トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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トランシルヴァニア、ジプシーの学校

普段はほとんど足を踏み入れることのない、
町のはずれのジプシー居住区。

ここを訪れるきっかけとなったのは、
最近お知り合いになった女流写真家さんとのやりとりである。
実は、6月の末にここトランシルヴァニアで
ジプシーを撮影しに来られるYUUMIさん(素敵なお写真のHPはこちら)。
そこで私もその撮影旅行にご一緒させていただくことになった。

その下調べとして、町のジプシー地区にある
小学校を訪ねることになった。
私のクルージ・ナポカの大学時代に
同級生だった友人が、今ここで教鞭をとっている。

町のはずれの閑静な住宅地の
ひとつ向こうには、緑がなく殺風景な家が立ち並んだ
地域にさしかかる。
学校は意外と簡単に見つかった。
外には子どもたちがたくさんいるので、中休みのようだ。

IMG_7817.jpg

ただ単に来客が珍しいのか、
それとも謎のアジア人だからか、
子どもたちが取り囲み、身動きが取れない状態。
「 まあ、あなた中国人?」
「 どこに住んでいるの?」
「 あなた、ジャッキー・チェンの兄弟?」
同じような質問ばかりが飛び交う。

カメラを向けると、大喜びでポーズ。
一枚撮ると、その後はもう調子にのって
止められなくなる。
次々にパートナーを代え、背景を代えて
私は専属のカメラマンにでもなったかのようだ。

orkoi iskola4

やがて授業のベルの音が鳴ったので、
門番のおじさんを介して、友人を訪ねる。
次の授業は8年生。
日本でいう、中学二年生だ。

はじめの10分ほどは、熱心に詩の暗しょうをして
まじめな姿を見せていたが、
すぐにお祭りモードに変わる。
席を立って、机に腰掛けておしゃべりをしたり、
黒板に絵を描き始めたり・・・
ひとつのことに集中することが難しいらしい。
ただし歌うこと、踊ることは別である。

orkoi iskola1

手や机を打って、リズムが刻まれると
楽器なしでもすぐにジプシー音楽と化してしまう。
その体を震わせるような情熱的な歌声は、
やっぱり彼ら特有のもの。

orkoi iskola3

「 あなたも踊って。」と女の子に誘われ、
カチコチの固い体を無理に揺らす。
残念ながら踊りの教養も、ディスコの経験にも恵まれずに
年を重ねた私には、とても難しい。
これでは、まるでこぶとり爺さんのお隣さんだ。
興ざめをしてしまったのか、
「 あなた、どんな歌なら踊れるの?」と尋ねられる。

その大騒ぎにつられて、
庭にいた子どもたちが窓を開けてのぞき見をはじめた。
先生はあわてて、バタンと窓を閉めた。

orkoi iskola2

次の授業は、彼女が担任を受け持つ5年生。
すぐに授業は打ち切りになって、遠足の時間となる。
私の横にもすぐに女の子たちが来て、
腕を絡ませてくる。
本当にフレンドリーな子供たち。

同じ学年のはずなのに、
なぜか年齢層が広い。

IMG_7862.jpg

木のいろいろな部分をつぎはぎしたような
屋根や塀。
庭はどこの家にもない。

orkoi iskola5

通りもこのように、幅がまちまち。
どこまでが公の通りで、
どこからが個人の敷地なのか分からない。
遠くから、赤ちゃんを抱いた少女がやってきた。

IMG_7822.jpg

兄弟は5人6人はざらだから、
こんな風に子守をする子供も珍しくない。

IMG_7823.jpg

不思議なのは、たとえば家の付近でジプシーの子供にあったなら
すぐに物乞いをしてくるのだが、
この地区内ではまったくされなかったことである。

共同の水汲み場。
中には歩くのおぼつかないような
小さな子どもまでいる。

orkoi iskola7

ペットボトルいっぱいに水を入れる。
赤いリボンの編みこみは、ジプシーに特徴的な髪型。

orkoi iskola9

すずらんのペイントに、
ミラーが埋め込まれた壁が可愛らしい。

orkoi iskola6

お人形が、窓辺に置かれている。
カメラを構えたら、
すかさず女の子たちが前に立ちはばかり、ポーズする。

IMG_7866.jpg

馬屋には、なんだかトロピカルな木と
馬の絵が風景にミスマッチで面白い。

IMG_7836.jpg

馬屋を撮ったついでに、ご主人に生まれたばかりの
赤ちゃんを写すように頼まれた。
どこからか、子供たちが気がつくと集まっている。

orkoi iskola10

5年生の女の子たちと近所の子供たち。
きれいに整列しているのが、ほほえましい。

IMG_7851.jpg

森の手前に、
こんな仮設住宅が。
壁もなく、ただ布を当てただけなのに、
なぜか家の中にはソファーやトルコじゅうたんが飾ってある。
別に見られて恥ずかしいというな風でもなく
「 ここに住んでいるのよ。」と
にこやかに笑っていた。

orkoi iskola11

ここからは、ジプシー地区ウルクーが一望できる。
町のどの場所にも見られない、
この雑多な雰囲気はひとつの村そのもの。
通りを歩けば人目につき、
どこへ行くのかと尋ねられ、
子供たちには囲まれる。
これがヨーロッパだろうかと、目をこすってしまうような風景。
まるでタイムスリップをしたようである。

orkoi iskola12

この半日の刺激的な体験で、
たくさんの人に囲まれ、写真をせがまれ・・・
その日はどっぷりと疲れてしまった。

これからジプシーの撮影旅行、
さてどうなるのやら・・・。



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comments(13)|trackback(0)|ジプシー文化|2009-06-15_06:50|page top

