トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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トランシルヴァニアの伝統刺繍「イーラーショシュ展」

毎日、毎日、
飽きもせず天から雨粒がふりそそぐ。
雨に濡れるたびに、色を変えてゆく花。
紫陽花は、ハンガリー語では「毬の花」という。
淡い緑がかった白い花が集まり、丸い形をしているからだろう。
それでも、色はつかない。

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しとしとと音を立てながら、地面を湿らせる雨の季節。
いかにも日本らしい、夏がやってくる前のこの空気が懐かしく、心地よい。
日に日に変わる、梅雨の音色にじっと耳を傾けている。

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やがてこの地に焦げ付くような太陽の季節がやってくる。
故郷の宮崎で、イーラーショシュの赤が花ひらく。

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ヨーロッパの「森のかなた」、トランシルヴァニア地方に古くから受け継がれてきた

伝統刺繍、イーラーショシュ。

赤や青、黒、白の単色の糸がまるで組紐模様のように立体的に浮き上がります。

アンティークの品から現代の作品へと移り変わるイーラーショシュの魅力を

お伝えします。

テーブルクロス、枕カバー、ブラウスなど現地で収集した品々に、ショルダーバックや

クッションカバー、エプロン、ブックカバーなど新しい解釈を加えた作品を添えて

文化出版局「トランシルヴァニアの伝統刺繍イーラーショシュ」に掲載された作品を

選りすぐって展示いたします。



トランシルヴァニアの伝統刺繍「イーラーショシュ展」

日程:2014.7.6(日)-7.15(火)
※7/9(水)は店休日、ワークショップのみ開催します。
主催者は、9日のワークショップのみ在廊いたします。

場所:おおまえ布店+はなうた活版堂
お問い合わせ:0985-71-0356(おおまえ布店)

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展示会の様子はFacebookのページでご覧いただけます。
トランシルヴァニアの伝統刺繍「イーラーショシュ展」

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comments(4)|trackback(0)|トランシルヴァニア食文化|2014-06-26_11:45|page top

トランシルヴァニアから東京、そして九州へ

帰国の準備やTV取材で、目まぐるしく過ぎていった6月の上旬。
指折り数える暇もなく、ついに出発の日がやってきた。
早朝6時に我が家を出て、
友人ボティの運転でカルパチア山脈を越えて、
ブカレスト近郊の町オトぺ二へ。

ボティがいつものようにのんびりとコーヒーをすすっている間に、
子供たちの旅行保険の手続きなどを済ませていたら、
あっという間に10時を過ぎてしまった。

今回は、10歳の息子と1歳を目の前にした娘を連れての帰国。
システムの不具合でチェックインが長蛇の列。
歩き始めた娘はその辺をちょこまかと動き続けて、
目を離すと何をしでかすか分からない。
頼りの息子も、久々の日本への旅を前に浮き足立っている様子。
ようやく飛行機に乗ったときは、予定時刻を40分ほど過ぎていた。

初めてのローマも、真昼の日差しを浴びただけだった。
小さな飛行機はだだっ広い空港の真ん中に止まる。
タラップから降りて、バスでの移動。
先ほどから、時刻が気になって仕方がない。
予定では1時間半の乗継時間のはずが、
ターミナルに着いたころは25分しか残されていなかった。

思った通り、セキュリティーチェックも長蛇の列。
さすがに乗り遅れる不安から、子供二人を連れて人の波をかき分け、
ポールをくぐり抜け、電車で隣のターミナルに移動してから
ぎりぎりのところでゲートにたどり着いた。

搭乗時間が間近なのにもかかわらず、日本人らしき人もちらほら見えるだけ。
安心して、娘を抱いてトイレに駆け込んだ。
戻ってくると、窓越しに飛行機を眺めていた息子が、
子供連れの日本人女性と何やら話しをしている。
私たちに気が付くと、笑顔で言った。
「先ほど息子さんに声をかけたら、
日本で小学校に通うそうなんですね。うちも同じなんです。」

南イタリアに暮らす親子、
日本人のいない小さな町で子供を育てている。
知り合ったばかりの相手で、見たこともない場所なのに、
不思議と彼女の心持ちや暮らしぶりが目に浮かぶようだ。
名残惜しくも、搭乗時間がすぐにやってきた。

心配していた12時間のフライトも、順調に過ぎていき、
無事に成田に降り立った。
出口には、私たちを待っている人が二人。
一人は母親で、もう一人は不思議な縁でつながった女性。
ほんの少しの間、私に会うためだけに、彼女はここに来ていた。
時期を別にして、同じ土地に惹かれて、
人々と交流し、その土地の文化を深く愛した。
もしかしたら、彼女は私の前の道を歩んでいたのかもしれない。
私たちの乗ったバスを見送る、長身の彼女はすぐに母親の顔に戻っていた。



