トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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セントジュルジ祭―美味しいものときれいなもの

今日から、出店があるというので見物に出かけた。
出店には大きく分けて三つある。一つは食べ物や飲み物、もちろんお祭りには不可欠の要素だ。ルーマニア名物のミッチという、ひき肉のハンバーグのようなものはビールといっしょに出される。ルーマニアのビールは、甘みがあって美味しい。

セーケイ地方の名物といえば、クルトゥーシュ・カラーチという細長い円形のお菓子である。これは、バームクーフェンの原型であるとされている。長い鉄の棒に、お菓子の生地を巻きつけて焼く。味もいろいろあるが、やっぱりオーソドックスなのは砂糖だけのものである。砂糖をその生地にまきつけて、炭の上でくるくる回していくと生地が黄金色になってくる。やがて火からおろすと、砂糖がパリパリに生地はふんわりと仕上がるのだ。砂糖の香ばしさに、生地のほのかなイーストの香りがたまらない。近郊の村々からも出店があるので、かなり競争も激しいようだ。

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もう一つは、大量生産の商品である。洋服や靴や、お菓子。普段の店でも手に入るようなものが、通りにあふれる。どれも世界共通の中国製品ばかりだ。
こちらは中心の公園ではなく大通りなので、雰囲気を壊さないだけましである。

最も楽しみなのはフォークアートの市である。
町の中心広場をクモの巣のように行き交う小道、緑の屋根で覆われた静かな場所で出店が並ぶ。
カロタセグ地方の刺繍や、セーケイの民族衣装も手に入る。工芸では、トランシルバニアの陶器も並ぶ。そして、現代の工芸作家の作品も・・・

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紐で編んだ壁掛け、木の板に草花模様が描かれたもの、フェルトの作品、とうもろこしの葉で編まれたもの・・・身近にある材料で工夫にとんだ作品を見ているだけでも楽しい。

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ガラス工芸の作品も出品されていた。トランシルバニアでは20世紀初めに、有名なガラス工芸の工場があり、中でもショバーンカ・イシュトバーンというデザイナーのものは、万国博覧会でも金賞を受賞したこともあった。あの時代のアールヌーボー様式の作品ではないが、1mmほどの薄いガラスで作られたフィギュアやビンも素晴らしいテクニックで作られたものだ。細長いビンの中には麦の穂が見える。中のデザインは下から吹いたものらしい。中にワインを注ぐとさぞ素敵だろう。私が購入したのは、シンプルな洋ナシの形の小瓶。縞模様が美しい。

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友人たちもブースを出している。
カティとペーテルのブースでは、七宝焼きのチョーカーとピアス、銅に繊細なデザインが施された腕輪やピアス。以前自宅で見せてくれたものと、また違うデザインも数多く見られる。
飛び入り参加のティメアとゾリは、ガラスのチョーカーを飾っていた。乳白色に優しい色合いのものや、透明のガラスの中に深いグリーンやブラウンの混ざった複雑な色合いのもの。どれも、アルファベットのようなシンプルなデザインである。

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小道を歩いているときに例のグスティ先生に出会ったので挨拶をし、出品をしているのか聞いたところ「キンガ(奥さん)が店を出しているから。」と言ったので、覗いてみる。
手作りの洋服やバッグがたくさん並んでいた。それも日本人も好みそうな可愛いデザインのものばかりである。私は思わず、息子も忘れてその作品に見入った。
外にかけられているのは、シンプルなチュニックスタイルのブラウス。白とグリーンのストライプは夏に涼しげ。ものすごく迷ったが買わなかったバラ色のチュニックには、小さなネコのデザインが可愛らしい。
サイズがなかったので断念したロングブラウスは、紺と白のコットン生地に、発色の美しい赤が胸の部分にきている。ちょっとフォークロア調の色合いが素敵だ。
私が買ったのは、重ね着にぴったりのロングブラウス。大きく開いた角型の襟元には、赤のストライプ模様。そこにグリーングレーの生地が組み合わされている。色のセンスと素材の組み合わせの妙が魅力だ。

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タグもまた凝っていて、グラフィカルなデザインはよく見ると洋服の型紙のようだ。UTO KINGAのINGはハンガリー語で“シャツ”の意味である。
バッグでもそのセンスが光る。パッチワークのバックには、三角模様が中心から渦巻きのように広がり、無数素材の組み合わせが万華鏡さながらである。ちょっとアジアンチックのものもあり、白のレース系もあり、ポップ系もあり。

奥のほうには別のアーティストの作品もあった。薄いコットンのシンプルな長方形のワンピースは、服そのものがキャンバスになったかのよう。一つ一つが美しい色彩でペイントされている。白い生地に、ブルーとピンクの雲のデザイン、黄色い草花のようなデザイン、水墨画のようなものや、コンピューターのマウスのデザインもある。私が買ったのは、淡いピンクに抽象的なデザインのもの。見ていて飽きない。

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女の子用のワンピースはあまりの可愛らしさに二つとも購入。いずれ娘もできることを祈って・・・どちらとも素材のよいグリーンのコットン素材に、Aラインのデザイン。リボンで結ぶデザインで、ちらりと見える右脇のフリルがポイント。
3歳児くらいのサイズか、大きなお日様の下、小さな丘の木の上にカラスが乗っていて、それをネコが捕まえようとして見ている。そのネコを丘の下の犬が同様に狙っている。この解説は、デザイナーのお姉さんがしてくれた。

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もう一つは、優しい色の水彩画のちょうちょが前と後ろに描かれている。そして、すその部分のペイントが美しい。普通の素材では決して出すことのできない、微妙な色合いのグリーンで塗られている。夢見るように美しい、幻想的な色合い。

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これらトランシルバニアのデザイナーのものは、ほとんどが一点もので、大量生産では出しえない味わいがある。一つ一つが丁寧に作られ、そしてデザインをする人の意匠がそのまま洋服作りに反映している。大きい資本でないからこそ、作ることのできる優しい味わいは、本当の意味での贅沢と言えるだろう。


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ワンピースかわいい!私も娘ができたら着せたい!!
最近の日本は物騒な事件が多く、なんだか落ち着かないし、日本の発展とともに忘れてしまった心の豊かさが原因だとも言われてます。
ルーマニアで生活していると、伝統を守りながら心豊かな子供が育つのだろうなーと思います。
そうだね・・・私もニュースはYAHOOのニュース一覧でチラッと見るだけだけど、悲しくなるような事件が多いよね。

ルーマニアでは、子供たちがもっとのびのびとしているような気がします。この「自由さ」はどこから来るのだろう・・・

なるみちゃんの家のように、家族や伝統を重んじる環境なら、きっとどこにいたって心が豊かに育つと思うよ。
だから、安心して子供を産んでね!
楽しみです★