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ルーマニアの「白雪姫幼稚園」の午前の部に デビューすることになった。 もちろん、ハンガリー語のグループである。
まず、持ち物を入れる。 リュックサックに、スリッパとコップと、タオル。 そして10時のおやつ。 10時のおやつといっても、お菓子ではなくて、 チーズやハムのサンドイッチが普通である。 この習慣は小中学校、高校、大学にまで続くという。 給食や、お弁当というものがないのだ。
8時半に登園。 靴をスリッパに履き替えさせる。 スリッパといわれたので、その通りのものを持ってゆくと、 ほかの子はサンダルや普通の靴を履いている。園の中は暖かいので、中には着替えをする子もいる。
初めてなので私も見学させてもらうことにした。
子供たちはおもちゃで遊び始める。 すると、先生は別室でお絵かき道具を用意し、 今日お誕生日の子供のために絵を描くようにと勧めた。 ぎゅうぎゅう詰めに座って、絵をかく子供たち。
中には、机の下に隠れるようにして泣いている子供、 ずっと一人でいる子もいた。 旦那の言うには、そういう子の方が返って 勉強のできる子になるものらしい。 でも親からしてみると、やっぱり不安である。
息子は、もくもくと大好きな電車のおもちゃで遊んでいた。
先生が声をかけ、なにやら遊びが始まった。 鳥になった子が眠った振りをする。 すると子供たちが歌を歌って、その鳥に近づいて起そうとする。 鳥が目を覚ますと、子供たちはいっせいに逃げる。 そして一人の子を捕まえると、その子が今度は鳥になるという風。 なんだか、「達磨さんが転んだ」に似ていませんか?
その後、今度は輪になって、中心に一人子供が目隠ししている。 「花輪よ、花輪。 どうしてあなたは悲しいの?」 「私の名前が花輪だから。 だから悲しいのよ。」 と歌うと、一人の子を先生が指名する。 その子が、 「トントントンとたたきます。 私が誰だかわかる?」 と聞く。 誰だか当てたら、次は交代。 これは、もしかして「かごめ、かごめ」?
意外な共通点を見出して、一人悦に入った。
先生の呼びかけで、今度は 子供たちが輪になって座る。 みんなの注意を引くように話しかけ、 「さあ、これから体を洗いましょう。」 と体のいろいろな部分の名前を教える。 そして次に、ルーマニア語で一つずつ繰り返す。 今度は赤ちゃんの人形を渡し、一人一人からだの名称をいうのだ。 息子は、もちろんルーマニア語は一切知らないので、 何もいわず人形をそのまま渡した。
小学校に入って、必須であるルーマニア語に慣れるためにも 今のうちから教えるのは大切なことである。 ただ、うちの息子の場合は日本語とハンガリー語だけでも 今は混同しないようにするのが精一杯の状態である。 私はふと、三歳の子供に三つ目の言葉を教えるのは 負担にならないかと心配になった。
それからお誕生日会が始まった。 誕生日を迎えるボギという名の女の子と、その子のおばあちゃんを 囲んで机を並べた。 おばあちゃんが、ボギの生まれた日のことを話す。 もう少女といってもいい、大人びた顔の彼女ははにかんだ顔をしている。 そしてボールをまわして、ひとりひとり、 その子のためにお願い事を言うことになった。 「ボギに、飛行機のアメをお願いする。」 という子もいれば、 「ボギに、幸せをお願いする。」 という子もいる。 息子はというと・・・やっぱり何も言わずにそのまま手渡した。 それから、子供たちがボギを囲んでキスをした。 みんなでケーキを食べて、踊りを踊って今日はこれまで。 お代わりまでもらって、息子も満足そう。
帰り際に、子供をつれたご近所のおばちゃんが、 「バラージュちゃん(息子のハンガリー名)。 幼稚園に行っていたの? いいクラスに入ったね。あの先生は、子供に熱心で、いい先生だよ。 運が良かったね。」 と話しかけてきた。
これから、どんなことを学んでくれるか楽しみである。
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Theme:海外の子育て
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