはどうしてだろう。
トランシルヴァニアに住む者にとって、精神的な遠さがあるに違いない。
100年前までは、確かによその国であったのだから。

しかし、モルドヴァのチャーンゴー人は
住み慣れたトランシルヴァニアを捨てて、山を越えて新境地へと向かった。
カトリック教と母国語ハンガリー語は捨てられずに、
いかに弾圧を受けようともずっと彼らの生活に寄り添ってきた。

カルパチアを越えて、山を下ると
いつも話題になるのが、コヴァスナ県と同じ地名が
モルドヴァの山向こうにいくつも存在する不思議だ。
おそらく、同じ人々が何らかの理由で移住していったからなのだろう。

タトロシュとスィレト(チャーンゴー人の方言で「愛」を意味する)と呼ばれる川の間に、
いくつものチャーンゴーの村が存在する。
2000年の1月に私が友人の写真家とともに
クレージェから徒歩で森を越えてたどり着いたレケチンは、
「神様の背の向こう」というハンガリー語の表現にまさにぴったりの
遠い遠いかなたの世界であった。
日暮れ時に、村の入り口にある産婆さんの家を訪ねて、
薄暗い小さな部屋にある機織り機と部屋中に飾られた色とりどりの織物。
モルドヴァの旅の中でも、それが最も印象に残る場所だった。
そして18年後、再びレケチンの村にやってきた。
今度は、合計で4度目の旅である。

村の入り口で電話をかけると、
「三つの像のところで、車を止めなさい。」とメリツァ。
村に入ると、あちらこちらでキリストの像が立っていた。
そして、三つの屋根つきの建物を遠くから見た時、記憶がよみがえった。

csango (9)

車を止めると、マールトンおじさんが迎えに来てくれた。
2人の子供を伴って、持ち寄った食べ物や贈り物を持って、
大きな石がごろごろと残る坂道を登っていく。
坂の中途に、メリツァが妹さんとふたりで暮らす家があった。

csango (5)

あたたかな太陽の光が差し込む室内は、
紫色で彩られ、色の洪水のような織物が主人とともに迎えてくれた。
「準備をして、待っていたのよ。」とメリツァ。
カトリンツァと呼ばれる巻きスカートに、花柄のスカーフを巻いている。

csango (2)

家の中、絨毯として床に敷いている織物の
何と色の鮮やかなこと。
モルドヴァのくったくのなく、陽気な人々の心をそのまま織ったかのようだ。

csango (4)

自家製のワインで乾杯をして、
モルドヴァ名物のジャガイモと羊のチーズ入りのパンを頂き、
ロールキャベツや鳥のスープ、ケーキなど、
次々とご馳走が広げられた。

私たちからのプレゼントは、
亡き舅が生前出版した、モルドヴァの民謡を集めた本だった。
同じ村の歌はあるかとリストを見ていると、
メリツァの名前が見つかった。
記録した年は、まだ彼女が23歳の頃だった。
今から30年以上前に、舅はこの家を訪ねてメリツァに会っている。
同じ歌を歌ってもらうようにお願いすると、
ハスキーな美しい声が美しい民謡を奏でた。

csango (3)

メリツァは私と同じ年の妹とふたり、
畑仕事や家畜をこなしながら、機織りで生計を立てている。
この夏には、20着ほどチャーンゴーの衣装を作った。
さらにチークセレダの町でたびたび民謡やダンスも教えているという。

csango (6)

坂道を下り、マールトンおじさんの家に向かう。
通りの風景ひとつにしても、レケチンの村は昔のルーマニアを思い出させる。

csango (8)

マールトンおじさん宅でも、ワイン片手におしゃべりがはじまった。
メリツァが、この夏に起こった信じられない出来事を告げた。
「両親の死後も、ずっと行方の知れなかった兄を探し出して、
故郷に帰るように呼んだら、いきなり私たちをつかみ出して追い出そうとしたのよ。」
警察を呼ぼうとしても繋がらない。
親が遺した土地を相続しようとしたら、
実は祖父母の名前のままだったというのも、ルーマニアではよくあることだ。
メリツァはトランシルヴァニアの親しい友人に相談したら、
何人もが救いの手を差し伸べてくれた。
誰もが自分の敷地内に家を建てたらいいと言った。
最後に、彼女は思い切った行動をとる。
ルーマニア正教の神父に黒魔術を施すように相談したというのだ。
この話を、遠くに住む兄に告げた途端、騒ぎが収まったという。
警察にも、弁護士にも解決できない問題を、
こういう古い習慣がカタをつけたという事実に目を見張った。

