トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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アーラパタクの女性の黄金の手-クロスステッチ展示会

スフントゥ・ゲオルゲから西に約20kmにある村、
アーラパタク。
ブラショフ県にほど近いこの村は、
かつて稀に見る手芸の産地としての輝かしい過去があった。

IMG_8038.jpg

女性たちの手で縫われた
赤いクロスステッチ(編みクロスステッチ)は、
数多くの国際展示会、博覧会で人々の目を虜にした。
1900年のパリ万博では金賞を受けたという記録も残している。

muzeum 021

やがて相次ぐ大戦の後、
既成の布が出回るようになると、
嫁入り道具のすべてを
自分たちの手で生み出す必要がなくなった。

それを受けて手仕事の火も消えつつある時期に、
アーラパタクに残るクロスステッチの図案を集め、
アルバムにまとめた女性がいた。
村の教師だったチュラク・マグダは、
「125のハンガリーのクロスステッチ図案集」という本を編集する。
アーラパタクの女性たちは、再び針を持ちはじめた。

その後、ルーリンツ・エテルカが
村の女性たちを集めて、刺しゅうや機織り、マクラメ織りなどを教え、
共産主義時代のルーマニアの
フォークロアの流行の波にのって、
数々の展示会で赤いクロスステッチは再び注目を集めた。

それがここ20年の間で、村の半数以上をジプシーが占めるようになり、
ハンガリー人はみるみるうちに減少の一途をたどる。
一人暮らしの老人の家には強盗が入り、
安心して暮らせない。
活気を失った村。
「私たちの文化は、もうおしまいだ。」
と力なくつぶやく村人たち。

それでも、ひとたび家の中に足を踏み入れると、
部屋を真っ赤に埋め尽くすほどの刺しゅうの作品は、
なお見るものの目を圧倒する。
アーラパタクの女性の手の技は、
数少ない後継者の手によって輝きつづけている。

arapatakihimzes 206

IMG_7402.jpg

Kerekes Ilona1

arany kezek

「アーラパタクの女性の黄金の手
     -クロスステッチ刺しゅうの過去と現在」は、
いよいよ11月10日の夜6時に、
国立セーケイ民族博物館の特別展として
オープニングを迎えます。

1plakat.jpg


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Theme:ルーマニア
Genre:海外情報

comments(6)|trackback(0)|セーケイ地方の村|2010-11-05_14:21|page top

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伝統文化は大切にしたい
産業構造の変化の波には勝てませんがなんとかして伝統工芸は保存しなければなりませんね。
それにしても、すばらしい統一感ですね。手仕事がうまくいっていた時代はさぞ平和だったんでしょうね。
Re: 伝統文化は大切にしたい
本来ならば、
村の人たちの生活を潤すものであるべきなのですが、
今のルーマニアでは、
手仕事はお土産品としてしか、
生き残れないという現状です。

アーラパタクでは、現在も
村の民家で生活に使われている手芸。
若い世代はもう村を離れていっている現実もあり、
もうその村の文化が消えていくのは
時間の問題のような気もします。

その前に、せめて町の住民たちに
刺しゅうの文化を伝えていこうというのが、
この展示会の役目だと思っています。
No title
いよいよですね、とても素晴らしいことだと思います。
村にまた誇りと輝きが戻りますように。
Re: No title
越後やさん、
どうもありがとうございます。

半年前から準備してきたのですが、
長かったようなあっという間のような気がします。

時には村の人たちの理解を得ることができなかったり、
博物館側のプレッシャーもあったりで、
かなり体力、気力ともに消耗しました。

この展示の目的が何にあるのか、
それだけは見失わないようにしたいと思います。
もう会場は整いました。
あとは開かれるだけです。
No title
tulipanさん  頑張って来られましたね。
その土地に住む人よりも 他の地域から来たひとの方が
伝統の良さが解るのは ありますね。
日本でも 東北の温泉旅館を 外国の女性が
担うことになっていたり。
一度外に出ると 改めてふるさとの輝きを発見したり。

素晴らしい手仕事の数々、見直す方が少しでも
いるといいですね~。
また その後のお話が楽しみです。
Re: No title
霧のまちさん、どうもありがとうございます!

よそからの眼というのは、
大切だと思います。
村の若い人たちは、この手芸の美しさに気がつかない。
だから町の住民たちの目に触れてみて、
そこから自身の文化のかけがえのなさに気がついてくれればといいと思います。

今日、息子の幼稚園の先生に招待状をお渡ししたとき、
「私たち、ハンガリー人のために多くのことをしてくれた。」
と言われました。
(残念ながら、村の人たちや博物館の人たちからは
こういった労いの言葉はいただけませんでしたが・・・。)
ルーマニアで少数民族であるハンガリー人は、
文化でしか自分たちを主張できないので、
ただの手芸の展示会ですが、重要ななことだと思います。

また展示会の会場の様子をお伝えしますね。