今回の東京滞在の目的は、展示会と講習会。
東京駅八重洲口から丸の内口へ。
赤レンガの駅舎は、皇居の杜をまっすぐに眺めている。
過去と現在が美しく調和した東京の姿がここにはある。

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KITTEというのは、元の東京中央郵便局のこと。
それを知ったのは、ビルの中に入った時だった。
三角形の吹抜けの空間に、ガラス窓から涼しげな光が差し込む。

tokiomiyazaki (3)

4Fに上がり、スーツケースいっぱいのビーズやら刺繍の布やらを取り出す。
1か月前に降ってわいたように、今回の展示会の提案をいただいた。
ほんの10日ほど前にカロタセグから持ち帰った品々ばかり。
毛糸のお店の中の小さな空間に、ビーズの花が咲いた。

tokiomiyazaki (4)

NHKカルチャー青山教室では、イーラーショシュの一日講座を開いた。
大人数にもかからわず和やかな雰囲気で刺繍の時間が流れた。
嬉しかったのは、すこし目を合わせただけで
たくさんの好意的な視線と出会えたこと。
こうした優しい参加者の方々が緊張の糸をほぐしてくれた。

MOORITでのビーズ講習会では、
サッカー観戦のためか突然のキャンセルという波乱があったものの、
何人もの方が当日の連絡を受けてお店に駆けつけて下さった。
二日連続で講習を受けて下さった方や、
講習後に真心のこもったお手紙を下さった方、
はるばる遠方からこのためだけに来て下さった方など。
与えるより、多くを恵み受けたような東京での日々だった。

そして、飛行機は晴天のもと、日本一美しい山を横切って行った。

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梅雨の間の晴れ間に、東京ですごし、
大雨の前の曇り空に九州の実家についた。
夕暮れ時を、光りかがやく緑と穏やかな水とが映し出す。

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息子は虫取り網を手に外へ出たきり、
ただ黙々と自然の世界に没頭していた。
故郷の自然ほど、美しいものはない。

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娘は母の手に引かれて、田んぼのあぜ道を歩んでいく。
色とりどりの金魚が泳ぐ浴衣に着替え、
いち早く日本の夏を味わっていた。
これから、私たち親子の夏休みがはじまる。

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comments(2)|trackback(0)|その他|2014-06-22_04:35|page top

カロタセグのきらめくビーズ刺繍展

「5月の雨は黄金に等しい。」とハンガリーのことわざにある。
今年の春から初夏にかけて、
毎日のように黄金の雨が降り注いでいる。

去年より一か月遅れて訪れた、イースター。
つややかな緑色がなだらかな丘を覆っていた。

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この大地に春をもたらすのは、
極彩色ときらめくビーズで縁取られた祝日の衣装。
その晴れ着はこの時とばかりに、
少女の美しさをさらにみずみずしく引き立てる。

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色とりどりのビーズが輝く帽子飾り「ボクレータ」は、
もともとは少女が想う若者のために贈った花飾りだった。

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80歳をすぎたおばあさんも、まるで16歳の少女のように
ビーズの輝きに魅せられている。

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小さな四角の中に、花が咲き乱れ、鳥がささやく
おとぎ話さながらの世界が紡ぎだされる。
その皺だらけの指先で、ひと針、ひと針丁寧に描かれてゆく。

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教会で晴れて成人とみなされた若者たち。
その頭には王冠のように、気高く輝くボクレータがある。

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信仰を受け入れて、祝福を受けた少女たち。
純白のビーズでできた冠「パールタ」が、可憐な姿にふさわしく寄り添う。

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むせ返るような色と、柄と輝きと。
ナーダシュ地方の衣装は、力強く、華々しい美しさを投げかけている。

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「カロタセグのきらめくビーズ刺繍展」
2014/6/14(土)-29(日)
MOORIT(東京丸の内KITTE内)


トランシルヴァニア(ルーマニア)の西の果て、のどかな田園風景が広がるカロタセグ地方。
ここでは、色とりどりの輝くビーズに魅せられた人たちが、きらめく衣装に身を包み、
昔ながらの生活を大切にしています。ビーズの冠に、帽子飾り、エプロンにベスト・・。

花々がかぐわしく咲き乱れ、小鳥たちがさえずる、
おとぎ話さながらのイメージが針とビーズで紡がれてゆく。
女性から男性へ愛の贈り物として捧げられた帽子飾り「ボクレータ」をはじめ、
現代にまで受け継がれるビーズの品々をご覧下さい。
また、カロタセグ地方を代表する刺繍イーラーショシュのクロスや枕カバー、
絵付けのイースターエッグも展示します。


MOORIT tenji

Theme:ルーマニア
Genre:海外情報

comments(2)|trackback(0)|イベント|2014-06-09_08:34|page top