マールトンおじさんの名付け親の家を訪ね、
行く先々で、リンゴやブドウ、ワイン、ちいさな織物、お菓子などをもらい、
すでに薄暗くなった村をあとにしようとしていた。

csango (11)

最後の驚きは、旦那が以前写真を撮ったおばあさんだった。
去年の夏、上から下まで普段用の民俗衣装を身につけていた。
旦那ひとりがおばあさんと話し、
「家の前で待っているから、来なさい。」と約束事を交わしていたのだ。
真っ暗になった坂道で、おばあさんは大きな荷物を両手に立っていた。
誰を待っているのかと思えば、私たちだった。
私たちの車のところまで見送り、
ずっしりと重い荷物を手渡してくれた。
何キロもあるクルミと、骨付きの燻製肉だった。
村人にとって、大切な食糧であることはすぐに分かったので、
動揺していると、「あとで袋を開けたら何かわかるわ。メリツァには内緒にね。」と
いたずらっぽく指を口にあてた。
私も今日スーパーで買ったばかりのさまざまなものを袋に入れて手渡した。

誕生日を祝いに来たのに、荷物入れに入りきらないほどのお土産を逆にもらい、
心からのおもてなしを受けて、温かな気持ちとなった。
ここでは、お金では手に入らないもの、
人の繋がりがもっとも大きく、大切なものと人々は心底信じている。
普段の生活の中で見失いがちだった何かを思い出させてくれるようだった。







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comments(0)|trackback(0)|トランシルヴァニア食文化|2019-11-20_17:54|page top

シク村チプケ地区の結婚式

結婚式の当日は、あたかも天からの祝福のように
抜けるように真っ青な空が広がっていた。
朝早くから、花嫁宅へと向かう車がひっきりなしに
我が家の家を通りぬけて行った。
目の前の公園には、美しく着飾った兄妹の姿があった。

szeki lakodalom (24)

花嫁行列を今か今かと待ちわびる、ご近所さんたち。
元家主だったロージおばさんの姿も見える。

szeki lakodalom (9)

カロタセグから友人一家も遊びに来ていた。
シク村の男性よろしく麦わら帽をかぶった男の子たち。

szeki lakodalom

町の出身の花婿や親類一同は、
車で村へやってきて、村の中心の教会の方から行列がはじまると耳にした。
かなたの方から、かすかな楽団の音色が聞こえてくるような気がした。
花婿行列の集団が小さく現れ、
見とれているうちにだんだんと近づいてきた。

szeki lakodalom (25)

白いブラウスに黒いベストとスカート、
誰もが長く腰までのばしたお下げに赤いリボンが揺れている。
楽団の音色とリズムに誘われ、
足取りをそろえて歩む艶やかな人の群れ。
葦ののびた石橋を渡って、我が家の前を通り過ぎていく。

szeki lakodalom (26)

ふだんは静かな通りが人の活気で満ちている。
ご近所たちが見守る中を、行列は晴れ晴れしく歩みを進ませ、
花嫁宅に到着した。

szeki lakodalom (27)

ボクレータの飾りをつけたのは、ブーフェイと呼ばれる男性。
昔は花嫁行列の先導者だけで、
それは花嫁花婿の近い友人の内から選ばれていた。
今では、村の美しい晴着を着させたい親心から、
親戚の子どもたちは皆がボクレータを装うという。

szeki lakodalom (29)

行列が花嫁宅へ吸い込まれるように消えていくと、自然と小休憩に入る。
中では行列のもてなしと、花嫁の「手をもらう」、
つまりは求婚の儀式が執り行われる。

やがて昼食の後に、花嫁が登場した。
まるでクジャクの羽根のように鮮やかなローズマリーの冠を頭にのせて、
その姿はまるで王女さまのよう。

szeki lakodalom (38)

2人の先導人、花婿、
花嫁とその付添人が手をつなぎながら歩き、子どもたちがつづく。
この通りを何度となく、幸せな花嫁花婿が歩んでいったのだろう。

szeki lakodalom (34)

カルバン派教会では、神前での結婚の儀式と礼拝が行われていた。
子連れの私たちは、外で待機することにした。

szeki lakodalom (36)

教会の広い庭をかけっこしたり、落ち葉で遊ぶ子どもたち。

szeki lakodalom1

小さな参列者たち。
村の美しい衣装を着させたいとする親心が、
今にまで職人技を続けさせる原動力になっているのだろう。

szeki lakodalom (37)

できたばかりのローズマリーの冠は、
彼らが家に持ち帰ることができる。
結婚の日までにいくつのボクレータが集まるのだろう。

szeki lakodalom (35)



