FC2ブログ

トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

カテゴリー

FC2カウンター

カレンダー(月別)

02 ≪│2019/03│≫ 04
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

これまで書いた記事は・・・

全タイトルを表示

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Feed Me!

トランシルヴァニアへの扉  - Erdely kapuja-のRSSフィード

ブログ翻訳

貝戸さん一家

1月になり、待ちに待ったお客様がやってきた。
貝戸さん一家だ。
「最後にここに来たのは、8年も前なんです。」
そう言われて、意外に思われたのは、
私たちが毎年のように日本で会っていたからだろう。

当時、14歳の長男は幼稚園生だったし、
その頃はまだご夫妻にも子どもはいなかった。
1年ほどルーマニアに滞在をして、
それから日本へ帰り、やがて可愛い子どもさんたちが誕生して、
親子で数ヶ月をルーマニアで過ごすためにやって来られた。

日本では住まいを美しく、嗜好を凝らして丁寧な生活をされるお二人。
ルーマニアでもどこかの村で美しい家を探されるのだろうと思っていた。
そして、去年の夏に見初めた家のことをふと思い出し、
シク村の住まいを勧めてみたところ、喜んで借りたいとの返事がきた。
私たちもこの夏に何度か家族で村での生活を試みた。
しかし、今回の滞在は冬となるので、
夏場のようには生活が楽ではない。
深く考えずに勧めてみたものの、
生活に苦労されないのだろうかと気が掛かりだった。
村のほとんどの家は、街と変わらない快適な住まいであるのに対し、
その古民家にはガスや水道がない。
暖をとるのも、ひとつの薪ストーブだけである。
私たちもまだ冬の古民家の暮らしは未経験なので、
どれだけ寒さが防げるかわからない。

村の生活は確かに大変だけれど、
薪を割ったり、水を井戸で汲んだり、
日本ではできない生活ができて感謝しているとメールにあった。

一家が村に到着したのは、ちょうどクリスマスの頃。
旅行が好きな一家はすぐにマラムレシュへ出かけ、
クリスマスの夜にレストランを探そうとしたものの見つからず、
駅で尋ねた二人のおばさんがそれぞれクリスマスのご馳走をかかえて来てくれたという。
また、マラムレシュからの帰りはお正月で、村へのバスがなかったため、
タクシーを見つけてお願いしたら、
遠く離れているのにもかかわらず、運転手はお金を受け取らなかったとも話していた。

10年以上暮らしている私ですら、
本当にそんなことがあるのだろうかと感心するような奇跡のような出来事が
彼ら一家には起こってしまうのだ。
現地の言葉は流暢でないのに、
人々とどこか通じ合う力を持っているのだろう。

シギショアラを旅して、セーケイ地方の我が家に一家が到着すると、
4人の子どもが何倍にも膨れ上がったかのように、元気いっぱいに遊びはじめる。
特に、幼稚園に行けずにいた次男は日本のお客様に大喜びをした。

町外れのいつものソリ場へと出かけた。



huyu2019.jpg 
真っ白な雪が溶けてしまわないようにと願っていたら、
一家が来る日まで残っていてくれた。
ソリは人数が多ければ多いほど楽しい。

huyu20191.jpg

この美しい丘の風景が、トランシルヴァニアの日常をいかに豊かにしてくれたか計り知れない。
春には真っ赤な野いちご、夏には香り立つタイムの花を摘み、
秋にはローズヒップが実り、冬には白い雪で覆われる。

huyu20192.jpg 
急斜面の坂は、ソリ遊びに打って付け。
雪が降ったあとの週末には、親子や祖父母など大家族でソリに繰り出す姿も見られる。
すでに土色の大地がまだらに姿を現し、
雪まみれと泥んこになりながら、お腹いっぱい遊んだ。

huyu20193.jpg 
翌日は、炭酸水通りの古民家へ散歩がてら出かけた。
家でお絵描きをしていたら、
長男のガックンが日の丸を描いて、日本の国旗を作った。
それを娘も真似をして、それぞれ4人に旗ができた。
「ヤパーン、バール!ヤパーン、バール!」
ガックンが叫びはじめると、皆が続いて掛け声を上げた。
「あなた、日本人?」とよく言われるから、
それを覚えたのかなと思っていたら、
「僕は日本人だ。僕は日本人だ。」と言いたいのだとわかった。
大人3人+ちびっこ4人の日本人の群れに、
この町の人たちはさぞ驚いたに違いない。


huyu20195.jpg

ちいさな橋を渡って、
町で一番古い城塞教会が見えてくる。
この教会のそばに、古民家がある。
「みーちゃん、元気になってよかったね。」
「みーちゃん、可愛いね。」
とやさしく接してくれる貝戸さん夫妻、
そしてふたりの楽しいお友達に囲まれて、
子どもたちも私たちも楽しくあっという間の二日間だった。

 huyu20194.jpg

三日目の早朝、
町がまだ寝静まっている頃、
貝戸さん一家はブルガリアへ向けて旅立っていった。
スポンサーサイト
comments(0)|trackback(0)|セーケイ地方の村|2019-02-19_00:00|page top

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

コメントの投稿

非公開コメント