トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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セカンド・ハンドショップ

ルーマニアには、セカンド・ハンドショップが多い。
特にここ一年半ほど見ないうちに、びっくりするほど増えた。
日本でもリサイクルが盛んになって、そういう系統の店が多くなったが、ここでは洋服のセカンド・ハンド、つまり古着屋のことである。

もしこの町で古着屋ツアーを頼まれたとしたら、優に一日はかかるだろう。
それほど古着には沢山の店があって、逆に新品の洋服の店は少ないし、私はそんな店に入ったこともない。

一つの特徴は、とにかく何でもあること。
紳士から婦人、子供服まで、サイズも傾向も多種多様である。
看板に「新商品が届きました。」と書いてあったり、「半額セール」などと書いてあるときには人が多くなる。

中でもやはり圧倒的に多いのは、婦人物である。
トップスから、スカート、パンツ、ワンピース、寝巻き、スカーフ、バッグ。中には水着や下着、靴下まで置いてあるところもある。(さすがに、そこまでは私も試したことがない。)

ただ日本人にとって、問題なのはサイズである。
西洋人と違って、体格が細くて、凹凸に欠けるので、ちょっとこれは問題だ。気に入って広げてみると、私が二人分入りそうな巨大な洋服で驚いたことも少なくない。また着てみて、胸の辺りが不自然に空気で膨らんでいるのに唖然としたこともある。
昔、妊婦時代に着る洋服に困ったときには、古着屋でLLサイズの洋服を買ってきていた。妊婦用の服など買わなくて良かったので、大助かりであった。

面白いのは、今はどこでも作らないような本物の古着に出会えることである。
多いのはドイツ語表記の古着で、厚いポリエステルの生地に花柄や幾何学などの織り模様があって、なんともレトロな感じがする。イギリス製のポリエステルのワンピースは、孔雀の柄がついていて、タグからしてみても70年代もののようである。

タグもなく、よく見るとホームソーイングのような、心のこもった洋服にも出会える。
大量生産では得られない、独特の味があって、意表をつく素材の組み合わせやデザインで大好きである。

最近、雑貨やなどで見かける、おばあちゃんのワンピースも良く見かける。あんなカラフルな模様をまとったおばあちゃんは、本当にお洒落で可愛い。
ブダペストでも、ポップな花柄のワンピースに白いブーツをはいて歩くおばあちゃんに感激して、写真を撮りたくて仕方がなかった。

そういう掘り出し物を探すと、なお古着屋めぐりが楽しくなる。
この服は、どんな時代にどこの国でどんな人が着ていたのだろう・・・などと想像するのも良い。
一度は、子供服のポケットの中に、小さな木彫りのウサギがはいっていたこともあった。
顔も見ない誰かからのプレゼントだろうか。










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Theme:異文化
Genre:海外情報

comments(0)|trackback(0)|トランシルヴァニアの町|2008-04-09_18:28|page top

社会主義時代の名残 ― ルーマニアのスーパー事情

うちの近所の、とあるスーパーをご紹介したい。

平べったいコンクリートの建物で、屋根にはペンキのはげた字で「セルフサービス」と書いてある。
ルーマニア語とハンガリー語の二カ国語表記である。

通称「ウンキ」とよばれるこのスーパーに入ると、右手には、普通のスーパーで食料品や日用雑貨が並んでいる部分。
左手には、フルーツやお菓子が売っているところ、パンが売っているところ、
乳製品、肉類が売っているところに分けられている。
もちろんレジも別々である。

食料品などがあるところに入ってゆくと、
なにやら赤いエプロンをかけた従業員が後ろからついてくる。
「私が外国人だからか?」と自分が疑われているような気になって、焦ったこともあったがそうではないらしい。
しばらく後ろを窺ってみると、何のことはない、他の従業員とおしゃべりなんかをしている。

暇そうなので「~を探している。」などと聞いてみると、急に活気付いて「ここですよ。」と案内してくれる。レジは一つなのに対して、この案内役の多さには驚かされる。
私はスーパーの仕事には詳しくないが、棚入れなどをしている姿は見たことがない。

店の中を歩くと、缶詰などが比較的多いのに気がつく。
面白いのは、ナスのペースト用のナスを焼いたものの缶詰や、ザクスカの缶詰(「大きいパンを食べる」参照)がある。日本で言えば、ご飯の友であろうか。
また、恐ろしく多いジャムやコンポートの種類。
・・・アプリコット、モモ、サワーチェリー、プルーン、イチゴ、ブラックベリー、ブルーベリー、ラズベリー、ローズヒップ。
変わったところでは、緑のくるみなんていうのもある。
これはくるみが実る前の、外側の部分である。それが丸ごとシロップ付けにしてある。
私はいつかくるみの木の下で「くるみがどこにもない!」と言うと、大きな緑の実を指された。
この緑の実の種の中身が、あのくるみだったのだ。

もちろん、炭酸水の種類も多い。
ビン入りのものを買うには、初めにビン自体も買わないといけない。
そしてまた次の機会に、ビンを持って行くと、炭酸水だけの値段で買える。(1L=20~30円)

これが「セルフ・サービス」と呼ばれるが所以である。
というと不思議に思えわれるかもしれない。
私たちが普段スーパーで勝手に商品を取ることが
まさに「セルフ・サービス」なのだ。

IMG_1778.jpg

では、「セルフ」でない部分は?というと、
美味しそうなフルーツやお菓子が沢山積み上げられている中に、従業員が埋もれるように立っている。ガラス戸で仕切られているから、もちろん手は届かない。
この従業員に、何が欲しいかを告げて商品を取ってもらう。
そして代金を払う。
ほとんどは量り売りなので、「あのジャム入りのクッキーを、500gください。」という形か、もしくは「あのアメを2レイ分ください。」という形で注文する。
私のような外国人にはすごく分かりにくいシステムであるが、確かにこの方が安いような気がする。

IMG_1780.jpg


パンの部門でも然り。ただパンは見かけがほとんど変わらないので、聞いてみるしかない。
半分がよければ、目の前できってくれる。

乳製品や肉類のところで驚いたのは、以前サワークリームを買ったときに、手書きで書いたレシートを渡されて「あそこのレジで払ってちょうだい。」と言われる。
そして向かいのレジに行くと、レジ係りがレジを打つ。
支払ったレシートを手に戻って、やっと商品を受け取る。
なんとも時間のロスが多い買い物である。

今でこそ、ルーマニアも無事(?)EUに加盟し、西欧資本の巨大なショッピングセンターなどが建てられるようになって、買い物も合理化し、商品も多種類、大量に手に入るようになった。
消費社会が始まったのである。

しかし、旦那たちが小学生のころは社会主義で、
スーパーに行っても店には何も品物がなかったと言う。
お金があっても、物がないから買えない時代だったのだ。

例えば、コーヒーなど珍しいものが入ったという情報が伝わると、
店に人が押しかけ、行列の末やっと手に入るという話も聞いた。

その社会主義時代の名残をとどめるスーパーに愛着を持って、
そういう時代があったことを忘れないようにしたいと思う。
特に、これからの社会主義を知らない世代の若者たちにはなおのことそうである。















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comments(2)|trackback(0)|トランシルヴァニアの町|2008-04-09_17:53|page top