トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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ふたたびトランシルヴァニアへ

この一ヶ月すごした
故郷の宮崎を離れ・・・
太平洋を渡ってはるばる大阪へとわたる。
大阪港の灰色の海も、
朝日に包まれてキラキラと輝く。
だから、私は船旅が好きだ。

ゆったりと海の流れを体で感じながら、
水平線から沈む太陽、昇る太陽を拝むという
普段の生活では考えられないような
ゆったりとした時間を味わうことが出来る。

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大阪では学生時代から通い続けている
Uさん一家にお世話になる。
この大阪の下町は、私の学生時代の大阪のイメージを吹き飛ばしてしまうほど
人の血が通う、人間味あふれる町である。
私はこのUさん一家とお知り合いにならなければ、
この大阪という場所をきっと好きにはならかなっただろう。

細長く上に長く伸びた家々がひしめく
この住宅地帯では、
絶えず自転車が通りを行きかい、
ご近所さん通しのやり取りが聞こえてくる。
こんな環境で育った、友人Sちゃんの
暖かさ、人情味もこの町を見れば納得してしまう。

今はなかなかお目にかかることの出来ない、
昔なつかしの商店街もこの辺りでは珍しくない。
豆腐屋さん、鰹節やさん、昆布やさん、
お魚屋さん、八百屋さん・・・
スーパーマーケットが出来る前の町は
どこもこんな風だったのだろう。

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乾物屋さんの軒先にぶら下がった長い魚を見て、
驚いて聞いてみた。

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「あれは、タラの干し物や。
俺らの小さい頃はな、
正月には新鮮な魚がなかったから、
どこでもタラの干したのを食べてたんや。」

あいづちを打つ私に、
おじさんはなおも語り続ける。

「戦争があった頃なんてな、
何でも干したものを食べてたんや。
今では考えられへんけど、
蛇のベルトなんかあって、
それをお腹がすいたときには食べていた。

だからうちんとこは、みんな乾物をあつかってるんや。」

ただの冷やかしの私に、こんな貴重な戦争時の話まで聞かせてくれて・・・
今はお正月のおせちくらいしか
使わない乾物類。
それでも私たちの先祖の知恵が生きた、素晴らしい食文化だ。
と感動を覚える。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そして翌日は、関西国際空港から私たちを乗せた飛行機はとんだ。
新たなヨーロッパの窓となりつつある
フィンランドの国際空港に着いたのは、10時間後。
日本からは、モスクワと同じ最短距離で
ヨーロッパのどの都市に乗り継ぐにも便利である。

フィンランドの大地に、か細い木々が見えてきた。
10月中旬の時とは違って、
あの黄色い葉っぱは跡形もなく姿を消していた。

今回は2時間の乗り継ぎ時間だったため、
すぐにゲートに向かう。
ブダペスト行きの私たちは、バスに揺られて飛行機へと向かった。

外に出て、もろに北欧の寒い空気が体の中に忍び込んでくる。
私たちの乗る飛行機は、前方一箇所の入り口しかないミニ飛行機なので
入り口は思ったよりも混雑した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ハンガリーはブダペストの空港に到着したのは、夜7時。
15kgほどの車輪つきかばんと、6,7kgはあるリュックを背に
ブダペストの町に繰り出した。

夜のブダペストは、退廃的な香りがして
なんとも独特な趣がある。
オレンジ色の街灯に照らされて、
うす汚れた建物のジャングルの中を
どこまでも歩いて見たいような欲望に駆られることがある。
特に表面の崩れ落ちたレンガの建物などを見ると、
何だかゾクゾクしてくる。

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次の日、国際列車が出る東駅で荷物を預けて、
町を観光した。

私たちが向かったのは、学生時代にほんの一ヶ月ほど住んでいた
Nefelejcs Utca(忘れな草通り)にある
ブダペスト世紀末の美の仕掛け人であった
Roth Miksa(ロート・ミクシャ)の記念館。
王宮のガラス絵職人である。

