トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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「イーラーショシュとカロタセグのきらめく伝統刺繍」展

晩秋のちょうど冬支度がはじまる頃、
東京の素敵な古民家ギャラリーに
トランシルヴァニアの手仕事をスーツケースいっぱいにして、
二度目の展示会を開催いたします。

11月23日(土)から12月1日までの9日間。
今回のテーマは、「イーラーショシュとカロタセグの伝統刺繍」。
トランシルヴァニアの片隅にひっそりと、
煌びやかな手仕事の文化が花ひらきました。
その多彩で豊富な刺繍の世界を、
コレクションとともにご紹介します。

カロタセグを代表する刺繍「イーラーショシュ」をはじめとする、
農村を土壌に生まれ、育った美しい手仕事の数々。
今年発売された二冊の本の出版記念として開催いたします。

最終日12月1日にはイーラーショシュのワークショップも
にぎやかに開催する予定です。
皆さまにお会いできますのを楽しみにしています。

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オフィスビルの立ち並ぶ界隈に、
白壁に蔦のからまる古民家が目印です。

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お問い合わせは、こちらまで。

btf ANNEX(バタフライ・アネックス)
〒104-0041 東京都中央区新富1-4-4 有楽町線「新富町駅」2番出口から徒歩5分
tel:03・6280・5068/03・5541・0061 fax:03・6280・5069

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Theme:ルーマニア
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comments(13)|trackback(0)|イベント|2013-11-18_17:05|page top

世界一周 魅惑の鉄道紀行

7月の終わり、娘が誕生して一ヶ月になろうとしていた頃、
ブカレスト在住のルーマニア人女性から電話があった。
「日本からテレビの取材がくるのですが、
少しだけ取材に応じてくれませんか?」

35度以上の猛暑の折に、待ち合わせの場所である
公園に向かった。
まだ生まれたてで軟弱な娘を抱いて、
容赦なく降り注ぐ真夏の太陽の中を歩く。
睡蓮が満開に咲きほこる池のほとりを散歩していると、
地元の新聞社で働く友人や日本語の生徒ともばったりと出くわした。

当初は、こちらでの生活のこと、
物価や暮らしについてのことを尋ねるという話だったのが、
ディレクターの方と話すうちに、
我が家に来て、家族の生活を取材したいということになった。

町のはずれに近いアパートに到着すると、
二階で一人暮らしをするおばあちゃんが窓から手をふった。
子ども好きのおばあちゃんは、
娘を一目見ようとアパートの通路に飛び出してきた。

当時、私は二冊目の本の執筆、校正などの作業で忙しく、
小さな娘に授乳する合間を使って、
パソコンに向かっている毎日だった。

散らかっている部屋に三人の日本人、一人のルーマニア人の
お客がくると、動きがとれないくらいになる。
壁いっぱいに貼り付けられた漢字を見て、
息子に質問を投げかけるディレクターの方。
ルーマニアの少数民族ハンガリー人と日本人の家庭に生まれた息子は、
学校では母語のハンガリー語のほか、
国の言葉のルーマニア語、英語も学んでいる。

やがて日本で編集が行われ、
我が家の取材も番組の中で少しだけ放映されることになった。
ちょうどその頃は、東京の展示会の真っ只中。
日本でルーマニアの自分の家庭を見るというのは
どんな気持ちだろう。

11月25日(月)20時~
BS TBS 世界一周 魅惑の鉄道紀行「ルーマニア ドラキュラの故郷を訪ねて」

2011年に放映された、
ハンガリー国営Dunaテレビの取材はこちらです。
Seiko megvalósult álma

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comments(4)|trackback(0)|その他|2013-11-14_21:32|page top

トランシルヴァニアの日本の日 「日の出る国への門」

セーケイ地方の小都市シェプシ・セントジュルジ(ルーマニア語スフントゥ・ゲオルゲ)で
第二回目の日本の日が開催された。
「日の出る国への門」という名のもと、
多彩なプログラムで日本文化を紹介するものだった。
折り紙や切り紙、書道に日本の歌。
着物の着付けに、生け花のデモンストレーション、演劇、本文化についての講演など・・。
町の生け花サークルの展示も会場に彩りを添えていた。

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会場はおととしと同じ、
コヴァスナ県立図書館の「青の広間」。
かつては県庁として使われていただけあって、立派な建物。
セーケイの青と呼ばれる空色に花模様が美しい。

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この地方色あふれる広間に、
日本の色を持ち込もうというのも面白い試み。
町のアートスクールの演劇学科の生徒たちの協力を得て、
古事記の岩戸がくれの一幕を演じてもらうことになった。
夜神楽の舞台に似せて、
ライラックの枝に縄をかけ、紙垂(しで)を下げると
それらしい舞台が出来上がった。

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スサノオノミコトとアマテラスオオミカミの対話、
世界が真っ暗になると魔物たちが登場する。
カミに祈り、アマノウズメノミコトが舞うと、
岩戸がひらき、アマテラスがふたたび姿を現した。
ほぼ一週間ほどで出来上がった小劇なのにもかかわらず、
学生たちの創造性豊かな演技によって
ミステリアスな日本の古代神話の世界ができあがった。

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この日本の日の様子はこちらのページでもご覧いただけます。
Sepsiszentgyorgy.info

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古事記より岩戸隠れの一幕。
Plugor Sandor Muveszeti Liceumの演劇学科の生徒たち(高校三年生)

