トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

カテゴリー

FC2カウンター

カレンダー(月別)

10 ≪│2017/11│≫ 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

これまで書いた記事は・・・

全タイトルを表示

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Feed Me!

トランシルヴァニアへの扉  - Erdely kapuja-のRSSフィード

ブログ翻訳

社会主義時代の名残 ― ルーマニアのスーパー事情

うちの近所の、とあるスーパーをご紹介したい。

平べったいコンクリートの建物で、屋根にはペンキのはげた字で「セルフサービス」と書いてある。
ルーマニア語とハンガリー語の二カ国語表記である。

通称「ウンキ」とよばれるこのスーパーに入ると、右手には、普通のスーパーで食料品や日用雑貨が並んでいる部分。
左手には、フルーツやお菓子が売っているところ、パンが売っているところ、
乳製品、肉類が売っているところに分けられている。
もちろんレジも別々である。

食料品などがあるところに入ってゆくと、
なにやら赤いエプロンをかけた従業員が後ろからついてくる。
「私が外国人だからか?」と自分が疑われているような気になって、焦ったこともあったがそうではないらしい。
しばらく後ろを窺ってみると、何のことはない、他の従業員とおしゃべりなんかをしている。

暇そうなので「~を探している。」などと聞いてみると、急に活気付いて「ここですよ。」と案内してくれる。レジは一つなのに対して、この案内役の多さには驚かされる。
私はスーパーの仕事には詳しくないが、棚入れなどをしている姿は見たことがない。

店の中を歩くと、缶詰などが比較的多いのに気がつく。
面白いのは、ナスのペースト用のナスを焼いたものの缶詰や、ザクスカの缶詰(「大きいパンを食べる」参照)がある。日本で言えば、ご飯の友であろうか。
また、恐ろしく多いジャムやコンポートの種類。
・・・アプリコット、モモ、サワーチェリー、プルーン、イチゴ、ブラックベリー、ブルーベリー、ラズベリー、ローズヒップ。
変わったところでは、緑のくるみなんていうのもある。
これはくるみが実る前の、外側の部分である。それが丸ごとシロップ付けにしてある。
私はいつかくるみの木の下で「くるみがどこにもない!」と言うと、大きな緑の実を指された。
この緑の実の種の中身が、あのくるみだったのだ。

もちろん、炭酸水の種類も多い。
ビン入りのものを買うには、初めにビン自体も買わないといけない。
そしてまた次の機会に、ビンを持って行くと、炭酸水だけの値段で買える。(1L=20~30円)

これが「セルフ・サービス」と呼ばれるが所以である。
というと不思議に思えわれるかもしれない。
私たちが普段スーパーで勝手に商品を取ることが
まさに「セルフ・サービス」なのだ。

IMG_1778.jpg

では、「セルフ」でない部分は?というと、
美味しそうなフルーツやお菓子が沢山積み上げられている中に、従業員が埋もれるように立っている。ガラス戸で仕切られているから、もちろん手は届かない。
この従業員に、何が欲しいかを告げて商品を取ってもらう。
そして代金を払う。
ほとんどは量り売りなので、「あのジャム入りのクッキーを、500gください。」という形か、もしくは「あのアメを2レイ分ください。」という形で注文する。
私のような外国人にはすごく分かりにくいシステムであるが、確かにこの方が安いような気がする。

IMG_1780.jpg


パンの部門でも然り。ただパンは見かけがほとんど変わらないので、聞いてみるしかない。
半分がよければ、目の前できってくれる。

乳製品や肉類のところで驚いたのは、以前サワークリームを買ったときに、手書きで書いたレシートを渡されて「あそこのレジで払ってちょうだい。」と言われる。
そして向かいのレジに行くと、レジ係りがレジを打つ。
支払ったレシートを手に戻って、やっと商品を受け取る。
なんとも時間のロスが多い買い物である。

今でこそ、ルーマニアも無事(?)EUに加盟し、西欧資本の巨大なショッピングセンターなどが建てられるようになって、買い物も合理化し、商品も多種類、大量に手に入るようになった。
消費社会が始まったのである。

しかし、旦那たちが小学生のころは社会主義で、
スーパーに行っても店には何も品物がなかったと言う。
お金があっても、物がないから買えない時代だったのだ。

例えば、コーヒーなど珍しいものが入ったという情報が伝わると、
店に人が押しかけ、行列の末やっと手に入るという話も聞いた。

その社会主義時代の名残をとどめるスーパーに愛着を持って、
そういう時代があったことを忘れないようにしたいと思う。
特に、これからの社会主義を知らない世代の若者たちにはなおのことそうである。















スポンサーサイト

Theme:異文化
Genre:海外情報

comments(2)|trackback(0)|トランシルヴァニアの町|2008-04-09_17:53|page top

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

コメントの投稿

非公開コメント

 村は今でも商品に触ってはいけないお店結構ありますよ~。大丈夫なお店も多いけど。 
 まあどちらも量り売りが基本ですね。その辺りは2人暮らしなので便利。
それでは、ロシア語ができないと大変ですねー。私はルーマニア語が赤ちゃんなみなので、もしルーマニア語で買い物だったら慌てふためくと思います・・。

すぐ目の前にあって、手に取れない・・・なんてストレスですよね。私は以前、手芸やさんで買い物をしたとき、早く買えといわんばかりの視線を注ぐ店員さんにストレスを感じました。