結婚式の翌日の朝、
朝食を取った後、帰りの荷物をまとめていると、
ドアをノックする音が聞こえた。
振りかえる間もなく扉がひらいて、
近所の花嫁さんの母親が皿にいっぱいのったケーキを手にのせて立っていた。
突然のことで驚きふためいていると、
テーブルの上にケーキのお皿が置かれ、
「おすそ分けよ。」とはじめてその顔が微笑んだ。
ピラミッド型に美しくのせられたケーキの山に
子どもたちの目は釘付けとなった。
何名もの女性の手で作られた何種類ものケーキを
ほおばりながら、結婚式の楽しい余韻に浸っていた。



comments(0)|trackback(0)|セーク村|2019-11-15_00:00|page top

シク村、ローズマリーの冠作り

夏休みも終わりに近づく頃、 
シク村で今年最後の結婚式がひらかれるという噂を耳にした。 
場所は、チプケ地区。
しかも、我が家から目と鼻の先のご近所さんのお宅が舞台となる。
その日を今かと待ちわびていた。

村では、結婚式の準備は二日前からはじまる。
花嫁宅では、天幕を張って、
男性も女性も慌ただしく出入りしていく姿が見られた。
お隣のロージおばさんも、お菓子を焼くと話していた。
誰が何を焼くのか、事前に話し合いがあるのだという。

ロージおばさんは伝統的な焼き菓子、ジュジ・キフリにとりかかる。
80年代頃、村ではじめてジュジャさんが作ったというお菓子だという。
といっても、ジュジャという名前はこの村ではありふれていて、
ジュジャでない女性のほうが少ないくらいだから驚かされる。
卵黄と砂糖、サワークリーム、小麦粉、油を混ぜた生地を
うすく、うすく手間暇かけて伸ばしていく。

szeki lakodalom (3)

紙のように薄い生地をまたクルクルと丸めて、
生地を休ませる。

szeki lakodalom (4)

数時間休ませた後、
生地を再びうすく伸ばしていき、
4等分したものに、白味と砂糖で作ったメレンゲをのせる。
慣れた手つきで丸めて、オーブンへ。

szeki lakodalom (6)

粉砂糖をかけて出来上がり。
まるでパイ生地のように繊細な生地と
中のメレンゲがとけて、まるで空気のように軽い口ごたえ。
シク村の人の好みをよく表すような、繊細な焼き菓子である。

szeki lakodalom (2)

一方、こちらは花嫁宅。
冠作りの職人ジュジャおばさんが働いている。
きれいに切りそろえたローズマリーの茎を
針金で作った型に並べて、一束一束縫い付けていく。
香り高いハーブの香りが、部屋いっぱいに満ちていた。
冠を持つのは、花嫁の祖母のおばあさん。
  szeki lakodalom (1)

二列と、さらに顔の横にくる飾り部分を作った後、
今度は、花嫁がリボンで作った小さなバラの飾りを縫い留めていく。

szeki lakodalom (8)

ローズマリーの緑と、リボンの赤が鮮やかに目に飛び込んでくる。
このローズマリーの冠は一度切りだから、
まわして使うことはできない。
二日かけて作るから手間暇かかることこの上ないが、
そのためにこの職人技が今に残ってきたのだろう。


花嫁のもう一人の祖母も見にやってきた。
ローズマリーの冠は結婚式の目玉である。
そのために、花嫁の母親やその他の親戚も何度となく
出来栄えをのぞきに来ていた。

szeki lakodalom (17)

三列のバラの花を並び終えたところ。
さらに、金色アルミ紙を四角く切ったものをつけていき、完成となる。

szeki lakodalom (12)

花嫁の頭に合わせてみる。
150~200束のローズマリーを使うというのだから、重いはずだ。
花嫁の祖母も、満足そうに眺めていた。

szeki lakodalom (15)

花嫁宅の出入り口では、先ほどまで
酒盛りに演奏と男性たちが盛り上がっていたのだが、
男性も女性もともどもボクレータ作りに取り掛かっていた。

szeki lakodalom (19)

ご近所のマルトンおじさんの家でも、
やはりボクレータ作りが行われていた。
まるで植木屋さんのようにローズマリーを剪定し、
奥さんがリボンのバラを縫い留めた後、
再びマルトンおじさんの手によって蝋のバラが埋め込まれていく。

szeki lakodalom (20)

かつて花嫁行列の先導者を何度も経験したおじさんは、
自分でボクレータを作るうちにその道を究めたという。
夏のわずかな期間しかない仕事だが、
その取り組む姿は真剣そのもの。

szeki lakodalom (21)

