トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

カテゴリー

FC2カウンター

カレンダー(月別)

05 ≪│2017/06│≫ 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

これまで書いた記事は・・・

全タイトルを表示

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Feed Me!

トランシルヴァニアへの扉  - Erdely kapuja-のRSSフィード

ブログ翻訳

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
comments(-)|trackback(-)|スポンサー広告|--------_--:--|page top

東京にて.2

いつもより早く家を出て、
その日は寄り道をして展示場へ出かけることに決めた。
神保町で都営地下鉄に乗り換えて、
巣鴨駅へと向かう。

その目的は、
念願の夢であった偉人の墓参り。
おおよその目星をつけて来たものの、
住所や寺の名前を調べることはしなかった。
きっと見つかるはずだという漠然とした自信があった。

駅前の地図によると、付近に大きな墓地があるらしい。
そちらを目指して、ひたすらに大通りを歩いていく。
途中、小さな自転車屋さんのご主人に声をかける。
卓上の地図を引っ張り出して、地図とにらめっこ。
おおよその見当がついた。

しばらく行くと、警備員の青年に道を尋ねた。
険しい顔で少し考えたあと、わざわざ通信機で同僚に連絡をしている様子。
すぐに敷地内の小屋から、初老の男性が出てきて言う。
「このすぐ裏手ですよ。」

自転車がやっとすれ違うほどの小道が、ぐるりと囲んでいた。
じりじりと肌を焦がす太陽を避けながら、
木立の影を探して歩きつづける。
吸い込むと肺の底にずっしりとたまる、重い空気にもようやく慣れてきた。
まだセミの音は聴こえてこない。

japankialliras2011 116

墓地と墓地の合間を進んでいくと、
左手に視界が開けて小さなお寺が見えた。
石畳に導かれるようにして、小さな敷地内をゆっくりと散策した。

japankialliras2011 119

焼けつくような光を浴びて、体中から汗が噴き出す。
木立に囲まれた一角にたどり着くと、
アゲハ蝶が一羽、目の前に飛び込んできた。
3本の木がたっぷりと影を落とす、その中に
ささやかな墓石がふたつ並んでいた。

もうすぐ7月24日。
故人の命日が再び巡ってくる。
桐の紋が正方形の石に、ふっくらと浮かび上がっていた。

japankialliras2011 120

夜の地下鉄。
真っ白な肌をした赤ちゃんが、
愛らしい笑顔をふりまいていた。
脇に立つ息子と目の高さがほぼ同じになる。
日に焼けた浅黒い手とやわらかな白い手。
ほんの数十分の時間を過ごす、
ふたりの手が静かに触れ合った。

japankialliras2011 021

東京の夏。
たくさんの出会いをありがとう。
スポンサーサイト
comments(7)|trackback(0)|その他|2011-07-18_00:39|page top

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

コメントの投稿

非公開コメント

No title
墓石は遺言どおり、故人愛用の座布団と同じサイズなのだとか^^
文学少女ですね~
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
No title
東京での開催 お疲れ様でした。
大盛況だったことでしょうね。

24日、誰の命日だったんですか?
暑い中 大変でしたね・・・。

子供同士の 小さなコミニュケーション、
面白いですね。
大きくなると だんだんそれもしなくなって・・・。
素敵な写真です。
Re: No title
たかたさま、そうなんですね!
墓石の形、どうして真四角なのかと思っていました。
恥ずかしながら、20代になってから文学に目覚めました。
私の長年の夢が叶い、嬉しい出来事でした。
Re: No title
霧のまちさん、東京の展示会が無事に終わりました。
猛暑にもかかわらず、お客様が継続して来ていただきました。
中には2度3度と足を運んでくださる方も・・。
人との出会いで、もう胸が一杯になり
展示会はそれだけで大成功だったと思っています。

作家の芥川龍之介氏の墓なんです。
ブダペストで留学時代に買った、古いハンガリー語の本が出会いです。
「日本のデカメロン」という大正文学の本だったのですが、
原文日本語で読めることが幸せだと思っています。

子どもたちはすぐに仲良しになりますよね。
暗い地下鉄の中で、
こういう風景を見ると心が和みます。






お帰りなさい
で、
いいのかな…、
お帰りなさいじゃなくて、「ようこそ日本へ」かな?
Re: お帰りなさい
田中仁さま、どうもありがとうございます。
やっぱりおかえりが嬉しい言葉ですね。
東京、大阪でも懐かしい
素敵な人々や場所に出会えて充実しています。
久々の日本の夏、
暑さは厳しいですが来てよかったです。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。