トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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Fangさんとカロタセグの新刊

Fangさんとの出会いは、
今から2年以上前のことだった。
イーラーショシュの本を手にし感銘をうけたことから、
台湾との不思議な縁がはじまった。

台湾でもこのような本が欲しい、
はじめは出版社へ直々にメールを送って
どうにか中国語版を作ろうと働きかけてくれた。
さまざまな規定のため、それも実らず終わろうとしていたのに、
彼女の情熱はそれでも冷めやらなかった。

今度は、新しく本を作ろうというのだ。
台湾とルーマニア。
遠い距離をはさんで、
英文によるたどたどしいコミュニケーションが幾度ともなく繰り返された。
やがて、産後のため期限までの提出は不可能だと諦めそうになったとき、
それでは、自分一人でも作りたいと、
彼女の強い意思が再び私を突き動かした。

2016年12月終わりに原稿を書き上げ、
さらに写真撮影を翌年1月に終わらせて、
あとは出来上がるのを待つだけだった。
しかしその後、本は編集やデザインに手間取り、
予定していた6月になっても出来上がらなかった。

私の仕事の条件は、
翌年の台湾での展示会のための渡航費だった。
3人の子供たちをつれて、
日本を経由して台湾に行くことができる。
何事にも勝る、ご褒美だった。

7月中旬、私はお守役の母親と3人の子供たちをつれて、
台湾の地を踏んだ。
台北中央駅の近くのユースホステルの前で、
巨大なスーツケースを引いているとき初めて彼女と出会った。
長身で色白の肌、切れ長の目をした女性は、
もじもじとお土産のお菓子を携えて立っていた。

ホステルで荷物を置くやすぐに、
彼女と打ち合わせのために喫茶店へ。
巨大なタピオカ入りの甘いミルクティーを飲みながら、
この数日と本について話し合った。

翌日は、飾り付けのために彼女の経営するギャラリーMad.Lを訪ねる。
迪化街(てきかがい)と呼ばれる問屋街の一角にある。
古き良き台湾の情緒が垣間見える場所。
天井の高く広い壁をどうやって埋めようかと頭を悩ませていると、
体調に不思議な変化が起こった。
腹痛がだんだん強くなり、冷や汗が出そうになった。
恐らく、昨夜のお茶の中の氷に違いない。
知人から忠告を受けていたのに、大事な初日からすでに体調を崩してしまった。

Fangさんは女王のように、切れ長の目を滑らせては壁を見、
陶芸家のご主人さまと妹さんが小間使いのようによく働く。
途中で、生後3ヶ月の赤ちゃんを連れて登場したり、
トイレで閉じ込められた猫たちがギャーギャーと泣き叫んだり。
3人で黙々と作業をしていると、
一緒に展示させて頂く竹永絵里さんとお父さまがやってきた。
朗らかな竹永さんの存在感と穏やかなお父様のご助力で大いに救われ、
息子も手を貸してくれたので、
一番難航していた枕カバーの詰め物を終えて、
会場がだんだんとカロタセグ色に塗り替えられていった。

夕方には、台湾の親友Zitonが自転車をこいでふらりと訪れた。
はじめの二日だけはホステルで、後の滞在は彼女の家で5人まとめて居候させてもらい、
まるで賑やかな家族のように、あちこちを出歩いた。

展示会のオープニングでは、
展示のコンセプト、展示物の説明などをして、
会場と書店とで二回にわたるワークショップと、
3人の台湾人通訳者の手を借りてなんとかこなすことができた。

展示会の後、彼女はこう書いた。
「この展示会が私とギャラリーにとって新たな出発だったの。
これまでの現代美術の路線から、工芸美術の方へと進もうと決めたわ。」
彼女は、心の中に燃える情熱を持ち、さまざまな困難に屈せず、
これからも次々と開拓していくことだろう。
ご主人さまが制作された美しい土の器を手にのせるとき、
会場でいただいた野菜スープや甘い豆乳の味が蘇り、
ふたりの優しさが思い起こされる。

そうした台湾の思い出を振り返りながら、
私は印刷したばかりの新刊を手にしている。
白い背景に、赤いイーラーショシュ、
そして刺繍のようにも見える「美麗刺繍」のタイトル。
中国語繁体字と英語が一冊になった本。


18118794_1502157856496310_8583097574469212185_n.jpg 
こちらでお求めいただけます。
また6月の東京浅草、大阪箕面の展示会場でもご覧いただけます。




















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comments(0)|trackback(0)|トランシルヴァニア食文化|2017-05-20_23:03|page top

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