赤、白、紫、ピンクなどの
甘いお菓子のような滑らかな光沢を帯びた蝋のバラ。
生の草を使うため、永遠にはその緑は続かない。
結婚式その一日のために、
美しいものを生み出そうとたくさんの手が動いている。
その人々の心は、100年前とまったく変わらない。

szeki lakodalom (22)

花嫁のパールタと花婿のボクレータは、
結婚式の後、額装される習慣もある。
緑色は失われるものの、茶色く干からびた冠と帽子飾りは、
結婚式の美しい記憶とともに永遠に封じ込められるのだ。

szeki lakodalom (23)

*ジュジャおばさんのローズマリーの冠作りは、
11/20~25まで阪急うめだ催事「東欧バルト三国やさしい冬時間」でご覧いただけます。

comments(0)|trackback(0)|セーク村|2019-11-14_00:03|page top

カロタセグ再生プロジェクト

トランシルヴァニア西部、ハンガリー国境にほど近いカロタセグ地方。

一人暮らしのおばあさんばかりでなる、小さな村があります。


kalota (1)

おばあさんたちの生きがいは、毎週日曜の教会とイーラーショシュ。 


kalota(33).jpg 

1940年代に牧師婦人によって伝えられた刺しゅうは、 

教会の壁面や家の中に彩りを添えてきました。 


kalota5.jpg

現在も8人のおばあさんたちが、人通りの消えた通りで集まり、 

刺しゅうを片手におしゃべりをしています。


kalota(4).jpg

この刺しゅうには、過疎化の進む村に

再び光を灯したいという願いが込められています。


kalota.jpg


*こちらの刺繍作品は、
11/20~25まで阪急うめだ催事「東欧バルト三国やさしい冬時間」でお求めいただけます。
12月には、FOLKART TransylvaniaのHPにて販売いたします。


comments(0)|trackback(0)|カロタセグ地方の村|2019-11-12_19:51|page top

「東欧バルト三国やさしい冬時間」ワークショップ

「東欧バルト三国やさしい冬時間」日替わりワークショップのご案内です。
材料費+参加費(3000円)で2時間たっぷりと、
トランシルヴァニアの刺繍の世界に浸っていただけます。


11/20(水)初日
11:00~13:00 カロタセグのイーラーショシュ 1300円+税
      (花びんとチューリップのクロス)

まるでコードのような立体的なステッチが魅力的な、カロタセグの刺繍イーラーショシュ。
2本のチューリップとマーガレットが花びんから顔をだす、ワンポイント風の小さなクロス。
直線の多いデザインで、刺しやすく初心者向きです。


WSイーラーショシュB


14:00~16:00 アーラパタク村の編みクロスステッチ3000円+税
      (小鳥と花束のミニトートバッグ)

編みクロスステッチは、トランシルヴァニア地方全域でみられるテクニックです。
普通のクロスステッチより手間がかかる分、それだけ赤色が濃く見えるのが特徴です。
裏には生成りと赤の伝統の手織り布のようなルーマニア製のコットン布を使います。
さらに、トランシルヴァニアの革職人の手作りの本革の持ち手を付けるので、

本格的な味わいとなります。


WS編みクロスステッチA


WS編みクロスステッチA裏


11/21(木)二日目
11:00~13:00 カロタセグのビーズ刺繍 1700円+税
      (マーガレットのリースのボクレータ)

花々がかぐわしく咲き乱れ、小鳥たちがさえずる
おとぎ話さながらのイメージが針とビーズで紡がれてゆく。
女性から男性へ愛の贈り物として捧げられた帽子飾り「ボクレータ」。
メルヘンチックな花や鳥のモチーフを、色とりどりのビーズで平面を埋めて形作ります。
下図なしでできる、初心者向けの図案。 


ビーズ刺繍WS


14:00~16:00 カロタセグのイーラーショシュ 2300円+税
      (チューリップとクジャクのオーバルクロス)

木の枝をくわえた大きなクジャクとチューリップが印象的なオーバル型の図案。
枝はチェーンステッチで、チューリップの花の中はレゼーデージーステッチの変形判で刺繍します。
図案が込み入っているので、中~上級向けです。


WSイーラーショシュH


11/22(金)三日目
11:00~13:00 カロタセグのイーラーショシュ 1300円+税
      (チューリップとシルクのバラのクロス)

4つのチューリップとシルクのバラが対称形に配置された、小さなクロス。
少し入り組んだ曲線が多くなりますので、中級者向けです。
 

WSイーラーショシュA


14:00~16:00 シク村のアウトライン刺しゅう 1800円+税
      (バラの円型ポーチ)

刺繍枠を使って直線のステッチで空間を密に埋めていき、
ふっくらと丸いバラやチューリップ、鳥などのモチーフを作っていきます。
基本的なモチーフのバラと葉っぱのリースを刺繍して、円形のポーチに仕立てます。


