トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

カテゴリー

FC2カウンター

カレンダー(月別)

07 ≪│2017/08│≫ 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

これまで書いた記事は・・・

全タイトルを表示

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Feed Me!

トランシルヴァニアへの扉  - Erdely kapuja-のRSSフィード

ブログ翻訳

トランシルヴァニアの秋の一日

秋晴れの美しい10月のある日のこと、
おばあちゃんの住む村ツォーファルバからダンナと二人、散歩に行くことにした。

茶色の野原に、鮮やかな赤い実が目に留まる。
野ばらの実、ローズヒップ。
この小さな実はビタミンCの宝庫で、
ハーブティーにしたり、
ジャムにしたりと重宝されている。

japan1 047

透けるような淡いピンクの花は芙蓉の一種か。
この花のがくは食べられるので、「神父のチーズ」と呼ばれる。
味はそう、粘り気があってちょうどオクラのようだ。

japan1 051

秋の風物詩は、「牛のよだれ」。
つまりは、くもの巣のことである。

japan1 048

この真っ白く、細長い糸のようなものが、秋の青空を漂う光景は、
何でもこの時期にしか見られない、季節限定の風景らしい。
中には2mほどの長さのものもあるという。
このよだれが長ければ長いほど、
その年は秋が長くなるという言い伝えもあるそうだ。

吸い込まれそうな青空の下、
枯れ色の草原を踏んで、とある丘を目指して歩いた。
これは、12、3世紀に作られたのが、
19世紀のハプスブルク統制時代に、
反乱を起こして壊されてしまったという城の跡。
確かに遠くからでも目立つほどに、
いかにも人工的な形をした丘である。

japan1 054

「土の城」と呼ばれるこの丘では、
考古学の代物も見つかるという話。

ダンナがこう話してくれた。
「小学生低学年の頃、近所の女の子と発掘をしにここまできたことがあるんだ。
 スコップを手にしてね。
 一生懸命に掘って、掘って・・・
 何10cmかの穴を掘ったけど、何にも見つからなくてあきらめて帰ったよ。」

そんな古い遺跡の跡をよじ登ってみた。
崖というほどの急斜面ではないが、少し息も荒くなる。
なるほど、ちゃんと堀の跡も残っている。

japan1 056

360度と見通しもよく、砦にはぴったりの場所だったのだろう。
私たちの家が建つ、フェルドボイはあちらの方角だ。

foldvar2.jpg

その丘の上を散策していると、
不意に目の前に牛がのっしのっしと歩んでいた。

foldvar3.jpg

牛のあとは、羊にヤギの群れも続く。
一心に足元の草を見て、歩んでいる動物たちの群れは、
海や川のように流れるといったほうが近いかもしれない。
昔の城の跡に、今はこうして動物の放牧がされている光景は、なんとも不思議だ。

japan1 059

西日に照らされた動物たちを眺めていると、
その後ろから10歳くらいの少女が二人現れた。
手には棒を持って、家畜の番をしているようだ。

foldvar.jpg

「ねえ、ちょっと写真を撮らせてくれない?」と声を張り上げてみたが、
二人は顔を見合わせてちょっと笑ったあと、
すぐに家畜を追って行ってしまった。

今年最後のトランシルヴァニアの秋の光景であった。


トランシルバニアをあなたの心に・・・
                 クリックをお願いします。→にほんブログ村 海外生活ブログ 東欧・中欧情報へ






スポンサーサイト

Theme:ルーマニア
Genre:海外情報

comments(2)|trackback(0)|セーケイ地方の村|2008-11-28_08:09|page top

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

コメントの投稿

非公開コメント

宮崎も田舎だけど、また違った風景だね。
こんな広大な風景を見ると、なんだか懐かしい気持ちになるのはなんでだろうね。
大樹くんが牛に襲われたり、踏みつぶされませんように・・。
気をつけます。
なるみちゃんらしいコメント、
どうもありがとう!

こんな光景がいつまでも続くことを祈るばかりです。身近に動物や自然を感じられるのは、
一番人間らしい生活のように思われます。

牛に踏み潰されたり、クマやオオカミに襲われないよう息子を守らないと。
母親もたくましく、頑張ります。