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突然の投稿失礼致します。

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突然の投稿にも関わらず、最後までお読み頂き有難うございました。
こちらのジプシーの家と違いますね。
こちらは、屋根に独特の飾りが飾ってある家が多いです。なので、パッとみてもわかるのですが、そちらはそういう飾りがないのですね。

そして、何よりも町で見かけるジプシーの子供達とは笑顔が違いますね。
Re: タイトルなし
マリチカさん、どうもありがとうございます。
屋根に飾りがあるのですか。
その地方のジプシーも訪ねてみたいですね。

今回は、ここコヴァスナ県とムレシュ県、ハルギタ県を撮影旅行へ行きます。
残念ながら、私はルーマニア語はほとんどダメなので、
ハンガリー系ジプシーが中心です。
映画「トランシルヴァニア」で舞台となった
楽師の村にも行く予定です。

偏見をすてて、
誠意で接すれば子どもたちは心を開いてくれますね。
残念ながら、町でもこんな風にジプシー地区を
わざわざ訪ねて歩くひとは少ないようです。
いくらヨーロッパ議会で少数民族どうこう
話し合っても、ここに住む人たちが心を開いて
接しなければ、このジプシー問題はなかなか解決しないと思います。

どこでも、ジプシーは町外れ、村はずれに定住しますよね。
でも学校まであるというのは、相当大きなジプシーの区域なのですね。
ジプシーのこどもたちの好奇心というのは、ルーマニア人、ハンガリー人の子供と比べても、すごいですよね。
Re: タイトルなし
こんにちは、mishu さん。

ここはジプシーの学校ができて10年ほどになるそうです。
その親の世代にはまだなかったことなので、
なかなか学校教育への関心が低いのが
先生たちの悩みのようです。

このジプシー居住区ウルクーはジプシーダンスでも有名で、
夏にはダンスの講習も開かれるそうです。
(場所はコマンドーという村で、
教える側もハンガリー人なのですが。)

子どもたちの好奇心を
うまく教育にも生かせるといいのですが。
踊りと歌にかけては、ほんとうにすばらしい才能を持っています。
承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
No title
こんばんわ。
突然の訪問失礼致します。
私は野上と申します。
今ヨーロッパを旅しています。
現在プラハにいます。これからルーマニアを考えています。
実は、以前から興味があったジプシーの村に行ってみたいと考えていて、インターネットで検索してみると、谷崎さんのブログを見つけました。
この記事のジプシー村ウルシーにぜひ訪問したいと考えています。
ただ、情報が少なく、もし可能なら簡単に行き方をお教えいただけたらと思い投稿させていただきました。
ルーマニア自体の情報もまだはっきりわかっていない状態なのですが、このウルシーという村は、セーケイ地方コバスナ県に行けば、簡単にいけるものなのでしょうか?
お忙しいところ申し訳ないですが、お返事を頂ければ幸いです。
よろしくお願いします。
Re: No title
はじめまして、
ジプシーの村にご興味をもっていらっしゃるとのことですが、
ウルクーは、コヴァスナ県のスフントゥ・ゲオルゲの町のはずれにあります。
駅前からバスが出ていて、1番か2番にのられて、
最終停留所で降りられたらいいと思います。

ただ、ジプシーの村に行かれる際には、
それなりの心構えをされていた方がいいと思います。
まず野犬が多いこと、イヌには近づかれないことをお勧めします。
また言葉がおできにならない場合は特に
何か誤解などが生じたときに(相手を怒らせるなど)、
すぐに察知して逃げるどされた方がいいでしょう。
日本人も何度も行っているところなので、
そこまで突っ掛かれることはないとは思いますが・・。
カメラなど所持品にもお気をつけください。

いい旅となりますように。
No title
こんばんわ。
早速のご丁寧なお返事ありがとうございます。
とても参考になりました。
村へ訪れる際は、細心の注意を払っていきたいと思います。
貴重品と犬には特に気を付けたいと思います。
ありがとうございました。
ルーマニアの旅を楽しんできます。
Re: No title
野上さま、
ご連絡をどうもありがとうございます。
ジプシーの人たちは狭い共同体の中で
独特の価値観、常識、ライフスタイルをもって暮らしているので、
他の人たちにはよく理解できない部分が多いと思います。

言葉が通じない場合は特に、気をつけるに越したことはないです。
相手を理解したい気持ちはお忘れにならなければ、
あたたかく受け入れてもらえると思います。
いい旅になることを願っています。
No title
こんにちわ。
以前投稿させていただいた野上です。
ついに明日ウルクーに行きます。
先日お教え頂いたことに十分気を付けて、訪問するつもりです。

ところで、何度も質問して申し訳ないのですが、どうしても情報が少なくて、もう一つだけどうしても教え頂きたいことがあり、ご連絡差し上げました。

私は、トニーガトリフのファンでして、せっかくここまで来たのなら、トランシルバニアの楽師の村にも行きたいと考えるようになりました。調べてもどのあたりなのかよくわかりません。
お忙しいところ何度も本当に申し訳ないのですが、もしよろしければ、教えていただけませんでしょうか?
Re: No title
こんにちは、
お返事が遅くなりましてすみません。

トランシルバニアの楽師の村は、ムレシュ県のことでしょうか。
映画とは関係ないと思いますが、
ジプシーの楽団があります。
Ciausという村ですが、Targu Muresから遠いので、
公共交通機関を使ってどのように行くのか分かりません。
Targu Muresに観光案内所がありますので、
そこでお聞きになるのがいいかと思います。
またはタクシーで行かれるのも手段です。
承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです