トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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春を探しに・・・

この冬の終わりに、
ほとんど毎日のように
たて続けに降る雪、雪、雪・・・
それでも、あたたかな太陽が顔を出すと
すぐに消え入ってしまう。
トランシルヴァニアの3月。

日曜日の午後。
ブラーガ一家に誘われて、
上ドボイに建設中の
私たちの家を見に行くことになった。

お迎えの車は、
キャンピングカー。
大人4人と子供4人を乗せて、
雪の解けたばかりの「美しい畑」を走る。
久しぶりの
すっきりと晴れ上がった空からは、
太陽の光が惜しげもなく降り注がれる。

お母さんのエニクーが
「 あなた、ボロシュニョーの家で、
 木の枝を切らないと。」となにやら用事を思い出した様子。
予定変更で、まず先にボロシュニョーの村に
寄ることとなる。
幸いにも、ドボイとボロシュニョーは
村をひとつはさんだ隣同士。

なだらかな曲線の連なる丘に
囲まれた小さな村。
たった今走ってきた平野は視界がさえぎられて見えないから、
ひっそりと穏やかである。

5年間も住んでいたという、
ボロシュニョーの家。
電車の駅は隣村までだから、
6kmの道のりを夏の日も、雪の日も歩いていたそうだ。

古い石造りの門の前で降りる。
車酔いでぐったりしていた子供たちは、
雪を見て生き返ったかのようにはしゃぎ始めた。

borosnyo1.jpg

これがブラーガ一家の昔の家。
貴族風の立派なお屋敷に思わずため息。
ご主人のお祖父さんは、
その昔、酒造りをして富を成した人であったようだ。

IMG_4390.jpg    

築150年の、
古い石造りのお屋敷の中へ。

IMG_4394.jpg

扉をひらくと、
窓の上のステンドグラスの輝きが
こぼれてきた。

IMG_4396.jpg

革張りの立派ないすに、
壷が彫られた黒光りした机、そして刺しゅうのクッション・・・
150年も時がタイムスリップしたかのように、
お祖父さんたちの生きていらしたころの
空気にそのまま包み込まれる。

IMG_4397.jpg

お祖母さんが作られたのであろう
ウール刺しゅうのクッション。
暗黒色の木の風合いに、
ナチュラルな刺しゅうの色がいっしょに
呼吸をしているようだ。

IMG_4404.jpg

残念ながら、工場の機械は
いつか洪水で水に浸かってしまったそうだ。
大きな納屋は、昔は夫婦のアトリエとして使われていた。

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子供たちがすきなのは、
民家の地下室と屋根裏部屋。
かわらの間から透けて見える太陽の光が、
エキゾチックに見えるのはどうしてだろう。
まるで夜空の星のよう。

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ここなら運動会だってできそうに広い。
茶色と緑色とが入り混じった芝生。
冬から春に移り変わる
この季節特有の色合い。

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ニョロニョロ・・・
これはイモムシではなくて、
ヘーゼルナッツの木の花。
黄色がかった緑色の細長い花。
たくさんのハチが春一番のごちそうに
ありついていた。

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裸の木の枝には、固いつぼみが。
確かな生命の息吹を感じさせてくれる。

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ほら、ここにも春を告げるしるし。
雪の白にも負けない
雪の花が、しっかりと花びらを広げて立っている。

borosnyo2.jpg

用事を済ませてから、
今度はドボイへ向かう。
なだらかな丘をいくつか越えれば、
徒歩30分ほどで行かれるそうだ。

北を向いた山の斜面にたたずむ小さな村。
少々人数オーバーなのか、
キャンピングカーも上り坂を苦しそうに進む。

もう日は大分傾いていた。
イロンカおばあちゃんの大きなクルミの木と、
つるべ井戸・・・・私の好きな風景。
左側に建設中の家があるが、
昨年の10月以来そのまま。

borosnyo15.jpg

初めてお客様をつれて、
私の庭へとやってきた。
太陽の光が十分でなかったのか、
まだあちらこちらに雪が残っている。

IMG_4465.jpg

子供たちは大喜びで、
斜面をごろごろと転がり降りる。
やがては車からそりを持ってきて、
本格的なそり遊びが始まった。

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確かにここはそりやスキーをするには
絶好の場所だ。
かなりの急斜面だから、
上るのにも一苦労。

