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トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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セーク村の結婚式(前)

秋の風が吹きはじめた、9月のはじめ。
再びセーク村へ夜行列車の乗り、やってきた。
家族で過ごした夏の思い出が鮮やかによみがえってくるが、
ひとりでいるのが不思議な気持ちだ。

今回の目的は、結婚式を見ること。
昨年夏にもあったのだが、うっかり日時を忘れてしまい、心残りで仕方なかった。
伝統的な結婚式は、もう村でもする人が少なくなったと言われている。


szeki lakodalom (5)


結婚式の準備は3日前から行われていた。
今回は、前日との2日間のみ。
飾り付けに使われるのは、このローズマリー。


 szeki lakodalom (13)


花嫁宅にて、辺り一面にさわやかなハーブの香りが漂う。
結婚式で花嫁が身に着ける冠と
花婿が帽子に飾る帽子飾りは、
すべて生きた植物、ローズマリーで作られるのだ。


szeki lakodalom (12) 

ローズマリーの冠(パールタ)は女性が、
ローズマリーの帽子飾りは男性が作るのが習わし。
普通は冠は花嫁宅で、帽子飾りは花婿宅で作られるのだが、
今回は花嫁だけがセーク出身なので、同じ場所で作業する。
結婚式その日のために一日がかりで作られる、贅沢な装飾品である。


szeki lakodalom (14)


冠をもつ役と縫う役がいる。
ジュジャおばさんは、いつも結婚式で呼ばれる冠作りの名人。
服を縫うかのように、二列のローズマリーを黒糸で縫い合わせ、
やがて縁の飾りを付けてから赤い布で内側を包み、
やがて赤いリボンでできたバラをつける。


 szeki lakodalom (7)


美しいローズマリーの冠の出来上がり。
日持ちがしないため、結婚式のあるごとに作られてきた。
手はかかるが、そのために技術が継承されてきたのである。


szeki lakodalom (1)


一方、こちらではローズマリーの帽子飾り(ボクレータ)が作られている。
針や糸は一切使わず、ローズマリーのちいさな束を針金に差し込み、
きれいに剪定していく。
やがて、クジャクが大きく羽根を広げたような扇型ができあがる。


szeki lakodalom (8)

 
赤いリボンでできたバラと、
蝋でできたカラフルなバラの花を添えて、
さらに三つの鏡を取り付ける。
仕上げに「金の煙」と呼ばれる、金色のアルミ紙を丁寧に飾り付ける。


szeki lakodalom (9) 

華やかな花婿のボクレータ(帽子飾り)。


szeki lakodalom (10) 

清潔の部屋では、明日の結婚式に備えて、
衣装を取り出しているところだった。
紙のように固く糊付けされたブラウスの袖をほぐしている。


szeki lakodalom (11) 

家族と親戚、親しい友人たちが総出となって作りあげる結婚式。
明日はいよいよ結婚式がはじまる。


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comments(2)|trackback(0)|セーク村|2018-09-30_23:25|page top

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No title
生のローズマリーで作られる冠たち、手が込んでいて素晴らしいです。
おじさんがマイナスドライバーで糊付けしてるのが可笑しいですね。
伝統的な結婚式の様子が見たいと思っていましたので
今回とてもラッキーです。
後編を楽しみにしていますね。
Re: No title
霧のまちさん、どうもありがとうございます。
私にとっても結婚式は念願だったので、
忘れられない思い出になりました。
>おじさんがマイナスドライバーで糊付けしてるのが可笑しいですね。
よく気が付かれましたね。
ルーマニアのお年寄りは皆、工夫することになれていますので、
どんなものでも多用途で使えるんです。
この日は、ボクレータが花婿のものの他に8個も作られました。
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