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トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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セークの夏休み

7月の半ば、抜けるような青空を背に、 
太陽の光をいっぱいに集めたように黄色く輝くヒマワリ畑を目印にして、
私たちは1週間の夏休みを過ごすためにセークを目指した。
    szekinyar (1) 
セーケイ地方から車で約5時間ほどかかって、
村に着いたのは夕暮れ時だった。
さっそく芝生で5つ葉のクローバーを集めるのに夢中になったり、
目の前にある公園で村の子どもたちと知り合いになったりして、
セークでの日々がはじまった。

szekinyar.jpg 
澄んだ目をした少年が、さっと家に帰って、
たくさんの花の混ざった束を手にプレゼントをしてくれる。
朝目が覚めると、家主のおじさんがちぎりたてのキュウリを袋一杯おいてくれたのを
見つけて、まるでサンタクロースのプレゼントのように喜んだ。
名も知らない近所のおじいさんが、夏の青りんごを手に抱えきれないほど持ってきてくれた。

szekinyar (9) 
水道もないので、水は通りの向こうから共同井戸で汲んで運ぶ。
ガスがないので、薪で料理をする。
洗濯機もないので、洋服はぜんぶ手洗いをする。
そんな不便さも感じさせないほど、村の生活は充実していた。

慣れない生活で、心の支えとなったのはエルジおばさん夫妻の存在だった。
いつでも温かく迎えてくれ、こちらが気を遣わないように自然に手を差し伸べてくれる。
「家で料理していきなさい。」とほとんどおばさんに教わりながら、
スープを作って我が家に運んだ。

おばさんは夏も冬も、手仕事で忙しい。
機織りのための糸を大きな筒に巻く。

szekinyar (8) 
夏でも涼しい納屋はおばさんのアトリエ。
いつも機織りをする音が、トントンと心地よく響いてくる。

szekinyar (7) 
おばさんの仕事の邪魔にならないようにと腰を下ろして、仕事の風景を眺める。
日銭を稼ぎに町へでるおばさんたちも多いのだが、
たとえ割には合わなくても、エルジおばさんは村に残る道を選んだ。
村の空気が、昔からつづけた手仕事が好きでたまらないのだ。

szekinyar (6) 
マルトンおじさんは朝早くから暑い中、毎日畑仕事をする。
その合間に、おばさんの手伝いも欠かせない。
慣れた手つきで糸を巻くのに感心していると、
「うちの兄妹は男ばかりで、妹が生まれたのは15年たってからだったから、
よく母親の手伝いをしていたんだ。兄妹の世話をしたり、母親の手仕事の手伝いもしていたよ。」

szekinyar (5) 
カラカラという音とともに、小さく切った葦の筒に赤と白の糸が巻かれていく。
機織りは織ることもさることながら、
下準備に大変手間暇がかかる。
あの美しい布は、おじいさんとおばあさんの仕事の結晶でもある。

szekinyar (4) 
セークの村は、60年代半ばにはじめて電気が引かれ、
アスファルトができたのもそう昔ではない。
閉ざされていた村が外へ開かれるとともに、
人びとの生活も価値観も大きく変わってしまった。
それでも、変わらない何かを頑なに信じる人がいる。
私たちはそういう人々に引力を感じて、ここに導かれたに違いない。

szekinyar (2)

家主のひとり、エルジおばさんはお針子さん。
結婚式のためのベストを作る様子を、見せてくれた。

 szekinyar (3)

日曜日は、礼拝が2度ある。
ちょうど帰りのおばさんたちを呼び止めた。
セークの民は、落ち着いた色を好む。
白と黒の厳かな衣装が美しい。

szekinyar (12) 
大きな村だが、新しい住人がきたのを村人たちも耳にしているようだ。
これからどんな出会いがあるか楽しみだ。

szekinyar (11) 
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comments(2)|trackback(0)|セーク村|2018-08-10_01:41|page top

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No title
夏休みはセークのあの家で、なんですね。
古い町並みのなんとなく懐かしいようなたたずまいが素敵です。
黒地に赤い模様の家具?はなんですか?とても可愛いですね~。
近い将来にはここに引っ越して来られるんでしょうか?
Re: No title
霧のまちさん、
夏休みはセーケイ地方とセークを行ったり来たりです。
まだ将来どうなるか分かりませんが、
居心地がよければ下ふたりが小さい内は、
1、2年ここで暮らすのもいいかなとも考えています。
ここを拠点に北西トランシルヴァニアを時間をかけて周ることができそうです。
黒地に赤い模様の家具は、セーク特有の絵付けです。
シックな色使いは、日本人の私たちにもしっくりときますね。