FC2ブログ

トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

カテゴリー

FC2カウンター

カレンダー(月別)

11 ≪│2019/12│≫ 01
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

これまで書いた記事は・・・

全タイトルを表示

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Feed Me!

トランシルヴァニアへの扉  - Erdely kapuja-のRSSフィード

ブログ翻訳

シク村チプケ地区の結婚式

結婚式の当日は、あたかも天からの祝福のように
抜けるように真っ青な空が広がっていた。
朝早くから、花嫁宅へと向かう車がひっきりなしに
我が家の家を通りぬけて行った。
目の前の公園には、美しく着飾った兄妹の姿があった。

szeki lakodalom (24)

花嫁行列を今か今かと待ちわびる、ご近所さんたち。
元家主だったロージおばさんの姿も見える。

szeki lakodalom (9)

カロタセグから友人一家も遊びに来ていた。
シク村の男性よろしく麦わら帽をかぶった男の子たち。

szeki lakodalom

町の出身の花婿や親類一同は、
車で村へやってきて、村の中心の教会の方から行列がはじまると耳にした。
かなたの方から、かすかな楽団の音色が聞こえてくるような気がした。
花婿行列の集団が小さく現れ、
見とれているうちにだんだんと近づいてきた。

szeki lakodalom (25)

白いブラウスに黒いベストとスカート、
誰もが長く腰までのばしたお下げに赤いリボンが揺れている。
楽団の音色とリズムに誘われ、
足取りをそろえて歩む艶やかな人の群れ。
葦ののびた石橋を渡って、我が家の前を通り過ぎていく。

szeki lakodalom (26)

ふだんは静かな通りが人の活気で満ちている。
ご近所たちが見守る中を、行列は晴れ晴れしく歩みを進ませ、
花嫁宅に到着した。

szeki lakodalom (27)

ボクレータの飾りをつけたのは、ブーフェイと呼ばれる男性。
昔は花嫁行列の先導者だけで、
それは花嫁花婿の近い友人の内から選ばれていた。
今では、村の美しい晴着を着させたい親心から、
親戚の子どもたちは皆がボクレータを装うという。

szeki lakodalom (29)

行列が花嫁宅へ吸い込まれるように消えていくと、自然と小休憩に入る。
中では行列のもてなしと、花嫁の「手をもらう」、
つまりは求婚の儀式が執り行われる。

やがて昼食の後に、花嫁が登場した。
まるでクジャクの羽根のように鮮やかなローズマリーの冠を頭にのせて、
その姿はまるで王女さまのよう。

szeki lakodalom (38)

2人の先導人、花婿、
花嫁とその付添人が手をつなぎながら歩き、子どもたちがつづく。
この通りを何度となく、幸せな花嫁花婿が歩んでいったのだろう。

szeki lakodalom (34)

カルバン派教会では、神前での結婚の儀式と礼拝が行われていた。
子連れの私たちは、外で待機することにした。

szeki lakodalom (36)

教会の広い庭をかけっこしたり、落ち葉で遊ぶ子どもたち。

szeki lakodalom1

小さな参列者たち。
村の美しい衣装を着させたいとする親心が、
今にまで職人技を続けさせる原動力になっているのだろう。

szeki lakodalom (37)

できたばかりのローズマリーの冠は、
彼らが家に持ち帰ることができる。
結婚の日までにいくつのボクレータが集まるのだろう。

szeki lakodalom (35)



結婚式の翌日の朝、
朝食を取った後、帰りの荷物をまとめていると、
ドアをノックする音が聞こえた。
振りかえる間もなく扉がひらいて、
近所の花嫁さんの母親が皿にいっぱいのったケーキを手にのせて立っていた。
突然のことで驚きふためいていると、
テーブルの上にケーキのお皿が置かれ、
「おすそ分けよ。」とはじめてその顔が微笑んだ。
ピラミッド型に美しくのせられたケーキの山に
子どもたちの目は釘付けとなった。
何名もの女性の手で作られた何種類ものケーキを
ほおばりながら、結婚式の楽しい余韻に浸っていた。



スポンサーサイト



comments(0)|trackback(0)|セーク村|2019-11-15_00:00|page top

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

コメントの投稿

非公開コメント