トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

カテゴリー

FC2カウンター

カレンダー(月別)

05 ≪│2017/06│≫ 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

これまで書いた記事は・・・

全タイトルを表示

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Feed Me!

トランシルヴァニアへの扉  - Erdely kapuja-のRSSフィード

ブログ翻訳

白雪姫幼稚園の遠足

息子の通う幼稚園のクラスの遠足に、私も保護者の一人として同伴することになった。
朝9時過ぎにマイクロバスが出ることになっているのだが、子供たちは遠足の前でそわそわと落ち着きがない。並んでベンチに腰掛けて、人数がそろうのを待つ。
ユリア先生の話では、近くのビクファルバという村へ行き、そこの小学生たちと合流して森に散歩に行く予定だそうだ。以前、先生はそこの学校で一年間教えていたらしい。

幼稚園では毎日、10時のおやつにキフリと呼ばれる長いパンと牛乳が配給される。
ただ規則的に配達されないようで、今日は6個分の牛乳をもらってしまった。持っていくわけにもいかず、ロッカーの中にとりあえず放り込む。

準備が整い、いざ出発。
子供たちはペアで手をつないでバスに乗り込んでいく。私は、一番前の席である男の子の横に座った。息子は後ろのほうで友達といっしょと思いきや、外が見えないとダダをこね、先生に抱いてもらっていた。
もちろんチャイルドシートもシートベルトすらもないので、子供たちはしっかりと捕まっておくように注意を受ける。

セントジュルジの町を見下ろして、バスは町を走る。
子供たちはバスの中でも、はしゃいで楽しそう。
隣に座ったゲルグーに「車には良く乗る?」と話しかけると、ブラショフにこの前行ったと話す。「ブラショフでは何を?」と尋ねると「キノコを取りにいった。」と答えた。山のそばではあるけれど、あんな大きな町にキノコがあるのか、と驚いた。ゲルグーの父親は、あのキノコ博士の大学の同僚らしいので、きっといっしょにキノコ狩りでもしたのだろう。

やがてバスはのどかな田園風景の中を走り、二つ目の村がビクファルバである。
ビクファというのが椎の木で、村の名前もここから来ている。
山に面した静かな小さな村。
村の中心にある学校に到着すると、子供たちは校庭にある遊具を見て大喜び。バスを下りると、すぐに滑り台の方へかけていった。

bikkfalva 038_convert_20080613014959

先生が子供たちを呼んで、いっしょに学校の様子を見せてもらう。
小さな村なので、1年生から4年生までが10人ほどいっしょに学んでいる。ユリア先生は懐かしそうに子供たちの名前を呼んでいた。

学校見物の後は、展示会を見に行く。
村に設立した文化基金で、「ビックマック」(どんぐり)の名前がついている。このロゴは、ブダペストの美術アカデミーにいる旦那の友人がデザインしたものである。
友人の父親は、旦那が通ったセントジュルジの芸術学校の校長先生で、数年前この村に引っ越してきた。そして、この文化基金を設立したらしい。

bikkfalva 018_convert_20080613015544

私たちは二年前、友人の家に招かれたことがあったので、この村に来るのはこれで二度目である。友人の宅は、築200年の貴族の屋敷を改装したもので、趣のある美しい住まいだった。この村には、いくつも貴族の屋敷があるそうだ。売値はそう高くないが、改装するのが大変という。友人の母が「その値段は、聞かないほうがいいわよ。」と語っていた。

どんぐり協会の中には、村の小学生が作ったものらしい人形や、マスク、イースターエッグなどが所狭しと飾られていた。子供たちも興味深そうに展示を眺める。
これはファルシャングといって、イースター前の二月の一番寒い時期に冬を追い払うお祭りをする。冬はこのような化け物にたとえられ、大騒ぎをするのだ。いわば日本のなまはげに似ている。

bikkfalva 022_convert_20080613015403

bikkfalva 021_convert_20080613015458


よく見ると、お料理で使う木のスプーンに洋服をかぶせてある。いいアイデアだ。
セーケイの民族衣装を着た男の子、女の子も。

bikkfalva 032_convert_20080613015106


イースターは、キリスト教以前の習慣である。
だから赤いイースターエッグには、異教徒時代の信仰の跡がみえるという。原始的なモチーフの世界は、研究すると奥が深く面白いものだ。

bikkfalva 030_convert_20080613015305


ふだん10時におやつを食べている子供たちは、お腹がすき始めた頃だ。
小学生が優しく幼稚園生の手をひいて、森に向かって出発。
途中で出会った村の人たちは「まあ、うちの村に子供の数が増えたかと思ったわ。」と驚く。
村では、一人一人に挨拶をするのが礼儀である。これが町とは違うところだ。