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「 ここにも、雪の花があるよ!」と喜ぶ息子。
よくもこんなに寒い土地に咲いてくれた・・・
と花に感謝したくなる。

IMG_4461.jpg

緑がかった紫色をした花びらの花は、
まるで森の妖精のよう。
神秘的なうつくしさが漂う。

IMG_4474.jpg

子供たちは競うように
花つみに熱中しはじめた。
まだ雪の残る村で
こんな花束が出来るなんて
だれが思うだろう。

borosnyo12.jpg

たくさんの春の恵みを胸に、
夕暮れ時の道を帰っていった。
この北国にも、
一歩一歩春が近づいてきている。
「 あともう少し、もう少し・・・。」
自然がささやきかけている。



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*ブラーガ一家のアンティークの部屋は、
 こちらで詳しくご覧いただけます。(→

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comments(8)|trackback(0)|セーケイ地方の村|2009-03-26_08:14|page top

1848年、革命記念日

3月15日は、ハンガリー人にとって大切な日、
革命記念日である。

革命というと、日本ではあまり
なじみのない言葉である。
失敗に終わった革命が、
どうしてこんなにも、人々の心を熱くし
動かすのか・・・
今年は、その一端をのぞいてみるべく
革命記念日のイベントに参加することにした。

週末に近づくと、
町の中心ではあちらこちらに
ハンガリーの国旗をかたどった
勲章が飾られる。
ここは町の劇場の前。

IMG_4177.jpg

ライオンの記念碑の前では、
赤と白のカーネーションがたくさん捧げられていた。

IMG_4175.jpg

聞いたところによると、
夕方5時にここから会場までバスが出るそうだが・・・
町の中心は、いつもの週末のように
ひっそりとしていた。

一通り練り歩いて、
結局見つからない。
諦めて帰ろうとすると・・・
教会の前に、旗を掲げた人の群れが見える。
ボーイスカウトの若者たちに混ざって、
私たちもバスに乗り込んだ。

IMG_4179.jpg

目指すは、ここから南西にある
とある村のはずれの丘。
「巨人の地下室の丘」と呼ばれる
その丘は、巨人が置き忘れた靴からできたという
伝説まで出来ている。
夕暮れ時の、広いジャガイモ畑の中を
バスは進む。

マクシャという村の入り口で下ろされる。
ここからなだらかな丘を登っていかなくてはならない。
若者たちは、まるで遠足か何かのように楽しそう。

IMG_4183.jpg

赤、白、緑がハンガリーの旗。
そのほかにもセーケイのもの、
アルパード家というハンガリーの王族の旗、
さらにはドイツのものまで見られる。

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あちらから、こちらから
旗を掲げた人々が
この丘の上に結集する。

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この裸の丘の上では、
たえず冷たい風が吹きつける。
息子もがんばって、2,3kmの登り道を歩く。

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やっとのことで坂を上りきると、
19世紀の衣装に身を包んだ兵士たちが、
戦いを始めていた。
まるで映画のロケを見ているよう。

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セーケイ人の歴史がひとつひとつ
刻まれた門をくぐって・・・
ご先祖さまの通ってきた道を歩いていくような
気持ちになるのだろう。

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その木の門は、
やがて巨大なモニュメントに導いた。
大きな柱の伸びた、円形の広場。
ここが会場となるらしい。
たくさんの人が、次から次へと押し寄せる。

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兵隊さんたちの姿も。

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やがて19世紀の革命の時代の音楽を
管弦楽隊が演奏し始める。
それから演説、最後にともし火をして
セレモニーが幕を閉じる。

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当時オーストリア・ハプスブルク帝国の
支配の下にあったハンガリーが、
フランス革命の影響を受けて立ち上がった。
中でももっとも戦闘が激しく、
長く続いたのが
ここハーロムセーク地方(今のコヴァスナ県)である。

