トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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ジプシー学校の音楽の時間

「ジプシー学校では、木曜日に音楽の授業がある。」
という情報を聞いて、
再び町のはずれのウルクー地区へと向かった。

ハンガリー語教師の友人は、
「私の住んでいる通りは、学校へとつながる通りだけど、
彼らにとっては、ここは全くよその世界なの。」と語っていた。

その通り、閑静な住宅地が
このアパートを境にして、
「ジプシー村」へと変わってしまう。

IMG_8258.jpg

人一倍元気で好奇心旺盛な子どもたちを相手にするのだから、
しっかりと心構えをしておかないと・・・。
学校へ近づくと、運悪く中休みのようす。
さっそく子どもたちが取り巻いてきて、
「どこから来たのか。」
「どこに住んでいるのか。」
「ジャッキー・チェンを知っているか?」などと同じような質問の嵐。

「音楽の授業を見に来たのよ。
「音楽の先生はどんな人?」と聞くと、
おませな女の子が
「そうね。あなたにぴったりの、なかなかいい男よ。」
とウインクした。

やがて職員室へ案内されて、
音楽の先生に授業の見学をお願いすると
快く受け入れてくださった。

中学二年生のクラス。
今日の生徒は5人だけ。
まずは遊び半分の生徒たちを席に着かせて、
授業の雰囲気を作るのが難しそうだ。

やがて先生がマンダリンをかき鳴らし、
歌が始まった。
はじめは一人、一人に歌を歌わせる。

IMG_8199.jpg

女の子の方が、協調性があるらしい。
男の子は後ろのほうで、すこし冷やかし加減に、
それでもちゃんと歌をうたっていた。

IMG_8196.jpg

それからは、先生と話をしながら
リクエストを交えながらの、
楽しい歌の授業。
自然にハンドクラップや、机をたたいてリズムをとったり、
もうそれだけでジプシー独特の音楽ができあがっている。

zene ora2

その楽しげな雰囲気に誘われて、
校庭でも小さな女の子たちが楽しげに踊り始めた。

IMG_8215.jpg

昼休み。
木一本も生えていない、狭い校庭で
子どもたちがゴムとびをしていた。
なんだか戦後の日本の風景でも見ているようだ。

IMG_8233.jpg

建設中の学校の体育館のよこでは、
放し飼いにされたブタが草を食んでいる。

zene ora1

カメラを向けると女の子たちは、
大喜びでポーズをする。

zene ora3

ところで、この先生はオルバーン・フェレンツという
名前の知れたミュージシャン。
NEMEZというセントジュルジのグループにも属し
(ジャズとフォークロアが融合された、こちらがオススメ。)
舞台の作曲から弾き語り、ヴァイオリンまで幅広い音楽活動をしているらしい。



子どもたちの歌う歌のイメージにあわせて、
即興で伴奏を入れていく。
ジプシー音楽と、ハンガリー音楽がうまく
混ざり合う、その感じがまた面白い。

IMG_8238.jpg

みんなが興味深そうに私の方を向いて、
日本の歌をうたうように促した。
そこで、幼稚園でしたように「ひらいた、ひらいた」をうたった。
クラップもリズムもない、日本のわらべ歌。
彼らの好む音楽とはまったく違うけれども、
うたい終わると自然に拍手が聞こえてきた。

そう、言葉がわからなくとも、
音楽には聴くものを納得させるそんなチカラがある。

ジプシーの子どもたちの大好きな音楽を通じて
ハンガリー人の子どもも、ルーマニア人の子どもも
みんながひとつになれたら
どんなに素晴らしいだろう。

zene ora4

少なくとも、ここウルクーのジプシー学校は
こんな風にハンガリー教師とジプシーの生徒との
信頼関係でつながっている。

のびのびとうたう子どもたちの歌声、
ジプシー特有のリズムに包まれた半日。

気がつくと、あのとき耳にしたメロディーが
リズムが不意に流れてくるときがある。

何ものにもとらわれない自由さ、
どんな苦しみにも負けない楽観的な明るさ。
まだまだ、たくさんのことを学ぶことができるだろう。


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comments(2)|trackback(0)|ジプシー文化|2009-06-22_08:13|page top

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音楽聴いたよ。
バイオリンの音色が吸い込まれそうな音色だね。
素晴らしい環境だね。
トランシルヴァニア音楽
なちゅさん、いつもありがとう!

ヴァイオリンは、日本とは違って
身近に聴くこと、触れることのできる楽器です。
本当にトランシルヴァニアを感じさせる
素敵な音楽だと思いました。

環境と音楽がぴったりとあう、
まだまだトランシルヴァニアには
そんな部分があると思います。