トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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イーラーショシュのワークショップ開催のお知らせ

この夏、もうすぐ一歳を迎える娘と10歳の息子といっしょに里帰りをする。

そう決めたのは、うっかり忘れていた免許書更新のせいだったのだが、
もうじき3年生を終えようとする息子のために日本で小学校に体験入学させるという目的でもあった。
この1年ほど自分のことばかりで、後回しにしてしまった息子のために
特別に日本の夏休みを贈りものとしたい。
そう決めたとたん、ふと肩の力が抜けてすっきりした。

その後、里帰りに合わせて東京や実家の宮﨑で展示会やワークショップが決まり、
気が付くとさまざまな予定で満載の夏となった。
帰国後、まず東京で3日を過ごす。
その間、二か所で手芸のワークショップ、そして二週間の展示会もはじまる。
手芸の技術や刺繍の細かなことより何より、
ここトランシルヴァニアのおだやかな空気を運びたいと思っている。


初夏のお出かけにぴったりな
イーラーショシュのポシェットができました。

IMG_3408.jpg

チューリップとバラの花束の図案を中央にあしらい、
直線の多い、初心者向けのデザインです。
カロタセグ、下地方の村の教会の40年代のタペストリーの一部をアレンジしたもの。

IMG_3405.jpg

ショルダー紐には、トランシルヴァニアで社会主義時代に使われていた
アルコールランプの紐を使っています。
生成りに黒いミシンステッチの素朴な味わいがイーラーショシュにぴたりと合います。

IMG_3410.jpg

中布には、ひとりひとり違った出来上がりとなるように、
トランシルヴァニアで見つけたヴィンテージ布を使います。
今回、イーラーショシュG)キットに特別に
ポシェットのためのショルダー紐と裏布、中布を添えました。

IMG_3411.jpg


「トランシルヴァニアの伝統刺しゅう イーラーシュシュ」

日時:6/14(土)14:00~16:00
場所:NHKカルチャー青山校

ルーマニア西部のトランシルヴァニア地方を代表する伝統刺しゅう、イーラーシュシュ。
古くから手仕事の文化が生活に根ざしているこの土地では、冬の女性の手仕事として、
生活の身近な品々から花嫁衣装まで刺しゅうが施されています。
東欧の文化に思いを馳せながら、チューリップとバラの花束のポシェットを作ります。

受講費:3,240円(非会員の方は3,888円)
教材費:3,024円

こちらでお申込みができます。
NHKカルチャーHP
logo.png

おかげさまでこちらは満席となりました。

今日からNHKカルチャーのHPにて先行予約が始まりました。
トランシルヴァニアの話に花を咲かせて、イーラーショシュの基礎をおさえつつ、
初夏のポシェットを作りませんか?

IMG_3400.jpg
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comments(0)|trackback(0)|その他|2014-05-15_18:09|page top

4月の黄色い花畑

4月の終わり、
ちょうど聖ジュルジの日の当たり頃になると
決まって黄色い花畑が現れる。
それが見られるのはほんの少しの時期で、いつも立ち寄りたいと思いながら、
バスの窓越しに遠く眺めていた。

このイースター休暇をカロタセグ地方で過ごそうと、車で出発した。
雨や曇り空ばかりを見ていたこの4月、
その日は、久しぶりの晴れだった。
しばらく見ない間に、森の木々も緑を吹きはじめ、
細い木々がくっきりとした影を大地に落としている。
不意に目に鮮やかな黄色が飛び込んできた。
あっと声をあげて、家族に呼びかけた。
大地をすっかり覆ってしまうほどに密集した黄色い花。

隣の村についたころ、車の不調を感じてついに旦那が言った。
「やっぱり、引き返そう。」
予期せぬ、出発の取りやめを聞きながらも、
自然と受け入れることができたのは、
この国の習慣に慣れたせいなのか。
それとも、あの黄色い花畑に後ろ髪ひかれたからなのか。

「それなら、あの花畑で休憩しよう。」
と私たちの黄色い車が車道をそれて止まった。
まぶしいほどの黄色を放つタンポポ。

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その黄色の鮮やかさは、まるで太陽の光をいっぱいに吸い込んだかのよう。
森はまだ冬の名残をのこしているのに、ここだけ春が盛り。

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遠くからは黄色一色に見えたのに、
近くで見ると綿毛や小さなひなぎくもちらほら。
この花がすべて咲きつくして、やがて真っ白な綿毛でいっぱいになり、
また来年にはタンポポ畑が現れるのだ。

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よく目を凝らすと、黄色い花の下に
珍しい形のオオイヌノフグリを見つけた。

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息子はトランクから虫かごと網を取り出して、
もう虫取りに夢中になっている。
大地の中から這い出したばかりの小さな生命を見つけると、
とたんに子供の瞳がかがやく。

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黄色い花畑の脇には、ガラゴニャと呼ばれる白い花が粉を吹いたように咲き乱れている。
ミツバチの羽音がぶんぶんと耳をついてくる。
ここにも春がやってきた。

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娘が目を覚ましたら、この黄色い花畑を歩かせてあげよう。
いくら待てども、目覚める気配がない。
トランクをいっぱいに開けて、新鮮な春の香りをかぎながら
素敵な夢を見ているのだろう。

どこからともなく、馬車の蹄の音が聞こえてきた。
隣村に向かう、ジプシーの老夫婦が薪をいっぱいに運んでいる。

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馬もきれいな飾りをつけて、春の原っぱを駆け抜けていく。
赤い飾りは、邪封じのためであると聞いたことがある。

IMG_4290.jpg

イースターがはじまる前の金曜日の午後。
出発の日は一日伸びてしまったが、
今しか見られない黄色い花畑を満喫して家路についた。

Theme:ルーマニア
Genre:海外情報

comments(2)|trackback(0)|自然、動物|2014-05-05_05:12|page top