bikkfalva 017_convert_20080613015632

真昼の日差しが降り注ぐ中、子供たちは歩くが村のはずれは意外に遠い。
隣にいた子供に「ふだんはどこで遊ぶの?」と聞くと、「公園。」と答える。指を刺すほうを見ると、こんな小さな村にも立派な公園ができている。先ほどまではやっとで歩いていた子供たちも、公園に来ると突然元気になるのが不思議だ。

bikkfalva 065_convert_20080613014848

さっきまで「歩けない・・・」とすねていた息子も、ご覧の通り。

bikkfalva 075_convert_20080613014650

子供たちのお腹を考慮して、ここで休憩。
いつもの通り、お祈りをしてから食事となる。可愛いリズムの歌に合わせて、「食べ物と飲み物を下さった、その者に祝福がありますように。アーメン。」

bikkfalva 069_convert_20080613014743

 幼稚園では普通、炭酸水と普通の水が出されるが、今日はあいにく炭酸水だけであった。息子は炭酸水が飲めないので、女の子に水を汲んできてもらうようにお願いした。

休憩が終わると、また森を目指して出発。
途中でヒツジやヤギを見つけて、子供たちも大喜び。首にはカランカランと良い音のする鈴がかけてある。

bikkfalva 079_convert_20080613014541

bikkfalva 084_convert_20080613014254

この分かれ道の先には何があるのだろう・・・。
立て札には「カタツムリの城」とある。子供に聞けば、森の名前だそう。こんな土地の名前までメルヘンチックである。

bikkfalva 081_convert_20080613014443

やっと森の入り口が見えてきた。

bikkfalva 086_convert_20080613014022

ここで敷物をひいてピクニック。子供たちはお菓子を食べたり、走り回ったりして楽しそう。

bikkfalva 087_convert_20080613014203

bikkfalva 088_convert_20080613013933

いつもとは違う環境で、違う人と交わるのは大切なことだ。日本との教育の違いは、同じことをするように強いるのではなく、子供それぞれの興味に合わせて自由にさせることだ。どちらも利点、欠点はあるだろうが、日本の学校は窮屈だと感じる子供も少なくないと思う。こんな育て方もあっていいのではないか、と思う。
私は不登校ではなかったが、あまり中学、高校ではのびのびと感じた事がなかったから、なおさらそう感じるのかもしれない。

帰り道、先生が何か歌を歌おうと言い出した。
息子に「何を歌いたい?」と聞くと「ブナ・ディミネアーツァ(おはよう)」と言って、歌い始めた。そして先生や子供たちもそれに加わる。
ルーマニア語に最近興味を持ち始めた息子は、そのあともルーマニア語の歌を歌いだす。先生は「バラージュちゃんは、クラスでも一番ルーマニア語ができるのよ。」と言う。まだ幼稚園に通って3ヶ月ちょっとであるが、小さい頃から二つの言葉を聞いてきたからだろうか。誰かから、二ヶ国語ができると三ヶ国語からは比較的簡単である、と聞いたことがある。息子の場合は、二つの母国語と最低ルーマニア語は、ここで暮らしてゆく以上必須である。やがて英語も加わるであろう・・・。

村の子供たちとお別れをして、私たちは町に帰った。
帰りのバスで先生が「子供たち、また遠足に行きたい?」と聞くと、すぐに元気な声で「イゲーン!(はい)」とかえってきた。「じゃあ、また連れて行くわね。」と先生も、聞き分けよく半日を過ごした子供たちに満足そう。

白雪姫幼稚園も今期は明日で終わり。
長い夏休みのあと、9月からまた新学期が始まる。幼稚園でよい先生に出会えて、良いお友達もたくさんできて、本当に良かった。また今後も幼稚園でたくさんのことを学んでくれることを願って・・・。そして、夏休み中は私たち親がたくさんのことを教えないといけない。責任は重大である。















スポンサーサイト

Theme:海外の子育て
Genre:海外情報

comments(2)|trackback(0)|ルーマニアの育児|2008-06-13_01:37|page top

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

コメントの投稿

非公開コメント

おじゃましました(^^)
ふら~と立ち寄ったら長居してることに気づきました
楽しかったんで(勝手にw)お気に入り登録させて頂いてます♪
ブログつながりで昨日もたまたま面白い記事を見つけちゃぬました
とても興味深い内容でしたのでよかったらどうぞ♪
http://furutoisshodayo.web.fc2.com/
これからも楽しいブログをお願いしますね♪また遊びにきますよ^-^
ありがとうございます!!
光栄です。

これからもトランシルヴァニア情報を満載します。
遊びにいらしてくださいね。