トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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イースターと水掛け

春と同時にやってきたイースター。

今年はイースターエッグを作って、
お菓子を焼き、準備も万端。

IMG_5745.jpg

キリスト教のイベントとして知られるイースターも、
実はその土地土地で
祝い方も違い、
キリスト教以前の信仰が
うまく混ざり合いながら残っている。

ハンガリー人にとって
一番大切なイベントは、すなわち「水掛け」。
女の子をお花にたとえて、
例えばこんな詩を読む。

「 朝早くおきて、
  何も食べず何も飲んでいません。
  そこでたくさんのお花を見つけました。
  赤いタマゴに白いウサギ、
  お水をかけたら、たくさんのキス。

  お水をかけてもいいですか」

昔は、バケツいっぱいの水を引っ掛けていたそうだが、
町中、ほとんどはアパート暮らしなので
これでは少し礼儀に反する。
ということで、
少し上品に、香水を振り掛けるというのが
最近の習慣だ。

きれいに身支度を済ませたら、
ダンナは息子を連れて、
知人から知人へと練り歩く。
朝は主に子供たち、
夕方から夜にかけては
大人が町をうろうろしている。

昔から、この町にいるならともかく、
そう知人友人の多くない私は
いつも待ちぼうけを食らわされて、
ひどく退屈な習慣である。

それでも珍しく、
きれいに部屋を整えてお客様を待つ。

01.jpg

やがて
「ピンポーン!」の音に、
飛び跳ねて、覗き穴を見ると、
見慣れない男の姿・・・

空けてみると、
ジプシーの男が娘を連れている。
何だか手も汚いし、
ボロボロの服を着ている。

スプレーを見せて、
「ほら、かけに来たんだ。」というので、
仕方なくクッキーを差し出した。

すると、その男
「おい・・・なんかパンになるものはないのかい?」と聞く。
お菓子では足りず、
おかずをくれというのかと誤解した私は、
「悪いけど・・・うちにはこれしかないの。」
と一応、誤りながら丁寧に追い払う。

男と娘は、汚れた手で
クッキーを虫掴みにして帰っていった。

それから、何人かがやってきては
帰っていった。
やがてセーケイの民俗衣装に身を包んだ、
身長2Mほどの大男が
大きな壷に水を入れてやってきた。
「ほら、水をかけるから風呂場に行くぞ。」と
真剣な顔で言うから怖い。

去年はバケツを持ってきていたが、
今回は水差しの壷。
穴が上に開いているので、
そこから冷たい水を注がれ
今回も勘弁してもらった。

もう日も暮れたというのに、
「あと20人ほど訪ねないといけないから。」と
町でも有名人のゾリは
風のように去っていった。

後で聞いたところによると、
パンになるものとは、すなわちお金のことらしい。
タマゴやお菓子を差し出す習慣なのが、
最近ではお金を上げるようになってきたそうだ。

昔はきれいに身支度を整えた、子供や大人が
通りを歩く姿がよく見られたが、
最近では車で移動し、
あまり知人を訪ねなくなってしまった。

せっかくの伝統的な習慣も、
だんだん味気なくなってきてしまって残念である。
息子がこれから
大きくなっても水掛けの習慣は
ずっと残っていくだろうか。



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*イースターエッグの
 作り方は、もうひとつのブログ(→)でご紹介しています。

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comments(0)|trackback(0)|文化、習慣|2009-04-23_21:18|page top

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