トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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6月の森でお散歩

今朝目覚めると、窓の外には久しぶりに青空が出ていた。
トランシルヴァニアには梅雨はないが、最近は夕立のように突然に雨雲が押し寄せては、雷を伴った雨が降ることが多い。
風邪のために、最近はほとんど家に監禁状態であったこともあって、久しぶりに外の空気が吸いたくなった。

昼前に森のほうへ向けて出発。
町のはずれは昔、旦那がここに越してきた頃は、一面のタンポポ畑だったという。
今では高級住宅地になり、森をどんどん遠くへ追いやっているようである。

やっと大きな家が目の前から消え、野原が広がった。
天気はよいので、遠くの村々が見渡せる。

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不意に後ろから何頭かの馬がやってきて、谷間のほうへ向かって降りていった。
もちろん野生の馬ではないが、放牧されているようだ。
こんな風景も、この町では珍しくない。

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谷のほうへ近づくと、小さな赤い果実が目に入った。
野いちごである。
このヘビイチゴに似た小さな野生のイチゴは、見た目はよくないが、その実とても美味しいのだ。
大きさはほんの小指の先くらい。でも満足感は、普通のイチゴ一個分。
あまり赤くなくても、食べると砂糖菓子がすっととけるような甘さが広がって、
さわやかなイチゴの風味が満ちてくる。

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大きさは小さいし、イチゴは下を向いているものなので、見つけるのは意外に難しい。
町の市場に行くと、ジプシーがよく野いちごを売っているが、あの紙コップ一杯分を採るのにはどれだけ大変なことか・・・

野いちご摘みに夢中になっていると、上のほうで声がする。
「俺の牛を見なかったか?」と聞いているのは、以前ここでであったことのあるおじさんだ。
私たちは馬しか見なかったと答えた。

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どうやら酔っ払っているようで、何を話しているのかさっぱりわからない。
自分には5人目の妻がいて、子供が10人・・・などぶつぶつと話している。
すると「俺は、10人のルーマニア人をも恐れない。」と胸から小さなナイフを取り出した。
私は何が始まるのかと、目を見開いた。
・・・が、何てことはない。胸の前でゆっくりとナイフを回して、すぐに収めた。

おじさんから解放されると、私たちは再び森のほうへと歩を進めた。
「最近雨が降ったので、きのこが見つかるかもしれない。」と旦那。
ちゃんと袋も持参してきた。

森の入り口はこんな風。

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ここでも息子は花を見つけては、摘んでいる。
春の花とは違い、初夏の花の色はだんだんと濃くなっている。
紫と黄色のヴィヴィッドな配色のお花も。

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日本とは違って、ヨーロッパの森は明るい。
細く長く伸びた木には、葉っぱの数もすくないから、木漏れ日が心地よく漏れてくる。
湿気もないので、影にいると半そででは肌寒く感じるほどである。

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6月の森には、困ったことに水たまりが多いのである。
気をつけないと、靴も泥だらけになってしまう。
すると、息子の姿が消えた。

後ろのほうで座り込んで、水たまりをじっと窺っている。
それもそのはず、中には小さなカエルたちがいっぱいだからだ。
私たちもカエルを一緒に観察。

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このカエルたち、水の中に浮かんで動かない。
泳ぐのを忘れしまったかのようだ。

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息子は「カエルを捕まえて!」と駄々をこねる。
仕方なくひとつ渡すと、大切に手の中にしまった。

さらに緑のトンネルを進む。
しかしなかなか、きのこにはお目にかかれない。
・・・と思っていると、旦那の目がきのこの姿を察知。
横道へ一人それてゆく。

まさに今生えてきました、といわんばかり。
落ち葉の中から顔を出しているきのこたち。

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「これ、赤いけれど大丈夫?」と不安になるが、
確かなのは味をみること。
口に入れて、しびれる感じがしなければよいキノコということらしい。
生のまま、キノコを口に入れるなんて恐ろしいから、この役はいつも彼である。

緑と茶色の世界の森の中では、キノコはまるでお花のよう。
森の色彩に華やかさを添えている。
こんなキノコも発見。

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大丈夫。これは採っていません。毒キノコです。
結局キノコはあまり見つからなかった。
残念。また次の機会に。

森の中で、シーツをしいて休憩。
気をつけなければいけないのは、山ダニの存在である。
森に入るときには、長ズボンをはき、靴下の中にすそを入れておく。
山ダニにかまれたら、ヘタをすると病院にいって注射をもらわなければならない。
病気に感染しないためである。

子供が小さい時に、自然と触れ合う機会をできるだけ多く持ちたいものだ。
日常生活の中で忘れていた小さな生き物、機械の音のない生活・・・いろいろなことに気がつくからだ。

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Theme:東欧
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comments(4)|trackback(0)|自然、動物|2008-06-20_04:16|page top

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非公開コメント

いつも思っているのですが、tulipanさんは文章がとても上手ですよね!
何ていうか情景描写が細かいというか、本当にその風景が目の前に広がってきて、仕事中ちょっと疲れたなあという時に読むとホッとします(笑)
文章を書くお仕事とかされているのかなあと思ってしまいました。

そちらの森は本当に明るくて爽やかそうですね。
私が日本で森に行った時のことを思い出すと木々がうっそうと茂っていて、いつも怖いという気持ちがどこかにあったように思います。。。
うれしいお言葉、ありがとうございます。
私こそ、サヤさんのような方からコメントをいただくと、励まされます。
一番初めにブログを書いたときは(三ヶ月前ですが)、しばらく何を書いてよいのか分からず、手が止まったままでした。
文章を書くには、きっと慣れだと思います。習慣とでも言うのでしょうか。
・・・でもお言葉ありがとうございますv-238

ヨーロッパの森は本当に癒されますよ。悪いこともすべてすっかり洗い流してくれるようです。
ぜひ、サヤさんも遊びにいらしてくださいね。大歓迎です。
いつかトランシルバニアに
ほんとに遊びに行きたいと思っています!!

もしトランシルバニアに行ったら、ジプシーが踊っているところを間近で見て、刺しゅうに蚤の市に教会に…と色々想像がふくらみますが、それまではtulipanさんのブログで行ったつもりでガマンします…(涙)
そうですか・・・
行った気分になっていただけて、よかったです。

サヤさんが来られる日までに、私もジプシー情報をたくさん集めておきますね!
いっしょに村を見て回りましょう!