トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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エルヌーおじさん、人生を語る




「・・・世界中をまわったよ。
 エスキモーたちのところ、北極をまわって、
 アメリカやアフリカまで・・・。
 ただ、どこかで幸運に出会えることを願って。
 それで旅をしたんだ。

 一週間ずっと、なにも食べ物を食べず、
 飲み物も飲まなかった。

 どこかで運がめぐってくると思って必死で探したけど、
 何も得られなかった。
 それで、俺はルーマニアに戻ってきた。

 俺は、乞食になった。
 もう俺のことをみんな知っていて、
 何も言わなくても食べ物を差し出すようになった。
 俺が、孤児だったってことを知っていたからさ。

 それから、俺は結婚した。嫁をもらったんだ。
 俺の兄弟たちは、孤児が、
 そして貧しい食事がもう我慢できなかったからね。

 俺の妻は、そのときまだ13歳の少女だった。
 たった13歳だよ。
 熟年の主婦でさえ、
 彼女ほどうまくは料理しなかっただろう。
 それだけ上手だった。
 兄弟はみんな、彼女の料理が大好きだったさ。

 俺がアメリカ、いやアフリカに行ったとき、
 ヘビの肉を食った。
 おい、君はヘビを食ったことがあるかい?
 まだないって?
 俺は、ヘビだって食べたさ。
 アザラシだってね。
 飢えないために、何だって食べなければならなかったさ。

 俺の人生は、ひどく困難だった。
 とっても、ひどくね。

 なぜって、俺は自分の妻を
 この手で殺めなくてはならなかったからだ。
 俺の、この手でね。
 どうして、嘘をつこう。

 彼女は、ほかの男に恋をした。
 でもそれは、俺たちジプシーの間では、
 あってはならないことだ。
 絶対に許されないことなんだ。
 妻がよその男のところへ行くなんて。
 もちろん、夫だっていけない。
 でも妻だっていけない。

 それで、俺は何回か彼女を刺した。

 俺は正直に言っているんだ。
 嘘をつく必要があるかい?
 
 彼女はもちろん、死んだ。
 俺はというと・・・。ほら、ここを見てごらん。
 ちょっと近くに寄ってください。
 ほら、見えるように。
 
 俺は二度、自分の胸を刺した。
 これも、妻のためだ。
 続けざまにね。

 そして、この腕・・・。
 これが見えますか?
 血管をなんどか切ろうとしたんだ。
 これも、何より妻のためだ。
 なぜって、愛していたから・・。

 でも、彼女は裏切った・・。
 彼女は、俺を欺いたんだ。

 俺たちジプシーの間では、これはあってはならないことなんだ。
 妻がよその男のところへ走ることは、
 もちろん夫がそうしてもいけないがね。

 お互いを愛しているなら、貞節でならないといけない。
 いいときも、悪いときもね。
 
 残念ながら、これは俺の場合
 うまくいかなかった。
 それで、5人の子どもは孤児になった。

 俺と、生きている限りは母さんが、
 子どもたちを育てあげなければならなかった。
 そして俺のおばさんもね。

 俺は、ついていなかった。

 見てごらん。
 俺がどこで生活をし、生きているか。
 これが俺の人生さ。」
 


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Theme:ルーマニア
Genre:海外情報

comments(6)|trackback(0)|ジプシー文化|2009-12-17_15:13|page top

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ジプシー文化
tulipanさん、
エルヌーおじさんの映像を撮っていたとは。
ジプシー文化というドキュメンタリー番組。
>ちょっとした番組より面白かったです。
>子供がつまらなそうところもまた面白い。
また遊びに来ます。
Re: ジプシー文化
thomas さん、いつもご訪問をありがとうございます。

クリスマス前にこんな
暗い話ばかりで申し訳ないのですが、
町の明るい雰囲気とはまた対極で、
こういう生活をしている人がいるというのも事実です。

このときカメラを回していたのですが、
身もこころも凍りつきそうでした。
いつしか、自分の息が荒くなっているのに
気がつきました。

息子が自分をもてあまして
カメラの中に入ったり、
話しかけたりしましたが、
またそれも面白いかもしれませんね。

凄いですね
 こちらも明暗ハッキリ分かれていますが、私が言葉を出来ないので知らない世界です。
 それにしても。凄い人生です。

 はなしは変わりますが。ルーマニアにもある料理に付いてTulipanさんから意味を教わったとレシピのブログへ文中リンクを貼らせて頂きました。遅くなりましたが報告まで。
Re: 凄いですね
越後やさん、
コメントをありがとうございます。

これだけハッキリとした人生、
奥さんへの愛憎で人生のすべてを投げ出してしまう生き方・・・
すごいです。

私は、まだまだ人生経験に浅いので
彼の心中は理解できないのかもしれません。
それでも、何かこころひかれるものがあります。

リンク、どうもありがとうございました。
あんな情報でお役に立ててよかった。
こちらも寒いので、
お菓子作り、スープ作りがんばっています。
カメラが故障していますので、
代理カメラではうまく撮れませんが
また更新したいと思います。
tulipanさんへ
はじめまして!
早速遊びに来ました。

ルーマニアって、どんなところでしょう?!
って思っています。
日本から出たことがないので想像がつきませんが~
ブログを拝見していると、懐かしいように感じる人々が
いらっしゃるところのように感じます。

tulipanさんのブログを貼らせていただけますか?

宜しくお願い致します。
magnolia さん
はじめまして、
コメントをどうもありがとうございます!

ルーマニアの紹介というよりは、
最近はかなりマニアックな世界に入っているので、
できましたら、もうひとつの
ハンドメイドブログへのリンクをお願いいたします。
http://tououzakka.exblog.jp/

私もそちらからリンクはらせていただきますね。