トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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トランシルヴァニアで公園デビュー

もうこちらに来て4ヶ月になるのだから、初めて公園に連れて行ったというわけではない。
息子も子供だから公園は大好き。近所にある公園はほとんど知っている。
昨日、近所に最近できたばかりの公園に行ったとき、こんな出来事があった。

そこは、県の病院の横にできたばかりの公園である。
以前もブランコと滑り台だけの粗末な作りのものがあったのだが、最近になって改装された。敷地は砂利で埋められ、大きな遊具には大小の滑り台や登るところがあちこちについている。ちょうど幼稚園生から小学校の低学年ほどまでの水準であろうか。
遊具は子供の成長によって変わるから、ちょうど良い程度の・・・つまり危なくなく、退屈でもないほどの公園を見つけるのは意外に難しい。

夕方、もうすぐ日が暮れるようとする時間帯に子供を連れて行ってみた。
もう息子は4歳なので、親がそばについて手を貸すようなことはほとんどない。ただ監視をして、たまに注意するくらいのことだ。

私は本も持ってこなかったので、手持ち無沙汰に近所のむやみに高いマンションや、マンションの横にあるパブ、公園のすぐ横にあるハーロムセークという新聞社の事務所などをなんとなく見回しているだけだった。

息子は一人で黙々と遊んでいた。
この頃は高いところに登る喜びを覚えたから、はしごに登ったり、降りたりしていた。

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ふと見ると、はしごの上から降りようとしない。
気になったのでそばに近づくと、遊具の上に登った小学生の女の子たちとおしゃべりをしているようだ。すでに息子の名前を知っているらしく「バラージュちゃん、バラージュちゃん」と呼びかけていた。

女の子たちは退屈してか、半分外国人の息子に興味を持ってか、息子と遊び始めた。
滑り台や、ブランコ、シーソーなどへ連れて行き、まるで初めて歩き始めた子供のように、
息子がすることを大げさに褒める。

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息子はどこの小学校に通うのか、と聞くので、うちのすぐ隣にある小学校だろうと答える。
すると、親切に小学校のことを話して聞かせてくれた。
どうやら近所のバーラディ小学校には、二つのクラスがあるという。
一つは普通の教育をするクラス、もう一つはstep by stepと名づけられた新しい教育システムで教えるクラスであるという。何が違うかというと、新システムでは遊び感覚で簡単に勉強させるという方法を使っているらしい。
残念ながら4年生までしかないという。

ブダペストに住む教育熱心の友人がいて、モンテッソーリ教育というのに夢中であった。
なんでもイタリア人の教育者が発明した方法で、子供の手先の感覚を上達させて、知恵をはぐくむ遊びをさせるというものらしい。
彼女は子供をそこの幼稚園に入れ、卒業した後にモンテッソーリの小学校に入学させたかったが、もう一杯だったので仕方がなく、小学校の入学を一年遅らせたという。
日本ではとても考えられないことである。

女の子たちは、息子を囲んで「バラージュちゃん、歌は歌える?」と聞いている。
息子は歌が得意なので、勧めるとすぐに歌い始めた。
ルーマニア語と、ハンガリー語、日本語の歌も歌った。女の子たちは大喜び。

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どうしてトランシルヴァニアで、こんなに人気者になったのかよく分からない。
単に珍しいというだけだろうが。
息子の外観はどう見ても東洋人なので、目を引くらしい。
こんな風に遊んでもらえると、東洋人で得したと思うが、もちろん良いことばかりではない。これから先、この特徴を有利に生かすか、不利に生かすかは息子しだいである。

昔ルーマニアで知り合った、ルーマニア人と日本人のハーフの少女は、自分が半分であるように感じていたらしい。どちらでも完全でない・・・と。考えようによっては得でもあり、損でもある。本人の心の持ちようである。
私がここで外国人であることもそうである。どう生かすかは自分しだい。