どうして、この地方で長く続いたかというと、
セーケイ人という国境を守る
特殊な義務を持っていたこともあるし、
支配階級と農民たちが団結して戦ったからでもあった。

ハブスブルクがもし、
大国ロシアの応援を頼まなかったとしたら・・・
この革命は成功していただろうと言われている。

100年近くもの間、
ルーマニアの少数民族となった
ルーマニアのハンガリー人たち。
その数は150万人といわれている。

中でもセーケイ人は、
言葉こそハンガリー語を話しているが、
ハンガリー王国の歴史の中でも
そのアイデンティティーをずっと保ち続けてきた。

これからの21世紀に、
エスニックグループは
どう生き残っていくのだろう。

大きなヨーロッパという流れの中で、
実にさまざまな文化やルーツを持つ人たちが
星のように散らばっている。
その中のひとつが、
トランシルヴァニアのセーケイ人。

息子たちの世代がどう受け継いでいくのか・・・
大人たちにとっては、大きな仕事である。

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comments(4)|trackback(0)|イベント|2009-03-20_20:02|page top

舞いもどった冬景色

トランシルヴァニアの3月。
春と冬との境でゆれ動いている、
季節の変わり時。

今週はそれにしても
よく雪が降った。
気温が下がった夜の間に、
まるで白化粧をしたように、
朝になるとすべてが真っ白に覆われる。
そして日中は、
雲の合間から暖かな日差しが
顔を出して、
あっという間にすべてを水に変えてしまう。

アパートのガラス張りのテラスで、
春の日差しを浴びながら
雪の解ける音を聞くのは
なんとも心地よい。
雨上がりのようなすがすがしさがある。

北国独特の冬の過ごし方、
自然の美しさからもたくさんのことを学んだ。
そして雪も実にさまざまな
質感、形があることも・・・

朝目覚めて、
木々の輪郭のすみずみにまで
張り付いた雪の美しさに息を呑んだ。
その湿り気を帯びた雪は、
体に触れたとたん、
すっと解けてしまう。

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雪の結晶は、
顕微鏡でしか見られないと思っていたら、
あの星のような粒が次から次へと降ってくるのだ。
壊れてしまいそうなほど
繊細な形は、地上のものとは思えないほど。

一日のうちにも、
春がやってきたり、冬が戻ってきたりする。
予想できないような変わりやすい天気は、
4月に特徴的だという。

突然、ポロポロとこぼれる音を聞いた。
小さな砂糖菓子のような
丸い粒があとからあとから打ち付けてくる。
あられだった。

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視界がさえぎられるほど、
横に打ち付けるあられの嵐・・・
そして10分ほど続いた後は、
また太陽がのぞいていた。

白の世界を脱皮して、
そろそろ緑の世界に入ろうとしている。
これからじっくりと目を凝らして、
春の到来を見届けたい。

トランシルヴァニアの春はおそい。
だからこそ春は、光り輝き
奇跡に満ちたものなのだろう。

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comments(0)|trackback(0)|自然、動物|2009-03-20_08:23|page top

トランシルヴァニアへようこそ!

まだ昼なのに薄暗く、
しんしんと雪の降る中、
私たちは村へと向かうバス停で待っていた。
ある日本からのお客様といっしょだった。
一通のメールをきっかけに、
最近お知り合いになったばかりの方たち。

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昨年秋に刊行された雑誌、
ホームスウィートクラフトで、
私は手芸のおばあさんをたずねる記事を書いたのだが、
バルト3国の手作り紀行を書いていらした方・・・
それが貝戸さんご夫妻。

HOMESWEET

ご夫婦というよりも若いカップルのような
初々しいお二人は、
Pretzel(プレッツェル)という
お洒落な子供服のブランドを手がけていらっしゃる方たち。
ハンガリー、ルーマニアへは買い付けの旅に来られた。
トランシルヴァニアは、今回で二回目。
なんと私の住むスフントゥ・ゲオルゲに興味を持たれ、
ぜひこちらに伺いたいというものだった。

私のその日の体調は思わしくなかった。
ウィルス性の風邪に冒され、
ずっとその週は体が思うように動かない。
実は、その日の朝まで
ご一緒できるかどうか迷っていた。

いくら時間にルーズとはいえ、
やけにバスが遅いと思っていたら、
バスの乗り場を間違えていたようだ。
この前行ったときは、ここでよかったのに、
平日はバス停もバスの路線も違うという。
迷惑な話だ。

私はもう、こんな予定外の事態には慣れっこである。
それなら残された選択肢は、
ヒッチハイクかタクシー。
最悪の時は、村をあきらめて
町を観光する・・・

ちょうどよくタクシーがつかまったので、
ここから3番目の村カールノクまでの料金を交渉する。
22レイ・・・バスが一人当たり4.5レイだから、
4をかけても、そう変わらない値段。
私たちはタクシーに乗り込んだ。

