トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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虫の雨ふる、5月

5月に入り、本格的に春がやってきた。

リンゴやプルーンが
ちょうど白い粉砂糖をふったかのように、
花を満開に咲かせる。

A nap fiai 033

上ドボイ村にある、
もうひとつの我が家に到着。
すると、ご近所さんのジョンビが
ペットボトルを手にやってきた。

「 ほら見てよ。
 どこもかしこも、虫だらけだよ。」
と大人の親指ほどもある、
大きな茶色い虫を差し出した。

昆虫好きの息子は大喜びで、
その虫をもてあそぶ。
その触覚は、ちょうど
開いた扇子みたい。

bogareso3.jpg

葉っぱをよじ登ろうと、
手を広げたり閉じたり。
まるで挨拶をしているようだ。
黒く丸い瞳も、なかなか愛嬌がある。

bogareso2.jpg

「 この虫はね、7年間土の中にいて、
 それから外に出てきて、
 一週間したらもう死んでしまうんだよ。」
それから、オスとメスの見分け方だの、
交尾をしているところだの、
小学生の男の子に理科の授業の手ほどきを受ける。

茂みを見ると、
枝には黒い塊りがいくつも見えた。
こんなにたくさん。
組み体操でもしているのだろうか。

A nap fiai 019

5月のコガネムシ(Majusi Cserebogar)
というのが、ここでの呼び名。
5月の今の季節にしか見ることができない虫で、
4年に一度ほど大発生をするという。
ちょうど今年が、その当たり年。

「 この虫は、木の花を食べてしまうから害虫なんだ。
 木を揺らして、取ってしまわないと。」
ということで、子どもふたりをお供に
害虫駆除がはじまった。

木を揺さぶると、
高いところからボトボトボト・・
大きな虫が次々と落ちてくる。
襟首をしっかりとふさがないと、
うっかり中へ入ったら大変。
「 虫の雨だね!」と子どもたちは大喜び。

青々とした草の中で、
虫たちはしばらく固まったあと、
モゾモゾと動き出して、やがて飛び立つ。
その前にかき集めて、
小さなボトルの口へと投入。

やがて2リットルがいっぱいになると、
ジョンビが家に持ち帰るという。
相手をかまわず倒し、
上へ上へと登ろうとする虫たち。
ガサガサとたえず這いまわる、
そこは修羅場である。

A nap fiai 068

この害虫を大好物とする動物は、
こちらじゃなくて・・。

A nap fiai 020

なんと、ニワトリたち。
Cockchafer(オンドリ・コガネムシ)
という英語名。
その名の通り、
ニワトリたちの格好のえさのようだ。

bogareso4.jpg

コガネムシのあとは、
息子はカタツムリ採集。
いわゆるエスカルゴだけれど、
ここでは食べる人はいない。

「 チガビガ(でんでんむし)、出ておいで。
 おうちが焼けるよ、さあおいで。
 出てこないんなら、知らないよ。
 友達になってあげないよ。」
おまじないのように、歌をくりかえす。

A nap fiai 044

まだ材木置き場の家の庭が、
キッチンである。
太ったラツィおじさんは、料理の腕も達者。

A nap fiai 062

ベーコンを焼いたあとの脂で、
ジャガイモと鶏肉を焼く。
味付けはパプリカ風味。

A nap fiai 061

ヨーシュカおじさんの羊たちは、
草を求めて村を散歩する。

A nap fiai 075

ここが私の庭。
まぶしいほどの若草色に包みこまれる。
坂になった庭を、
上へ上へと登ってゆくと。

A nap fiai 083

遠くには霞がかった原っぱや、
教会の尖塔が姿をあらわす。

A nap fiai 085

美しい花を咲かせた木々は、
秋には実りをつけるだろうか。
ドボイ村の一日が、
ゆっくりと静かに暮れていった。

A nap fiai 080



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comments(6)|trackback(0)|自然、動物|2010-05-09_01:05|page top

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No title
2リットルですか!!
本当に虫の雨ですね。
こどもたちと何の虫だろう?と
話していたんです。。。

かたつむりも
なんてきれいな家を背に
持っているのでしょう!
息子さんが集めるのも
分かります!

お料理も最高においしそう!

いつか
ドボイの村を
この目で見てみたいと思いました。
Re: No title
Wikipediaで調べて分かりました。
これは、コフキカナブンという種類みたいです。

こんなに大きな虫が、
木という木にとまっているのですから、
もう村中は虫だらけ。
もちろん、巨大カタツムリもたくさんいます。

村の子どもの凄いところは、
自然が遊び相手で
生活をすることをちゃんとわきまえていることです。
季節の移り変わりとともに変わる、
農業や牧業を見ながら育つ。

両親や祖父母や親戚に囲まれ、
塀を越えてすぐにお隣さんのところへ
遊びにいける。
安心感が違います。

ドボイは、何も考えずに
ゆったりと過ごすことのできる場所。
ただ自然に身をゆだねて、
鳥の声を聴きながら・・・。
癒しの空間です。

もしこちらにいらしたら、
ここへもあそこへもお連れすると思いますよ。
ほんもののコガネムシ!
いや~コガネムシもカタツムリも立派ですね!息子さんもさぞお喜びでしょう!ふとんカバー以来、実際に拝見したかったので嬉しいです。しかしお花も緑もきれいでおじさんのお料理も美味しそうです。。。ぜひ行ってみたいですね。
Re: ほんもののコガネムシ!
Dillaさん、
こちらでは虫の数は
日本と比べると少ないのですが、
たまに大きい虫がいて驚きます。

カタツムリは日本のとは種類が違って、
食用になるタイプのものみたいです。
ここの人は食べませんが、
フランスに輸出もされるみたいです。
もしかして日本で売られているエスカルゴも、
ルーマニアのカタツムリさんかもしれませんね。

コガネムシは私も初めて見ました。
こんなに大発生したら、
はじめは可愛くて、面白かったのですが、
少し恐怖ですね。
あのピロカバーの雰囲気が、
生で分かりましたよ。
No title
ワァ~ エスカルゴまでいるんですね。
フランス人は初めて食べる勇気をよく持っていましたね。笑
村々に美しい春が!
春は一番の宝物でしょうね。
素朴な村の春の景色が伝わりました。
Re: No title
こんなに大きなカタツムリ、
本当にワァ~と声を上げてしまいます。

ハンガリー語では、私たちが食べる
海の貝(合わさっていない種類)は、カタツムリって呼ぶんです。
だから彼らにしてみれば、
私たち日本人も、凄いものを食べているということでしょう。
食文化って不思議なものです。

春夏には、夕方がいい時刻で、
村の人たちが皆通りに出てきて、
おしゃべりをしたりするんです。
冬は、家の中にご近所さんが集まるので
あたたかい家の中が過ごしやすくなります。
冬と夏ではまったく村の雰囲気も違いますね。