WSアウトライン刺しゅうCA


*シク村のアウトライン刺しゅうにご参加の方は刺繍枠がいります。
(ご持参の方はお持ちください。)


11/23(土)四日目
11:00~13:00 カロタセグのビーズ刺繍 1900円+税
      (小鳥とチューリップ)

花々がかぐわしく咲き乱れ、小鳥たちがさえずる

おとぎ話さながらのイメージが針とビーズで紡がれてゆく。
女性から男性へ愛の贈り物として捧げられた帽子飾り「ボクレータ」。
メルヘンチックな花や鳥のモチーフを、色とりどりのビーズで平面を埋めて形作ります。
チェコ製の高級ビーズPrecioasa入り。
手描きの図案をビーズで埋める、中級者向けの図案。 


WSビーズ刺繍Bmadar piros


14:00~16:00 カロタセグのイーラーショシュ 3500円+税
      (19世紀の幾何学図案のトートバッグ)

100年以上も昔につくられた、婚礼用のロングクロス。
くり返しの多い古い図案を基に、マチ付きトートバッグを作ります。
こまやかなモチーフが密集したように見えるのが、19世紀のイーラーショシュの特徴です。
余白をしっかり埋める、さまざまなステッチを適用します。
裏側は、生成りと赤の伝統の手織り布のようなルーマニア製のコットン布を使います。
社会主義時代にアルコールランプの芯として使用されていた紐を持ち手にして、

ステッチのついた紐で結んでお使いいただけます。


イーラーショシュWS


WSイーラーショシュJ裏


11/24(日)五日目
11:00~13:00 カロタセグのイーラーショシュ 3200円+税
      (19世紀サンプラーのトートバッグ)

100年前のアンティーク図案から、枕カバーの端を彩る連続模様をサンプラーのように並べました。
上から下へと段階を踏むごとにだんだんと難易度が増していきます。
ホワイトリネンに黒い刺繍が映えるショルダーバッグは、まるでアンティーク刺繍のような味わいです。
裏にはハンガリー、ルーマニア製織り布を組み合わせ、

持ち手には、アルコールランプの芯を使用します。


WSイーラーショシュI


WSイーラーショシュI裏


14:00~16:00 シク村のアウトライン刺しゅう 3000円+税
      (チューリップのマチ付きバッグ)

シク村に伝わるアウトライン刺しゅうは、現地では「枠刺繍」とも呼ばれています。
布に直接描いた図案を大きな木枠に張り付けて、上から下、下から上へと針を通します。
古くから枕カバーを彩るために刺繍されてきました。
まるで大木のように伸びたチューリップを中央に置いた図案。

裏にはハンガリー、ルーマニア製プリント布を組み合わせ、
持ち手には、アルコールランプの芯を使用します。

*シク村のアウトライン刺しゅうには刺繍枠がいります。
(お持ちの方はご持参ください。)


WSアウトライン刺しゅうC


WSアウトライン刺しゅうC裏


11/25(月)最終日
11:00~13:00 アーラパタク村の編みクロスステッチ4200円+税
      (二列の花束のレッスンバッグ)

編みクロスステッチは、トランシルヴァニア地方全域でみられるテクニックです。
普通のクロスステッチより手間がかかる分、
それだけ赤色が濃く見えるのが特徴です。
裏には生成りと赤の伝統の手織り布のような
ルーマニア製のコットン布を使います。
さらに、トランシルヴァニアの革職人の手作りの
本革の持ち手を付けるので、本格的な味わいとなります。
二連の花束を刺繍していきますので、大作となります。


WS編みクロスステッチB


WS編みクロスステッチB裏


14:00~16:00 カロタセグのイーラーショシュ 2950円+税
      (向かいあう小鳥のクッション)

花びんからはチューリップや丸い花が生き生きと伸び、
まるで生命の樹を髣髴とさせるデザインです。
枝には小鳥が向かい合わせにとまっています。
裏地もついていますので、40cm正方形のクッション、
またはバッグに仕立てられます。
入り組んだデザインですので、上級者向きです。
伝統的な組紐の作り方、縁編みもお教えいたします。


WSイーラーショシュC


*手ぶらでご参加いただけます。
材料はすべてルーマニア産となります。

*こちらからお申込みいただけます。11/13(水)午前10時~

ワークショップはすべて、8名様限定となります。

東欧バルト三国やさしい冬時間

comments(0)|trackback(0)|その他|2019-11-06_18:10|page top

バルト三国と東欧のクリスマス

阪急うめだ9階催事場にて11月20日~25日まで開催予定の
「バルト三国と東欧のクリスマス」に参加が決まりました。
トランシルヴァニアの民俗衣装や手仕事の数々が、お手に取っていただけます。