「この値段だから、メーターは回さないよ。」と運転手さんは、
タクシーの看板にニットキャップをかぶせた。
これがカムフラージュのようだ。

息子も合わせて6人の車内は
ギュウギュウ気味。
定員オーバーでも、乗せてもらえてラッキーだ。
町を過ぎると、
真っ白に染まったなだらかな丘が見えてくる。
「こんな景色が見られただけでもよかった。」とご主人の哲哉さん。

途中から、
アスファルトなしの道路へ差し掛かると
グッとスピードが遅くなる。
村に着いたのは15~20分後。

IMG_4135.jpg

私たちは村の途中で降ろされ、
友人にご挨拶をしてから、
村の教会を目指す。
ほんの二週間ほど前には、
小春日和で道路も泥でぬかるんでいたのに、
今日は見事にカチカチだ。

やがて以前立ち話をした
おばあちゃんが門のところにいるのが、見えてきた。

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「 あら、この前の。
 ちょっとうちへも寄っていらっしゃい。」といい具合に声をかけていただく。
民家の中を見せてもらえるのは、ラッキーなこと。
可愛らしい赤い家具のお部屋をみせてもらって、
おばあちゃんと記念撮影。

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そしてかわいい花模様の門が見えてきた。
チューリップやマーガレット、
ハートが木彫りされた可愛らしいデザイン。

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おとぎの国から抜け出たような門に、
お客様からもため息が漏れる。

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雪のふる中を、ネコが足早に通り過ぎた。

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この先に、青い教会がある。
セーケイ地方に特徴的な、植物模様のペイントがされ、
青く塗られた教会。
心の洗われるような、
澄み切った青空の色にしばし包まれる・・・

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ペイントされた植物もようの家具と、
植物の刺しゅうが素朴でやさしい空間を作る。

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教会の横には、
1600年代に作られた
木造の鐘つき台が
昔と変わらずにどっしりと佇んでいる。

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由紀さん、哲哉さんも
ダンナたちの後に続いた。
すこし足場が悪く、
上りづらいはしご・・・
私はもちろん、今回は棄権した。

11.jpg

カールノクからバスで二つとなりの村、
アールコシュに行く予定だったのだが・・・
バスの路線が変わったそうなので、
仕方なく歩くことになった。
車も通らない、寂しげな雪の道をひたすら進む。

2kmほどで隣村にたどり着いた。
もう私の体力も限界。
村のレストランで一息つくことにした。
レストランとは名ばかりの、
村の酒場で何か暖かいものを・・・と思ったら、
冷たい飲みものしかないようだ。

ダンナに交渉してもらい、
特別にホットワインを作ってもらうことになった。
・・・待てども、温まらないワイン。
そうこうしているうちに、
町へ帰るバスも来てしまった。
出来たばかりの、
熱々の1Lワインをガラスのビンにつめて
バスに乗り込んだ。

やがてバスの中で、酒盛りが始まった。
冷えた手を、
ワインが暖めてくれる。
コショウもきいていて、
甘い果実の味が心地よい。
舗装がないので、
タテへヨコへと揺れるバスの中で、
ワインをすする私たち。

セントジュルジの町についたころには、
風邪とワインと、車の揺れで
吐き気とめまいに襲われてしまった。
会話すらする余裕もなく、
タクシーに乗ってやっとの思いで家に到着。
しばらくはベッドに倒れこんだまま、
動けなくなってしまう。

・・・30分ほど眠っていたのだろうか。
やっとお客様のところへ戻ると、
ダンナが民俗衣装などを広げているところだった。
彼の父親が共産主義時代に収集した、
民俗衣装のコレクション。
貝戸さんご夫妻も喜んでいらしたので、
一安心。

それからは体も復活し、
素敵なご夫婦と
心行くまで話をすることが出来て、
楽しい一夜となった。

その後も
お二人は、中世の雰囲気をたたえた町
シギショアラから、
赤いバラの衣装で有名なセーク(シク)村、
ルーマニア人の心のふるさと
マラムレシュ地方までも行かれたそうだ。
マラムレシュではヒッチハイクで、
8つの村を見てまわるという
ものすごい行動力には感心してしまった。

その土地土地にあった生活のペースにあわせて、
そこにしかない見所というものをしっかりと押さえ、
そして行動する。
英語を流暢に話すとか、
歴史や地理に通じているとかよりも、
もっともっと大切なこと。
本当の意味で、旅行上手とは
このことを言うのだと思った。

私にとっても初心に戻って、
新鮮な気持ちでトランシルヴァニアを見ることのできた時間。
これからも忘れないようにしたい。

皆さまもトランシルヴァニアを
体験してみませんか?



