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トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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小泉八雲集

7BookCoverChallenge  第5日目
小泉八雲集

小泉八雲、またの名をラフカディオ・ハーンLafcadio Hearnという。
1850年 - 1904年(明治37年)

アイルランド人とギリシャ人の血を受け継ぐ彼が、
新聞記者として日本の地を踏んだのは1890年(明治時代)だった。
侍の娘セツと結婚し、95年に日本人に帰化、
1904年に逝去するまで数多くの著書で日本の文化を幅広く紹介した。
日本語の読み書きはできなかったようで、
すべて口承で怪奇なもの、霊的な話を採集、記録し、彼独自の文学作品へと昇華した。
この本には、「怪談(kwaidan)」に代表される小説だけでなく、
「知られぬ日本の面影(Glimpses of Unfamiliar Japan)」のような文化的考察の論文や
エッセイに近いものまで収録されている。

彼の出会った日本は、モースなどの写真にも見られるような、
江戸時代までの古き良き日本の名残をとどめていた時代だったのだろう。
彼の外部からの、愛情深い眼によって、
西欧化近代化によって失われつつあった日本人の心情、
精神世界の美しさは丁寧に摘み取られ、花ひらく。
その愛情と敬愛のあまり、彼は日本人そのものに同化しようと試みる。
彼のような知識人を当時迎えた日本は幸運だったに違いない、
後に花ひらく日本の文学界にも多大な影響を与えたのは間違いない。

日本人の微笑(the japanese smile)という論文がある。
当時の西欧人に理解がしがたかった日本人のもつ微笑の意味を探りつつ、
日本独特の精神文化を論じている。
あるとき年老いた侍が主人の英国人の怒りに耐えた末に微笑を見せた。
その数日後に切腹をしたという話。
英国夫人の手伝いの女性が、亡くなった夫の骨壺を見せて笑ったという話。

この微笑は、日本人の誇り、奥ゆかしさ、他人に対する敬意様々なものを隠し持っているという。
作品はこう締めくくられている。

「現在、日本の若い世代の人たちがとかく軽蔑しがちな過去の日本を
・・・いつの日かかならず日本が振り返って見るときがあるだろう。
素朴な歓びを受け入れる能力の忘却を、純粋な生の悦びに対する感覚の喪失を、
はるか昔の自然との愛すべき聖なる親しみを、
また、それを映していた今はほろんだ驚きべき芸術を、懐かしむようになるだろう。
・・・おそらく、そのなかでもっとも驚嘆するものは、古い神々の温顔ではなかろうか。
その微笑こそが、かつての日本人の微笑にほかならないからである。」

私が彼の名を知ったのは、単身赴任で松江に一人暮らしをしていた父を訪ねた時だった。
旦那とまだ赤ん坊だった長男を連れて、ラフカディオの愛した松江の町を歩いた。
古風な町のあちこちに、かつて彼の見たであろう、
さまざまな霊や魂、神々の姿が今なお隠れ住んでいるような気がした。

#7days #7bookcovers #7BookCoverChallenge

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