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ロートの生前の様子をそのままに残した
部屋の様子、そしてアール・ヌーヴォーの珠玉である
ステンドグラスやモザイク画の作品にしばし包まれる。
リスト音楽アカデミーの記事でご覧いただけます。

中庭の向こう側の建物は、当時のアトリエであったという。
今はその中の様子を見ることが出来ないのが残念である。

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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夕方5時すぎの列車でブダペストを離れる。
ハンガリーとルーマニアの国境までは約4時間。
それからは10時間ほどトランシルヴァニアを走って
スフントゥ・ゲオルゲへ。

初めは寒かった車内も、徐々に暖房が効いてきたようだ、
気がつくとぐっすりと眠りについていた。

夜中にふと目を覚まして外を見やると、
こちらがわの暗い闇色の建物の奥には
オレンジ色に照らされた町並みが覗き、
一段高いところには教会がライトアップされている。
絵本の中のような風景。

そして手前を流れる小川は、キラキラと輝いて、
よく見るとカチカチに凍っている。
改めて外の世界の寒さを思い知らされた。

それに比べて、この車内は・・・
出来るだけ洋服を脱いでもまだ汗ばむくらいに、暑い。
プラス40度はあるだろうか。
途中で、窓を開けて涼しい空気を入れないと
我慢できなくなる。

こんな風に外気を入れて「寒いな。」と思った頃に窓を閉めて寝入り、
また暑くなって目が覚めるを繰り返すうちに、目的地に到着。

あの重い荷物を引きずってバスに乗り、
我が家の前に着いた。

久しぶりの家から覗く風景には、
秋の名残をとどめる黄色く色づいた松。
目を凝らすと枝には、フクロウが乗っているではないか。
それも2、3・・・4羽もいる。
このフクロウは、昼間はじっと目を瞑っているようだ。
まるで瞑想をしてたたずむ姿が、
ヨーロッパでは知恵の象徴とされ、
古本屋のトレードマークとなっているのも頷ける。

こんな可愛い動物が身近にいるのも
やっぱりトランシルヴァニア。
まるで「おかえり。」と私たちを出迎えてくれたかのように。

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やげてトランシルヴァニアの冬もやってくる。


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唐松がまだ紅葉しきってないんですね~
 一番最後の写真、唐松がまだ紅葉しきっていないなんて凄い気候差を感じます。こちらはここ数日暖かく-1、2度が続いたおかげで雪また雪ですっかり雪景色が板についた感じです。
 長旅お疲れさまでした。お店の糸などとっても魅力的なのですけどね~。ここまでの送料を考えると一時帰国の時に上手く残っていればという感じです。
昨日、初雪が降りました!
越後屋さん、帰ってまいりました。
空の上空から見たシベリアは、
真っ白で寒そうでした。
がヘルシンキも、ブダペストも、セントジュルジも・・・今年は雪が遅いようですね。
昨日降ったのが、今年初めてのようです。
それでも今日の太陽の光で、すぐに解けてしまいそうです。

素敵な糸を見ると、刺してみたくなりますね♪私も今年は何をしようか、楽しみです。
まずはあの毛糸で、編み物をしようかな。
おかえりなさい
Tulipanちゃん、無事に帰ったようで
安心しました。
宮崎もそれなりに寒くなってきましたが
あのルーマニアの寒さにはほど遠いです。

大阪の写真からルーマニアの写真まで…
Tulipanちゃんの長距離移動を物語っていましたね。
長旅、ご苦労様でした。
数年前に行ったことを思いだしたところでした。

またTulipanちゃんの今後の写真や文など
楽しみにしてます♪
何とか帰ってきました。
ゆりちゃん、港までお見送りをありがとう♪
いろいろあったけれど、無事に我が家に着きました。

やっぱりトシをとったので、移動はだんだん堪えます。しばらくはのんびりと、家にいたい気分。

今では笑い話の、トランシルヴァニア水汲み事件も、慣れないゆりちゃんには大変だったね。気遣ってあげられなくて、ゴメン。

大樹はそり遊びで、雪の寒さを思い知ったようで「もう、行かない。」といいました。
慣れない土地の寒さほど、つらいものはないね。

今度は春にでも、遊びに来てね!