カロタセグ地方のきらめくビーズ刺繍のブローチ「ボクレータ」に、
 




ふっくらと立体的で、あたたかな刺繍「イーラーショシュ」、


  



その他にもアンティーク、ヴィンテージの手仕事が所狭しと並びます。

ブース内にはワークショップ・スペースも設けられ、

 期間中は毎日2回「トランシルヴァニアの伝統刺繍」のワークショップをお楽しみいただけます。


さらに、スペシャルゲストとして、

トランシルヴァニアのシク村からローズマリーの冠を作る職人おばあさんが招かれます。





ジュジャおばあさんが会場で花嫁の冠製作を上演してくださいます。




会場では、シク村の花嫁衣装も展示される予定です。





どうぞ秋の関西にお越しの際には、

阪急梅田の催事にぜひお立ち寄りください。


折って詳細を告知させていただきます。




comments(0)|trackback(0)|その他|2019-10-19_13:38|page top

シク村の夏休み

夏の終わり、シク村へと旅立った。
家の修復と家族で夏休みを過ごすため、
たくさんの荷物を車にのせて、約200キロ離れた村へと向かった。

村での最初の一週間は、
朝から晩まで家のことにかかりきりだった。
旦那とラツィおじさんは雨漏りの修復をしたり、
箱型の田舎トイレを作ったりと、仕事にかかりきりだった。
一方で、私と姑は食事や子供の世話のことに追われていた。
日々、通りの井戸から水を運び、
洗い物や洗濯、そして午後の子どもたちの水浴び用に使った。

じりじりと大地を焦がす太陽が沈んだ後は、
村のはずれの塩水プールへ向かった。
車のランプが消えると、目の前に星空が広がった。
そこは、村の灯りもとどかない原っぱの中に佇む水浴び場。
ゆっくり体を沈めると、水の中の塩分のために体が押し上げられる。
心地よい沈黙の中で、ただ水の音だけが静かに耳に入る。
押しつぶされそうな大きな空に見入っていると、
星の瞬きがそのままメロディーのように鳴り響くかのようだ。
生活のペースを落とすこと、
ゆっくりと自然の声に耳を傾ける時間が必要なことを肌身に感じた。

やがて、屋根に目新しい木色の飾りが取りつけられ、
庭に箱型のトイレが完成した。
今年の春から植えた木の苗も、すこしずつ大地に根を張っているようだ。

2週目になると、聖ベルタランの日、
伝統的な結婚式などのイベントが到来し、
ご近所を歩き、人々と知り合い、再会する時間ができてきた。
村での生活は、日々の町の生活に欠けている何かを
教えてくれているようだ。

夏の終わりの二週間を過ごし、後ろ髪をひかれるような気持ちで
新学期のはじまる我が家へと旅立った。













comments(0)|trackback(0)|セーク村|2019-10-08_10:48|page top

サマーキャンプでの出会い

一か月の長い日本の夏休みから帰ると、
急激な気温の変化になじめず、しばらくぼんやりと過ごしていた。
久しぶりの日本の滞在は期限があるせいか、
それとも日本の風潮のせいなのかわからないが、
いつも何かに急かされているようだった。
それがトランシルヴァニアに帰ると、何とも言えない
時間のゆるやかさに包まれる。

夏のある日、誰かから連絡があり、
ここから北へ60キロほど離れたチークセレダのはずれショムヨーで
サマーキャンプに携わってほしいとの依頼があった。
カトリック教の施設内で15歳から30歳までの若者たちが集い、
宿泊施設でマットレスをひいたり、キャンプ道具を持って行って寝たりと
自由でお金のかからない滞在ができる。

大きなテントの中にテーブルやいすを並べただけの会場。
書道道具や手作りの教材を広げていると、
学生のグループが集まってきて、ワークショップが始まった。
甲骨文字と現在の漢字の違い、
漢字の熟語の成り立ちなどをカードで体験してもらい、
お手本をもとに筆を使った書道を体験してもらった。

カードを見ながら友達とおしゃべりをしたり、
携帯を片手に好きな手本を見つけては写したりと
のびのびと楽しむ姿が印象的であった。

1時間半が過ぎ、そろそろ片づけをはじめていると、
そばに一人の青年が立っていた。
手本用の文字ではなく、日本語の文を書いた紙を手に持っている。
それを褒めると、
かつて日本語に興味があって、自分で調べたこともあると話した。
それから学校のこと、進路のことと話しがはずみ、

