トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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壊れやすく、役に立たないものたち(ガラス工芸展)

トランシルヴァニアの1月の終わり。
もうここ何日も雪がすっかりとおりから姿を消してしまった。
不思議と、あたたかな日が続いている。

その日は、幼稚園の遠足で博物館へ。
私は幼稚園の先生+カメラマンになった気分で、
子供たちの引率を引き受けた。
子供たちは仲良く手をつないで、
おしゃべりをしながら先生の後を続く。

muzeum 004

雪解けのあとで光りかがやく、
石畳の坂道を下る。、

muzeum 005

100年以上つづく古いタバコ工場を
横に見て、まだまだ続く道。

muzeum 008

左手には、悲劇の英雄ドージャ・ジュルジの像が。
義賊で人々に慕われていたが、
最後には鉄の冠をかぶせられて最後を迎えた。

muzeum 011

緑のとんがり屋根が見えてきたら、
もうセーケイ博物館に到着。
30分の道のりも、まだまだ子供たちは元気そう。

01.jpg

博物館の庭には、
セーケイの門と呼ばれるこの地方独特の門が展示されている。
「私たちのご先祖様が作ったの?」と子供たちも興味津々。

muzeum 016

上にはハトの小屋が見られるこの門は、
セーケイと呼ばれるこの地の人々の大切なアイデンティティー。
太陽に月、そして星のモチーフが刻まれている。

112.jpg

さあ、100歳の古い扉を開けて中へ。

03.jpg

特別展のタイトルは、
「壊れやすく、役に立たないものたち」という面白いタイトル。
謙虚なユーモアだろうか。
13人の子供たちのことを思うと、
先生も私たちも少しハラハラしてしまう。

muzeum 073

手作りのフェルトのクッションをひとつ選んで、
展示室の中へ。
どれにしようか迷うくらいに、可愛い。

muzeum 056

幼稚園と同じように、
クッションを引いて円になって座る。
アットホームな雰囲気がいい。

muzeum 034

この町から30kmほど離れた村、
ビクサードで20世紀はじめまで
世界でも最先端のガラス工場があった。
トランシルヴァニア(当時のハンガリー)のエミール・ガレ、
ショバーンカ・イシュトバーンの作品を集めた展示である。
日常のガラス製品から芸術品まで、
小規模ながらも面白い展示。

muzeum 039

この穴の開いたビンは何でしょう?
夏の必需品。
なんと、ハエ捕りビンだそう。

muzeum 047

独特の深い色彩で、
ガラスの中に封じ込められた
世紀末の花や白鳥たち。
ショバーンカの作品は万国博覧会でも、
いくつもの賞を得ていた。
この伝統が残らなかったのが、とても残念である。

143.jpg

ショバーンカはガラスだけでなく、
あらゆる芸術に通じていたという。
今の技術では考えられない、立派な木彫りの家具。

44.jpg

油絵も描いていた。
このテーマもユニークで、
ろう話者の会話の様子。
普通は目に見ることのできない会話を描く・・・
面白い発想。

hanahana 043

晩年には、自らこどもの玩具を作っていたという。
ほとんどは写真だけが残っているのが残念。
黒く光った馬は、
あまりのすべらかさに金属かと思ったら、
木製のようだ。

hanahana 034

ここで展示鑑賞はおしまい。
今度はショバーンカの考案した玩具で、
遊びの時間。(博物館で復元したものである)
カタカタと、はしごをすべり降りる人形。

muzeum 059

ショバーンカの作品を基にした、ぬり絵やパズル。

muzeum 071

くるくる回るピエロ。
子供の心をひきつけるのは
案外こんなシンプルな玩具なのかもしれない。
ショバーンカは、未来の子供たちが
こんな風に彼の玩具で遊ぶことを想像していただろうか。
きっと天国で微笑んで見ているに違いない。

muzeum 070

壊れやすく、役に立たないものたち。
そんなはかないものに、全生涯を注いで
数々の美しいものたちを作り出した前世紀の人たち。
今を生きる私たちに、
欠けていることなのかもしれない。



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