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トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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巡礼の帰り道

私たちが巡礼の後、町はずれの駐車場に着いたのは日暮れ時だった。
今日は、何キロと歩いただろう。
足もくたくただった。
時間も、夜9時が過ぎていた。

旦那が車に乗って、気が付いた。
「そういえば、ガソリンを入れないといけなかったんだ。」
先ほど近くのスーパーで買い物をしたばかりで、
最後のお金も使い果たしていた。
このガソリンでどこまで行けるだろう、と不安に駆られながらも
車を走らせた。

旦那が思いついたように言った。
「そうだ。もしヒッチハイクで町まで行く人がいたら、乗せてあげて
お金を借りたらいい。」
こんな夕暮れ時に誰がヒッチハイクをするのだろう。

「そうだ。次の町で降りて、車を置いて電車で帰ろう。」
そんな馬鹿な提案をした私だったが、あいにくお財布の中は空だった。

ハルギタ県の最後の村に差し掛かったとき、ガソリン不足のランプがついた。
いよいよ不安が募り、姑と長年連れ添ったラツィおじさんに電話した。
車がどこまで行けるかわからないが、もし車が止まりそうになったら
ガソリンを持って迎えに来てほしいと。
そして県境のトゥシュナードの町に着いたとき、
ガソリンスタンドを見つけた。
「そうだ、ここまでおじさんに来てもらって、
お金を借りてガソリンを入れたらいい。」
そう決定して電話を入れた。

ガソリンスタンドがそばなので、安心して
湧水を汲みにいくことにした。
スタンドの前の坂を下ると、駅だった。
ここはセーケイ地方きっての保養地として知られている。
森に囲まれた小さな町には、
温泉や湧水(炭酸水のものもある)がいくつもある。
寂しい駅の前でビデオカメラなどを構えて、人が群がっている。
その先は、ごみ箱しかない。
旦那が車を降りて、湧水の場所を尋ねていると、
ほとんどが英語しか話さない外国人だった。
そして、どうやらそのカメラでクマを待っているらしいことがわかった。
「クマは夜10時になったら来る。」と自信満々でその人は答えたという。

湧水を汲んで、まだクマを待っている人たちの前を通り過ぎ、
ガソリンスタンドに戻った。
トイレのためにお店に入ろうとドアを開けようとしたら、開かない。
中の店員さんが、もう今日は閉店だと身振り手振りで示した。
ラツィおじさんは、もうそろそろここに到着するだろう。
当てにしていたスタンドは休み。
それではと、思いついた最後の手段は、
私と眠っている娘だけラツィおじさんの車に移動、
旦那は朝まで車で休み、
翌日スタンドが空いてから給油して家に帰るということ。

やがて、救世主のラツィおじさんが車で到着した。
おじさんがガソリンの状況を尋ねて、何やら話した後、
旦那がこのまま行けるところまで行こうとエンジンをかけた。
ラツィおじさんによると、給油のランプが点灯して60キロは走れるという。
「本当に?」と疑心暗鬼ではあったが、
おじさんの言葉を信じて車を走らせる。
そして、奇跡的にランプは点滅しないまま、
町の外れまで到着したのだ。

おじさんに感謝の言葉をかけて、
給油のためのお金を借りてガソリンを入れた後、
無事に家族そろって帰宅することができた。















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comments(0)|trackback(0)|その他|2019-06-10_16:05|page top

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