「かつて医者になりたいと思った時期もあったけれど、
ハンガリー人の自分ではルーマニア語のハードルが高く、
ルーマニアの医大に入るのは難しい。
今は、ハンガリーの法学に進みたいと考えているんだ。
どうしても、人間に関わる仕事をしたいんだ。」

「何らかの使命をもって、神様からこの命を授かったと思っている。
だから、何とかしてそれを見つけたい。」

20歳そこらかと思っていたら、わずか高校1年生。
明るく外交的な今どきの若者が、ふと真面目な表情を見せて、
「将来のことが不安だ。」と口にした。
もやもやとした将来への不安を感じていた、自分の若い頃の姿に重なった。
「あなた自身が世界に開けていたら、きっと大丈夫。」
と私なりの声援を送った。

友人たちに声をかけられて別れるときになると、
「ハグをしてもいい?」と言うので、
動揺しながらも「もちろん。」と
息子くらいの少年と肩を抱いて見送った。

同行していた息子に
「来年は、ここにキャンプに来ない?」と尋ねると、
恥ずかしがり屋の彼なりにこの場で何かを得たらしく、
「そうだね。友達に声をかけてみようかな。」と晴れやかな顔で答えた。






















comments(0)|trackback(0)|ルーマニアの育児|2019-08-20_04:51|page top

朝日カルチャー講習会にご参加いただいた皆さま

先日、朝日カルチャーセンター新宿校へ

ご参加いただきありがとうございました。

イーラーショシュ、編みクロスステッチという

ふたつの刺繍について伊藤園子先生とご一緒に講習させていただきました。


イーラーショシュのレジュメがご準備できなかった件につきまして、ご連絡がございます。

東京からの移動、3日の南九州を襲った大雨で避難をしました後、

講習会で頂戴しましたリストが紛失してしまいました。


そのため、レジュメならびに見本作品の画像をご希望の方には、

以下のリンクまたは、コメント欄に

メールアドレスもしくは

お名前ご住所をご連絡くださいませ。

メールフォーム


こちらの不始末で皆さまにご迷惑をおかけしました事を

心からお詫び申し上げます。


*こちらの件、朝日カルチャーの担当の方のご配慮で、

全ての受講者にレジュメを郵送させていただきました。


comments(0)|trackback(0)|その他|2019-07-13_07:21|page top

ルーマニアのブラウス展、ワークショップのお知らせ

*イベントまでの日にちが近くなりましたので、こちらのお知らせを先に表示いたします。


「トランシルヴァニア 森の彼方の物語 
刺しゅうワークショップとおはなし」と題して、
6/28(金)武蔵境にてワークショップとおはなしを行います。

トランシルヴァニア、カロタセグ地方の刺繍イーラーショシュの
赤いチューリップ、黒いリーフのブローチを作ります。(材料費1,000円)

「四季折々の自然に寄り添う人々のくらし」はお申込み、参加費なしです。

また、トランシルヴァニアのおばあちゃんたちの刺繍作品も販売いたします。


workshop.jpg
workshop2.jpg


午前の部 午前10時30分~正午(託児アリ)

おはなし 午後1時00分~午後2時00分
午後の部 午後2時30分~午後4時00分

場所:武蔵野スイングビル10階 スカイルーム(武蔵境駅)


こちらからお申込みいただけます。

(こちらはお申込みを締め切りました。

たくさんのお申し込みをありがとうございました!)

武蔵野市HP



6/29(土)、30(日)の二日間、

吉祥寺の駅前のビル、アルテ吉祥寺2Fセントラルコートにて

「ルーマニアのブラウス展」開催します。
(私は29日のみ在朗いたします。)
ルーマニアのオリンピックホストタウン武蔵野市の主催です。


exhibition small


「東欧の国、ルーマニアはフォークロアの宝庫です。
トランシルヴァニア、モルドヴァ、ワラキア、
バナート、マラムレシュ・・・。
その複雑な歴史を物語るように、
各地には多種多様な衣装が今なお残っています。

