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トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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白銀の森


3週間の長い冬休み。
冬眠から目覚めたばかりの熊のような気持で、
日常がスタートすると、
その二日後には子供たちの体に異常が現れた。
次男の背中に見られる赤い点・・、
友人からいつか電話で言われたことがすぐに思い立った。

昨年の大晦日前、
友人宅でパーティがあって、
はるばるカロタセグからやってきた友人家族の
子供たちに数日後、水疱瘡の症状が現れたというのだった。
もちろん、その時点では誰も知らなかった。

すぐに幼稚園、学校の先生、かかりつけの医師に連絡をすると、
2週間の休みを言い渡された。
年末に交流した友人の子供たちにも皆、同じ症状が現れていた。

朝から晩まで濃い霧に包まれた、1月の半ば。
霧はいつしか氷となり、
町中に見事な樹氷がみられた。
子供たちが休みとなったその初日、
発疹のほかは特に症状もなく、機嫌もよかったので
森へ散歩に行くことにした。
車に乗りこむころには、運よく空も晴れてきた。

毎日が白い霧ばかりに慣れていた目には、
青空と太陽の光、
それらに照らされる白い森が眩しいほどに鮮やかだった。
  telierdo (7)

まるでデコレーションしたように、真っ白の木々。
いき慣れた場所なのに、目新しくてわくわくと胸が弾む。

telierdo (2)

長く伸びた枝は、まるで砂糖菓子か氷菓子のよう。

telierdo (4)

森の中に入ると、
さらにその興奮が高まり、
芸術作品のように美しい木の枝を観察した。

telierdo (8)

結晶のような繊細な雪の粒。
自然のなす芸術は、魔法のように目をとらえて離さない。

telierdo (5)

太陽の光が差すと、その美しさはさらに輝きを増す。
野生動物は、こんな白い森の中にいたら
身を隠す場所もないだろう。
鏡のように透明で、澄んだ色あい。

telierdo (6)

さらに奥へ奥へと引き込まれていると、
次男が泣きそうな声で「寒い。」と訴えた。
まだ来て、1時間とたっていない。
後ろ髪引かれる思いで、森を何とか抜け出すと、
表は再び霧の世界に戻っていた。
遠くから馬車がやってくる。


telierdo (1)

日常に訪れた幻想的なひと時に酔いしれて帰宅した後、
水疱瘡の子供は外出してはいけないということをはじめて耳にした。
それからも、自宅謹慎状態がつづき
やがて家族旅行の日がやってきた。



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comments(0)|trackback(0)|自然、動物|2020-02-11_21:39|page top

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