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comments(0)|trackback(0)|イベント|2013-11-12_20:45|page top

セーケイ人の人の鎖

10月23日。
秋の澄み切った青い空の下、
セーケイの空色の旗が54キロメートルに渡って続いた。

「人の鎖を作ろう。」との呼びかけで、
セーケイ地方ばかりでなくトランシルヴァニア中、
隣国ハンガリーからも沢山の人々が集まった。
その数12万人とも10万人とも言われている。
トランシルヴァニアのハンガリー人が100万人ちょっとというから、
これは大変な数である。

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トランシルヴァニア地方の東の果てに、
セーケイと呼ばれるハンガリー人が先祖代々の土地を守り暮らしている。
もともとは別の民族だったと言われているが、
13世紀ごろにハンガリーの国境を守備するために
この地に派遣されたと言われている。
セーケイ人は、普段は田畑を耕しているものの、
一度戦争が起こると武器を取って勇敢に戦った。
それぞれが自らの土地を持ち、
領主に税を払うことも免除される、いわば特権階級にあった。
誇り高い民族である。

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20世紀はじめ、第一次大戦後に
トランシルヴァニアがルーマニアに割譲されて、
少数民族としての運命を余儀なくされた。
さまざまな苦境を乗り越えて、
今なお、この地に自分たちが存在することを証明するため、
セーケイ地方の自治を唱えてデモ行進をつづけている。

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今回のデモは、大多数がセーケイ人のコヴァスナ県を
ルーマニア人の多く住むブラショフ県に所属させるという法案に反発するもの。
母国語ハンガリー語で子どもたちに教育を受けさせ、
文化活動を行い、生活していくことが法的に保障されるように・・。

子どもから老人までたくさんの人々が、
何メートルもある旗を持ち、村から村へと歩いた。
それは強烈な怒りでもなく、
ハンガリー民謡を合唱しながら、
穏やかなものだったと当事者の旦那は物語っていた。

DSC00191.jpg  (写真 Seres Balint)

故郷を愛する人たちが、
これからも祖先の耕した土地を守っていけるように・・。
セーケイ人の祈りが届くように願ってやまない。



*このデモについて写真は、こちらでご覧いただけます。
Sepsiszentgyorgy.info

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comments(2)|trackback(0)|セーケイ地方の村|2013-11-07_04:26|page top

トランシルヴァニアの秋

太陽の燃え盛る季節が終わると、
ふたたび秋がやってくる。

秋の訪れは、その年その年によって違う。
今年の9月は雲にかくれ、立て続けに雨が降って、
10月のはじめには雪が降った。
夏から秋を通り越して、ついに冬に入ってしまった。
そう思いきや、長く穏やかな秋の晴れ日が長く続くことになった。

9月の終わりの恒例の秋祭り。
町の広場に荷馬車いっぱいの藁が持ち込まれると、
それだけで格好の遊び場になる。
ふかふかの藁の布団に飛び込んだり、もぐったり、
時には藁を投げあったりして、
辺りには乾いた草のにおいが立ち込める。

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今はまだ寝たきりの娘も、
来年の今頃には藁の上を駆け回っているかもしれない。

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日が沈むと一気に寒さが身にしみてくる。
祭りの最後を、ハンガリーの楽団ムジカーシュの演奏が締めくくる。
夜が更けるまで聞き、踊り、
娘もくたくたになって家に帰り着いた。

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我が家の庭にも、収穫の恵みが施された。
真っ赤に色づいた野ばらの実。
ローズヒップは、霜がおりると実が熟れてくる。
ピューレ状の果実を搾り出すと、
まるで完熟トマトのような酸味と甘味でいっぱいになる。

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今年一番の実りは、かぼちゃ。
瓜に似たものは「煮かぼちゃ」、
大きな丸いものを「焼きかぼちゃ」と呼んでいる。
スイカのように、中心から切ってオーブンに入れて焼く。
焼き芋や焼き栗に喩えたらいいだろうか。
ほくほくと甘い、秋の味覚である。

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色とりどりの花が咲いては枯れていった。
最後の野の花だろうか。
ちいさな棘に覆われた茎は蛇のようにくねって、
先っぽには涼しげな青い花が輝くようだった。

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数え切れないほどの命を与えてくれた、細く小さな土地に感謝の気持ちをささげ、
また来年の春を待とう。




子どもは木に登ることが好きだ。
手を伸ばしても届かない高みにたどり着くことで、
達成感を味わうのかもしれない。
黄色く色づいたリンゴの木は、木のぼりに持ってこい。
「ねえ、一個リンゴを落として。」と声をかける。

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ほどよい艶と深い色味。
リンゴの赤ほど、秋を象徴する色はないのではないだろうか。

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今年は森を歩くこともできず、自然を遠くから眺めるだけで
季節が移り変わってしまった。
すべての葉を落とすその前に、最後の力を振り絞って
美しい色に変わる。
その一瞬一瞬を見逃さないように目を凝らす。

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やがてこの大地では、
生きるものはすべて姿を消してしまう。
植物も虫たちも、地中でただひっそりと眠りにつき、
遠い春がくるのを待つ。

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秋を告げる花、イヌサフランが咲いている。
うすく透きとおった紫色の花びらが、
その日最後の光を浴びて輝きを増していた。

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comments(4)|trackback(0)|自然、動物|2013-11-01_18:48|page top