トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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トランシルヴァニア、4月の森


春の奇跡を最もよく感じることができるのは、森の中である。
トランシルヴァニア地方の自然は、
この春の一か月の間でドラマティックな変化をむかえる。

半年もの間、眠っていたかのように見えた
森の木々や無数の植物、生き物がいっせいに目を覚ます。
大地に耳をすませば、あふれんばかりの生命のエネルギーを感じることができる。

  tavaszierdo (22) 

まだ裸のままの木々の下では、
これまでになく春の太陽が降りそそぐ。
その恵みを浴びて、枯れ葉の大地を覆い尽くすように
野生の花がひらいていく。


tavaszierdo (2) 

春一番に咲く花は、色も形も繊細で可憐である。
真っ白なイチリンソウや紫と緑の入り交ざったクリスマスローズ、
ハンガリー語で「星の花」と呼ばれる透き通るような青のシラー、
やさしい黄色のプリムラ・・・。


tavaszierdo (4) 

時に落ち葉を押し上げ、時にはその固い葉を突き破って、
太陽の光めざして体を伸ばしていくその姿は力強い。


tavaszierdo (5) 

春の時間はせわしく、過ぎていく。
目を凝らして見ないと、あっという間に自然はその姿を変えてしまう。


tavaszierdo (6) 

こんなにも色鮮やかで、美しい森の花々の寿命は悲しいほど短い。
やがて木々が目を吹き、葉を茂らせると
太陽の恵みは遮られてしまうのだ。


tavaszierdo (8) 

生命力に満ち満ちた春の森の中は、
無数の鳥たちが愛のうたを歌っている。
あたたかな太陽の光の下、美しい花々を愛で、極上の音楽を聴いて、
身も心も生まれ変わったように清々しい。


tavaszierdo (9) 

春の奇跡がここにも、あそこにも。


tavaszierdo (14)



気がつけば、森の木々は若草色の服をまとっていた。
雲ひとつない青空の下、牛たちが草を食んでいる。
町のはずれには、もう大自然が待ち受けている。


tavaszierdo (21) 

旦那がタンポポを摘んで面白いものを見せてくれた。
花を取った茎をいくつかに裂いて、口の中に入れ、
「パ―ピカ、パ―ピカ、丸くなれ。」
と繰り返すと、不思議なことに茎の先が花のように丸くなる。
娘は目を丸くして歓び、
タンポポの茎をくわえて、おまじないのように唱えていた。


tavaszierdo (20) 

谷間にある小川に沿った小道は、人ばかりでなく牛や羊たちも通る。
この道が森につづいている。


tavaszierdo (15)


真っ白に雪をかぶったようなヤマナシの大木。
その立ち姿は、幽玄な美しさ。


tavaszierdo (19) 


森の入り口に来ると、
汗ばんだ体もひんやりと涼しくなる。
夏の期間、この森は町の人々のオアシスになる。


tavaszierdo (17) 

森の中は、芽生えたばかりの若草色がまぶしい。
森の妖精のような可憐な花々は、もう姿を消してしまっていた。


tavaszierdo (18) 

山の中の凸凹道は、深い谷底に沿っている。
足を取られないように気を付けながら、手をつなぎ歩いていこう。


tavaszierdo (1) 

森の中の湧水でのどの渇きを潤したあと、
森の中の新緑を眺めながら、腰を下ろす。
つやつやと輝く葉は、春のそよ風に吹かれて、
蝶の羽根のようにひらひらとひらめかす。
 

tavaszierdo (11) 

緑がこんなに明るい色だと初めて気が付いた。
そして、その緑が春のあたたかな空気とともに心に沁みていく。
しばらく、その景色を心ゆくまで眺めたあと、
やりかけの刺しゅうを出して縫いはじめた。
極上の時間がゆったりと流れていく。 
時が止まってほしいと思うような、春の一日だった。


tavaszierdo.jpg 



 
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comments(2)|trackback(0)|自然、動物|2018-05-06_14:32|page top

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No title
新緑の眩しさがいっぱい伝わります。 日本より少し遅く
迎える春でしょうか。
木々だけでなく、地面を見れば踏みそうな小さな花や葉が
めいっぱい春を愛でていますね。
それを見逃さず、素早くキャッチして子供たちを連れ出す
聖子さんご一家はとても素敵です。
Re: No title
霧のまちさん、どうもありがとうございます。
この季節の森の中は、ほんとうに素晴らしいです。
長い冬を我慢して待っただけあり、
輝くような新緑と、色とりどりの花、
この太陽の光とすべてが珍しく、貴重です。
日本と比べると春が短く、
あっという間に夏に移行してしまいます。