ある女の子と話していたら、ルーマニア人とハンガリー人のハーフであるらしい。
ここトランシルヴァニアでは珍しくもないことだ。
「どちらの言葉が難しい?」と聞けば、「家ではどちらの言葉も使うから、同じよ。」と答えた。学校ではルーマニア人のクラスに通い、こうしてハンガリー人のいとこたちと遊んでいる。
言葉ができればそれだけ、関わっていく人の和も広がり、別の文化を学ぶことができる。生まれながらにして、二つの言葉を操るなんて、やはり私のように辞書片手に苦労して習得した者からするとうらやましいに尽きる。

女の子たちの興味は息子から私に移ったようで、次々に質問攻めにしてきた。
「日本はどんなところ?」
「中国人と日本人はどう違うの?」
「日本語で~~はどう言うの?」
など挙げればきりがないくらい。

時間を見るともう8時。
それでもまだ明るいので、つい時間を忘れてしまう。
何時まで外で遊んで、いつ夕食をとるのかと聞けば「8時ごろまで遊んで、夜ご飯はだいたい9時。」という。なんて自由なことだ。私には日が長すぎて、疲れてしまうのに。
日本では夏でも7時には暗くなると言えば、驚く。

「バラージュちゃんがキスをした!」と女の子がはしゃぐので見ると、
息子はヨーロッパ風の挨拶を教えてもらっていた。
恥ずかしがりやだが、まんざら悪い気もしないらしい。

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もう遅いので息子を引っ張って公園を後にする。
女の子が、「明日もいっしょに遊ぼう、ってどういうの?」と聞くので教えると、
息子に向かって一斉に「明日もいっしょに遊ぼう!」と叫んだ。

元気な女の子たちと別れて、息子も「優しいお姉ちゃんだったね。」と嬉しそう。
私も新しい知り合いが増えて、息子のためにも良かった思った。
これから、長い長い夏休みが始まる。


























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Theme:海外の子育て
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comments(4)|trackback(0)|ルーマニアの育児|2008-06-15_18:44|page top

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女の子に囲まれて、ハーレム状態だね!バラージュくん、楽しそう☆
step by step 、興味深いです。ヨーロッパにはいろいろな教育方法があるみたいだね。以前ウルルンでドイツの森の学校というのをやってたけど、自由な感じで楽しそうだった。
長い夏休み、トランシルヴァニアの自然の中で元気いっぱい遊んでください♪
さっちゃん、ありがとう!
お久しぶり。
お元気ですか?

毎日、遊んでばかりです。
早くまじめに仕事しないと・・・。

子育ては、子供の頃に戻れるのでいいよ。いろいろと忘れていたものを取り戻せる気がします。
・・・なーんて、まだまともな大人になってもいないのにね。

ドイツの森の学校興味あります。
そんな面白い教育について、Hpを見つけたら教えてくださいね。


昨日は私のブログに来ていただいてありがとうございました。トランシルバニア在住の方からコメント頂けるなんて感激です。ブログやってて良かったな~と思いました♪雑貨屋さんのオーナーさんだからかな、何だかファッション雑誌のエッセイを読んでいる気分になりました^^


モンテッソーリ教育、やはりそちらでも熱心な方がいるんですね。知れば知るほど、いい教育法だな~と感じています。日本では早期教育の1つとして捉えられがちですが、アメリカでは人間教育として知られているような印象を受けます。

息子さんはたくさんの知らない子達に囲まれても物怖じせず、一緒に楽しめるんですね。自分を「半分」と取るか「ダブル」と取るかは育て方次第だと思います。

また遊びに来ますね♪
ゆりさん、わざわざ見に来ていただいてありがとうございます。
こちらこそ素敵なコメントをいただいて、光栄です!

同じ多言語教育をするものとして、ゆりさんのモンテッソー利教育のブログは、大変興味深く読ませていただきました。

私は教育熱心でなく、恥ずかしい思いでした・・
でも息子には、「半分」ではなく「ダブル」として育ってほしいと思っています。いずれ自分の育った環境をありがたいと思ってくれたら、親としてはこの上ない喜びですよね。

子育てに関して、これからもいろいろ教えてくださいね。