トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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セーケイ・ミコー学園の事件

9月1日の正午、
シェプシセントジュルジで大きな出来事があった。
トランシルヴァニア全土から、
ルーマニア国中から、そして隣国のハンガリーからも大勢のハンガリー人が集まり、
大規模のデモが行われた。

IMG_5793.jpg

事件の発端は、
キリスト教カルバン派教会の保有する
セーケイ・ミコー学園をルーマニア政府が強制的に
国有化するという計画が起こったこと。
さらに、それに反対する二人のハンガリー人を拘束したということに対して、
多くの人が釈放をもとめ、
さらにハンガリー人の権利のために立ち上がった。

IMG_5804.jpg

ハンガリー人少数民族が人口の70%を占めるこの町で、
歴史深いこのミコー学園を国有化することで
どういう問題が起こるか。
ルーマニア政府の元で教育方針が決められるため、
最悪の場合は、ハンガリー語で教育が教育がされなくなるという事態も考えうる。
ここ最近では、トゥルグ・ムレシュの医科大学でも
ハンガリー語教育が廃止される問題が起こった。

私たちは、自分たちの子どもたち、
孫たちの未来のためにも、
母国語で生活が送れるような社会を守っていかなければならない。

IMG_5808.jpg

1919年のトリアノン条約で、
ハンガリーからトランシルヴァニア地方がルーマニアに割譲されてから、
やがて100年になろうとしている。
ハンガリー人少数民族は、
すべてがひっくり返るような苦境の中でも
ルーマニア社会に適応しながら、
先祖代々受け継いできた土地や伝統、母語を守りながら
生活をつづけている。

IMG_5812.jpg


セーケイの民族歌

この運命がどこへたどりつくのか、誰が知っているだろう
真夜中の、暗く険しい道の中で
ふたたび、民を勝利へと導いてくれますように
チャバ王子よ、天の川のもとで
(ハンガリーの神話の中で、天の川をくだって
チャバ王子の軍隊がやってきたと言われている。)

数多くのセーケイ人は岩のように砕けた
民族の戦いがくりひろげられる海の中
ああ、荒波が私たちを100たび呑み込もうとしても、
神よ、このトランシルヴァニアをどうか私たちの手から奪ってくれるな

Ki tudja merre, merre visz a végzet
Göröngyös úton, sötét éjjelen.
Vezesd még egyszer győzelemre néped,
Csaba királyfi csillagösvényen.

Maroknyi székely porlik, mint a szikla
Népek harcának zajló tengerén.
Fejünk az ár, jaj, százszor elborítja,
Ne hagyd elveszni Erdélyt, Istenünk!


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Theme:ルーマニア
Genre:海外情報

comments(4)|trackback(0)|イベント|2012-09-02_05:31|page top

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またまたまた失礼します
結婚式!すごいですね。
刺繍、美しすぎます。
きっと間近で見たらすごく感動して興奮するんだろうなぁ・・・
こちらではついに夏休みが終わりました。
何気ない普通の毎日がこの記事を見ると少し考えさせられました。
セーケイの民族歌、無知な私でもぐっときました。

Re: またまたまた失礼します
Yuriさん、いつもコメントをありがとうございます。
このような美しい刺繍がただの品ではなくて、
生活の中にしっかりと根付き、
生きていることにこそ価値があると思います。
博物館ではなく、
こうした生の刺繍が見られるのはいつまででしょうか。

本当はカロタセグの旅行記が終わってから、
別の記事を書きたかったのですが、
どうしてもこの出来事を知ってもらいたくて、載せました。
ハンガリー人の少数民族が民俗衣装などの伝統を守っているのも、
少数であるという所以だと思います。
衣装を着るということにも、
自分たちはハンガリー人としてここに存在しているという
最大限のアピールなのでしょう。
現代のように、表の世界に無関心になりがちな生活の中で、
こうして各地から大きな声で主張をするために2万人近くが集まったことは、
凄いことだなと思います。
ハンガリーの国歌(ではなく、本当は民族歌なのです)を歌い、
最後にセーケイの民族歌の大合唱に包まれました。
私は日本人ですが、
ルーマニアに生きるハンガリー人のひとりである息子のためにも、
あの場でデモをしました。


No title
日常の中に伝統が根付くことはすごく大切ですごく儚いものなんですね。
日本人はそういうことが薄れていってしまったと思います。
だからこそ、きっとその価値がわかります。
本当に大切にしてほしいです。そして大切にしたいです。
一つの文化が消されるのはすごく悔しい。
自分自身が消されそうになるなんて、想像しただけでも苦しいです。

Re: No title
日本でもそういう伝統文化が、
よく見回せばきっと見つかると思います。
私もずっと無関心で育ってきましたが、
大人になって地元にすばらしい遺産があることに気がつきました。
里の文化、田の神の信仰や神楽です。
ちょっと角度を変えるだけで、
いろいろなものが見えてくるはずです。

ハンガリー人の知人がこういいました。
「もしも、日本で第二次大戦後に
九州を取られ、四国をとられ、北海道を取られることを想像してみてごらん。
僕たちハンガリー人は、第一次大戦で国土の3分の2を失ってしまったんだ。」
国の領土は常に変わりますが、
そこに住む人たちには罪がなく、
歴史に翻弄される悲しい運命を背負っています。

人はさまざまな文化に属して育っていくと思いますが、
ルーマニアという国、
ハンガリー語という母国、
そして息子はさらに日本人という文化も持っています。
そういう多様性を認める社会を作っていかないといけないと思います。