トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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クリスマスの前に

もうすぐクリスマスがやってくる。
モミの葉でいっぱいに茂らせたリースをつくり、
その上に4本のロウソクをたてて、
やがて週末がくるごとに一本一本と火をともしていく。
アドベントリースには、もう3本目のロウソクに火がともされた。

女性たちは、クリスマスのお菓子作りで大忙し。
それぞれの家庭のレシピをたいせつに守りながら、
この祝いの日のためにこころをこめて焼く。
伝統のお菓子は数あるけれど、中でもはちみつクッキーは、
はちみつに丁子、シナモンなどのスパイスを入れるせいか、日持ちもする。
縁日には、きれいに飾りつけられたはちみつクッキーは
今でもおみやげ物として尊ばれている。

「はちみつクッキーをいっしょに作りましょう。」
友人のエリカに呼ばれて、彼女の家に子どもを連れて行った。
「昔からね、クッキー作りは友達同士で和気あいあいと作っていたものなの。」
ふたりの姉妹が、仲良くクッキーをこねる姿がほほえましい。

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はちみつにマーガリン、砂糖に卵、小麦粉、ベーキングパウダー。
そしてスパイスを少々。
固い生地をこねるのは、大変な作業。
「ここで頑張らないと、私たち主婦はいつ筋肉をつけるの?」とキンガが笑う。
やがて辺りいっぱいに、なんとも言えない魅惑的な香りが広がった。

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生地は、本当ならば一晩ねかさないといけない。
子どもたちを呼んで、さっそく型を取る作業がはじまった。
姉のキンガは子どもたちに号令をかけて形をつくり、
時おり、メゾソプラノ歌手のエリカの美しい歌声が部屋にこだまする。

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待ちきれない子どもたちは、
生地をそのまま口に放りこんでしまった。
そのままでも、「おいしい。」と笑顔がこぼれる。

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あたたかな湯気と甘い香りを立ちのぼらせて、
はちみつクッキーが焼きあがる。

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星にハート、天使に雪だるまにプレゼント・・。
アイシングで飾りつけるのは、工作みたいな楽しい作業。
クリスマスツリーに飾られるのは、割と新しい習慣のよう。
冬の短い一日が、あっという間に暮れていった。

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町の市場では、
森から運ばれてきたモミの木がいっぱいに置かれている。
しばらく目にすることのなかった緑色が目に鮮やかに、
そしてその香りがツンと鼻をつく。
放射線をえがいて大きく広がった枝には、
やがて色とりどりの飾りがつけられ、
子どもたちの目を楽しませることだろう。

ICIRIPICIRI85 023

去年は我が家にツリーはなかった。
その代わりにちいさな鉢植えのモミの木を買い、大切に育ててきた。
子どもたちの喜ぶモミの木は、
幹を切りとられて短い命となった哀しい木の宿命をも意味している。

ICIRIPICIRI85 024

博物館では、週末にクリスマス市がひらかれた。
所狭しとならべられた手作りの品々、
楽しい音楽にワインにお菓子・・・。

ふと一つの台で足をとめた。
そのとき、「この人。小学校の・・。」と息子が私の袖をすこし引いた。
息子の同級生の家族だった。
木笛やギターのような手作りの弦楽器をいっぱいに並べた家族と話をした。
「これはカザフスタンの楽器だよ。」などと話す彼らは、
少し前まで母親の里のロシアに住んでいたそうだ。
カティのお母さんは、ロシアの少数民族ウドゥムルト人であるという。

ちいさなカティは楽しそうに笛を吹いていた。
お父さんが弦楽器をかきならすと、カティは歌いはじめ、
そこだけほのかな明かりがともったように見えた。

ICIRIPICIRI85 019

私は息子のために、木彫りの笛をひとつ求めた。
ほんとうの幸せとはなんだろう。
クリスマスがやってくるたびに、
私たちは同じことをくり返し考えさせられる。
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Theme:ルーマニア
Genre:海外情報

comments(2)|trackback(0)|文化、習慣|2011-12-20_05:02|page top

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No title
素朴で素敵なクッキー作りですね。
特に飾らず 日常のもので工夫して過ごす事が
一番の幸福でしょうね。
モミの木、懐かしいです。  小さい頃 山に
木を探しに行きました。 モミとカヤは非常に
似ているので カヤを採って飾り付けたことも。
Re: No title
霧のまちさん、どうもありがとうございます。
あっという間にクリスマスがやってきました。
日本ではどこからか探してきた木に飾りつけたのですが、
こちらはこの時期、森林保安官がモミの木泥棒を見張っているので
市場で買わなくてはいけません。

今はここも残念ながら、クリスマスは
たくさんのぜいたく品を子供に与える習慣になってきました。
ささやかなものに幸せを見出してくれることを教えてあげたいですね。
どうぞよいお年をお迎えください。