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*貝戸さんの手がける
Pretzel(プレッツェル)の子供服はこちらでご紹介しています。(→

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comments(2)|trackback(0)|セーケイ地方の村|2009-03-16_05:45|page top

冬のいけにえとカーニバル

これで今年は3回目、
最後の謝肉祭のイベントとなる。

この日は、保護者の方に聞いて
セントジュルジの町でも謝肉祭があることを知った。
夕方すでに日が暮れかけたころ、
めいめい面白い衣装に身を包んだ
人たちが集まってきた。
楽団までそろっていて、
祭りの雰囲気も十分。

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息子と仲良しのチャナードも、
今日は手作りのフェルトのお面をつけて参加。
可愛らしい瞳だけがのぞいている。
羊毛の生産地である
トランシルヴァニアでは、フェルト作りも盛んのようだ。

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夕日を背に、
パレードが出発する。
子供だけかと思ったら、
大人も多数の参加で大賑わい。
セーケイ博物館の前を通って、
中心の公園へと向かう。

002.jpg

ドラムにヴァイオリン、笛の音に合わせて、
子供たちもご機嫌。

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やがて町の公園にやってくると、
並木でぐるりと囲まれた広場に着いた。
どうやら、ここが舞台の様子だ。
クマもご機嫌で、軽快にステップを踏み始めた。

008.jpg

ワラで出来た人形に
長ーい足が生えている・・・・と思ったら、
この長身の大男は友人のゾリに間違いない。
なにやら叫びをあげながら、
観客にちょっかいを出している。

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ゾリ扮する羊のワラ人形こそが、
憎き冬の象徴。
この人形を燃やすのがクライマックスのようだ。
まずはじめに、斧で頭を叩き割る。
ガシーンという音とともに、
壷が粉みじんに。

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中のゾリは大丈夫だろうか・・・・
みんなが心配そうに、中をのぞき見る。

004.jpg

再びパレードの行列が通りを引き返し、
とある建物の中庭に入っていった。
チャナードたちと一緒に、ワラ人形の行方を見守る。

005.jpg

広場にはワラ人形が寝かされ、
それを囲んで楽団や仮装姿の子供たちがぐるりを囲んでいた。

006.jpg

そのとき、後ろから
「 やあ、小さいセーケイ日本人!」と声がして
息子が高く抱きかかえられていた。
先ほどまで、ワラ人形をかぶっていたゾリ。
2Mの高さから見物できて、息子はラッキーだ。

IMG_4117.jpg

「 男の子、男の子! パンツは穴だらけ!」
「 女の子、女の子! 地上の魔女たちだ!」と
悪口のいい合いが始まった。
大声を出すこと、
それは魔を追い払うことに通じるのだろう。

魔女とクマが腕を組んで踊る中、
ワラ人形が炎と化して燃え上がる。

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まだ雪の残る広場では、
しばらく佇んでいると足の先が凍りつくようだ。
冬を焼き尽くす、
まさにその名の通りに去っていってくれればいいのだが・・・

IMG_4130.jpg

やがて燃え尽きた
抜け殻になった冬が、広場に残った。
私たちは気持ちだけでも、
冬を埋葬した晴れやかな気持ちになる。

やがて出口の所では、
かごいっぱいのドーナツが配られた。
「 カーニバルのドーナツ」と言われて
この日に揚げる習慣があるそうだ。
やがて4月中旬のイースターまでは、
宗教上は長い長い断肉期間となる。

これから一ヶ月半の間に、
トランシルヴァニアに春がやってくるだろうか。
寒さでカチカチになった足を踏みしめ、
薄暗い道を帰っていった。



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comments(4)|trackback(0)|イベント|2009-03-11_07:07|page top

白雪姫幼稚園でも謝肉祭(カーニバル)

