トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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トランシルヴァニアの秋

太陽の燃え盛る季節が終わると、
ふたたび秋がやってくる。

秋の訪れは、その年その年によって違う。
今年の9月は雲にかくれ、立て続けに雨が降って、
10月のはじめには雪が降った。
夏から秋を通り越して、ついに冬に入ってしまった。
そう思いきや、長く穏やかな秋の晴れ日が長く続くことになった。

9月の終わりの恒例の秋祭り。
町の広場に荷馬車いっぱいの藁が持ち込まれると、
それだけで格好の遊び場になる。
ふかふかの藁の布団に飛び込んだり、もぐったり、
時には藁を投げあったりして、
辺りには乾いた草のにおいが立ち込める。

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今はまだ寝たきりの娘も、
来年の今頃には藁の上を駆け回っているかもしれない。

asaka11.jpg

日が沈むと一気に寒さが身にしみてくる。
祭りの最後を、ハンガリーの楽団ムジカーシュの演奏が締めくくる。
夜が更けるまで聞き、踊り、
娘もくたくたになって家に帰り着いた。

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我が家の庭にも、収穫の恵みが施された。
真っ赤に色づいた野ばらの実。
ローズヒップは、霜がおりると実が熟れてくる。
ピューレ状の果実を搾り出すと、
まるで完熟トマトのような酸味と甘味でいっぱいになる。

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今年一番の実りは、かぼちゃ。
瓜に似たものは「煮かぼちゃ」、
大きな丸いものを「焼きかぼちゃ」と呼んでいる。
スイカのように、中心から切ってオーブンに入れて焼く。
焼き芋や焼き栗に喩えたらいいだろうか。
ほくほくと甘い、秋の味覚である。

IMG_7861.jpg

色とりどりの花が咲いては枯れていった。
最後の野の花だろうか。
ちいさな棘に覆われた茎は蛇のようにくねって、
先っぽには涼しげな青い花が輝くようだった。

IMG_7856.jpg

数え切れないほどの命を与えてくれた、細く小さな土地に感謝の気持ちをささげ、
また来年の春を待とう。




子どもは木に登ることが好きだ。
手を伸ばしても届かない高みにたどり着くことで、
達成感を味わうのかもしれない。
黄色く色づいたリンゴの木は、木のぼりに持ってこい。
「ねえ、一個リンゴを落として。」と声をかける。

IMG_8687.jpg

ほどよい艶と深い色味。
リンゴの赤ほど、秋を象徴する色はないのではないだろうか。

IMG_8699.jpg

今年は森を歩くこともできず、自然を遠くから眺めるだけで
季節が移り変わってしまった。
すべての葉を落とすその前に、最後の力を振り絞って
美しい色に変わる。
その一瞬一瞬を見逃さないように目を凝らす。

IMG_8775.jpg

やがてこの大地では、
生きるものはすべて姿を消してしまう。
植物も虫たちも、地中でただひっそりと眠りにつき、
遠い春がくるのを待つ。

IMG_8729.jpg

秋を告げる花、イヌサフランが咲いている。
うすく透きとおった紫色の花びらが、
その日最後の光を浴びて輝きを増していた。

IMG_8488.jpg


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comments(4)|trackback(0)|自然、動物|2013-11-01_18:48|page top

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No title
季節に敏感な聖子さんの写真、いつもステキだなぁと
眺めています。
う~ん、いいですね~。  サフランも地べたに咲くと
雰囲気が違います。
人々の装いももう寒い季節を語っていますね。
一段と大人になった 息子さんも彼なりに
秋を満喫してるんでしょうね~。  頭の片隅に
ちゃんとインプットされて 大人になった時の
素晴らしい栄養になるんですよ~。
Re: No title
霧のまちさん、なかなかブログ更新ができなくて、
写真だけ・・と思って、下書きしたつもりですが、
そのまま更新されてしまいました。
また、時間があるときにゆっくり続きを書きたいと思います。

今年はいつもより自然を歩きまわることはできませんでしたが、
日常生活に飢えていた自然の色の美しさが眩しくて・・。
近いのになかなか手が届かない、秋の色です。

秋の風景ですね
フランスよりこんにちは♪

同じ場所でも季節によって風景が変わりますね。
お祭りに来てる子どもたち、とてもうれしそう。
朝歌ちゃんも目をくりくりさせていろんな音を聞いていたでしょうね。

イーラーショシュ、刺し始めました。
作り手によっていろんな個性がでる刺繍なんだろうな・・・と楽しく手を動かしています。

刺しかけのイヌサフランの図案があることを思い出しました。
この図案はフランス刺繍です。

さまざまな地に伝わる伝統、手仕事を通しても興味深く接することができますね。
カロタセグ地方の晩秋の風景、おばあちゃんたちの笑顔も楽しみにしています。
Re: 秋の風景ですね
echaloterさま、コメントをどうもありがとうございます。

はじめの年は、新しい発見ばかりでしたが、
年を重ねるにつれて季節によって変わる風景が楽しみとなりました。
秋祭りは、ただ藁の束があるだけで子どもたちはこんなに嬉しそう。
複雑なおもちゃなんて要らないんですよね。

イーラーショシュは、一本の線で図案を描くと
さらに作り手の個性が出てきます。
今でこそ、同じ図案、同じ形のものを作るようになりましたが、
伝統刺繍は、決して同じものを作ることはありませんでした。
そこが、素晴らしいところだと思います。

イヌサフラン、こちらで出会った大好きな野の花のひとつです。
実は毒があるそうですので、
触ったあとは手を洗うことをお勧めします。
刺繍の図案にしても、素敵なのでしょうね。

あさってから、カロタセグ地方へ再び出かけます。
お天気がつづくように願って・・。