アンリ・マティスの絵画でも知られる、
ルーマニアのブラウス。
まるでルーマニアの各地を旅するように、
極上のブラウスを集めて展示いたします。」


アトレ吉祥寺HP


武蔵野市HP


皆様にお目にかかれますのを楽しみにしております。



comments(2)|trackback(0)|イベント|2019-06-30_20:07|page top

2019年夏の講習会のお知らせ

*イベントまでの日にちが近くなりましたので、こちらのお知らせを先に表示いたします。

今年は6月26日から約一か月、日本へ一時帰国いたします。


今回は東京でいくつかイベントを行う予定です。


100年以上も昔につくられた、婚礼用のロングクロス。

くり返しの多い古い図案を基に、マチ付きトートバッグをつくりました。





こまやかなモチーフが密集したように見えるのが、

19世紀のイーラーショシュの特徴です。

余白をしっかり埋める、さまざまなステッチがありますが、

こちらもご紹介いたします。






裏側は、生成りと赤の伝統の手織り布のような

ルーマニア製のコットン布を使います。





社会主義時代にアルコールランプの芯として使用されていた紐を、

持ち手にして、ステッチのついた紐で結んでお使いいただけます。





もうひとつは、アーラパタク村の編みクロスステッチでできたミニトートバッグ。

編みクロスステッチは、トランシルヴァニア地方全域でみられるテクニックです。






クロスステッチ用の布に赤い糸を3本どりにして刺繍していきます。

普通のクロスステッチより手間がかかる分、

それだけ立体的に密集して赤色が濃く見えるのが特徴です。





裏には裏側は、生成りと赤の伝統の手織り布のような

ルーマニア製のコットン布を使います。

さらに、トランシルヴァニアの革職人の手作りの

本革の持ち手を付けるので、本格的な味わいとなります。







2019/6/30(日曜) 10:00~12:30

新宿朝日カルチャーセンターにて開かれます。

お申し込みはこちらからお願いいたします。

お電話番号 03-3344-1941
comments(0)|trackback(0)|その他|2019-06-29_13:31|page top

巡礼の帰り道

私たちが巡礼の後、町はずれの駐車場に着いたのは日暮れ時だった。
今日は、何キロと歩いただろう。
足もくたくただった。
時間も、夜9時が過ぎていた。

旦那が車に乗って、気が付いた。
「そういえば、ガソリンを入れないといけなかったんだ。」
先ほど近くのスーパーで買い物をしたばかりで、
最後のお金も使い果たしていた。
このガソリンでどこまで行けるだろう、と不安に駆られながらも
車を走らせた。

旦那が思いついたように言った。
「そうだ。もしヒッチハイクで町まで行く人がいたら、乗せてあげて
お金を借りたらいい。」
こんな夕暮れ時に誰がヒッチハイクをするのだろう。

「そうだ。次の町で降りて、車を置いて電車で帰ろう。」
そんな馬鹿な提案をした私だったが、あいにくお財布の中は空だった。

ハルギタ県の最後の村に差し掛かったとき、ガソリン不足のランプがついた。
いよいよ不安が募り、姑と長年連れ添ったラツィおじさんに電話した。
車がどこまで行けるかわからないが、もし車が止まりそうになったら
ガソリンを持って迎えに来てほしいと。
そして県境のトゥシュナードの町に着いたとき、
ガソリンスタンドを見つけた。
「そうだ、ここまでおじさんに来てもらって、
お金を借りてガソリンを入れたらいい。」
そう決定して電話を入れた。

ガソリンスタンドがそばなので、安心して
湧水を汲みにいくことにした。
スタンドの前の坂を下ると、駅だった。
ここはセーケイ地方きっての保養地として知られている。
森に囲まれた小さな町には、
温泉や湧水(炭酸水のものもある)がいくつもある。
寂しい駅の前でビデオカメラなどを構えて、人が群がっている。
その先は、ごみ箱しかない。
旦那が車を降りて、湧水の場所を尋ねていると、
ほとんどが英語しか話さない外国人だった。
そして、どうやらそのカメラでクマを待っているらしいことがわかった。
「クマは夜10時になったら来る。」と自信満々でその人は答えたという。

湧水を汲んで、まだクマを待っている人たちの前を通り過ぎ、
ガソリンスタンドに戻った。
トイレのためにお店に入ろうとドアを開けようとしたら、開かない。
中の店員さんが、もう今日は閉店だと身振り手振りで示した。
ラツィおじさんは、もうそろそろここに到着するだろう。
当てにしていたスタンドは休み。
それではと、思いついた最後の手段は、
私と眠っている娘だけラツィおじさんの車に移動、
旦那は朝まで車で休み、
翌日スタンドが空いてから給油して家に帰るということ。

やがて、救世主のラツィおじさんが車で到着した。
おじさんがガソリンの状況を尋ねて、何やら話した後、
旦那がこのまま行けるところまで行こうとエンジンをかけた。
ラツィおじさんによると、給油のランプが点灯して60キロは走れるという。
「本当に?」と疑心暗鬼ではあったが、
おじさんの言葉を信じて車を走らせる。
そして、奇跡的にランプは点滅しないまま、
町の外れまで到着したのだ。

おじさんに感謝の言葉をかけて、
給油のためのお金を借りてガソリンを入れた後、
無事に家族そろって帰宅することができた。















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