あれから冬の悪霊が乗り移ってしまったかのように、
2週間ずっと風邪を引きっぱなしである。

こちらは話は前後するが、
息子の通う白雪姫幼稚園で行われた謝肉祭の様子。
11時よりも少し早く
教室で待っていると、子供の衣装がえをしに親御さんたちが
ぞろぞろとやってきた。
内心「しまった!」と思っても、もう遅い。
カーニバルといえば、仮装がつきもの。
その気合の入れ方といったら・・・
こんな衣装が似合ってしまうのも、さすがだ。

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息子のお気に入りのチャナードは、
もうその個性にぴったりのピエロ姿。
他にも、たくさんのお姫様やスパイダーマンなどが
並ぶ中、こんなとき親の発想力が試される。

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「ねぇ、ボクも撮ってよ~。」とそばに腰掛けていた
ヤーツィント。
名前はヒヤシンス、見た目もそんな感じ。
でも実は、男の子である。

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息子はというと・・・
お恥ずかしいのだが、前日に
家で見つけた浴衣を取り出してきただけ。
だだでさえ目立つのだから、これで良い。
と思っていたら、やっぱり気が乗らないようす。
「タイキも、ガイコツが良かった・・・。」とこぼす。
後方に見られる保護者でさえ、
あんなに気合を入れて望んでいるのに・・・

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子供たちが勢ぞろいすると、
一人ずつ自己紹介が始まる。
息子の番になる。
「分からない・・・」と答えて口をつぐんでしまい、
さすがに可哀相になってきた。

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それでも踊りの先生が登場して、
ダンスが始まれば、皆ご機嫌で手足が動き出す。

IMG_3523.jpg

ぷくぷくとした色白の
ハンナちゃんは、ライオン姿がぴったり。

IMG_3521.jpg

家から持参した
音の出るおもちゃを鳴らして、
冬の魔物を追い出す。
昔からこんな風にして、春を待ち望んでいたのだろう。

IMG_3534.jpg

白雪姫やお姫様、
ピエロにライオンたちが仲良く踊っている。

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平日なのにもかかわらず、
いつも保護者の出席率は驚くほど高い。
先ほどから子供たちの気になっていた、
お菓子もじっと踊りの終わるのを待っている。

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いつものヴァイオリンの音に合わせて、
自由にのびのびと踊り始める子供たち。

IMG_3555.jpg

やがて音楽が止まると・・・
石になったように、すっかり動きを止めてしまう。
その表情まで、思わず噴き出してしまうほどに
真剣そのもの。

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ポーカーフェイスで踊り続けた
勝者のノリカがいすに乗って、
祝福される。

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歌ったり、踊ったりした後は、
お待ちかねのお菓子が待っている。
面白いのは、毎日決まった子供たちが、
食べ物を給紙する役割分担があること。
親御さんたちにも、お菓子を配ってまわる。

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お菓子でお腹いっぱいになったあとは、
お母さんやおばあちゃんたちといす取りダンス。

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そろそろお祭りも終わりのころ、
部屋の中では音楽が鳴り響き、
踊り足りない子供たちがぐるぐると回っていた。
お寺の小僧よろしく
ほうきで床を掃いている息子の姿も。


IMG_3585.jpg

やがてそのほうきを床に思いっきり叩きつけ、
バン!と教室いっぱいに響き渡る。

03.jpg

すると示し合わせていたように、
今度はお姫様の手をとって
踊り始めた。

05.jpg

着物がはだけ、
汗でびっしょりになり、足もふらふらなのに
夢中で踊り続ける子供たち。
無邪気にまわり続ける子供たちに向けて、
シャッターを押す保護者ふたり。

04.jpg

思えば遊ぶことにかけて、
子供たちは時に天才的なひらめきを見せることがある。
だれに教えられ、指示されたわけでもない。
自分たちで決まりを見つけて、
遊んでいる。
その夢中になる姿に魅せられ、
大人たちははっと息を飲むことがある。

IMG_3603.jpg

最後までタフだったのは、
やっぱり女の子たち。
音楽が鳴り続ける限りは、
その足は止まらないのはないかと思うくらい。

IMG_3629.jpg

こうして踊り明かした半日も
過ぎていった。
緑の芝の上で、飛んだり跳ねたり出来る日が
やってくることを願って。



トランシルバニアをあなたの心に・・・
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comments(2)|trackback(0)|ルーマニアの育児|2009-03-08_00:44|page top