トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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ロシア市場

日曜日に牛乳を買いに行った。
息子は育ち盛りであるから、大切な栄養源だ。

もちろん牛乳はスーパーでも手に入る。
でももっと美味しくて、安いのは牛を飼っている人から直接買うことである。
私たちは散歩がてら、町の向こう側にある民家まで行った。

歩いて30分ほどかかる、オルト川沿いにその家はあった。
川沿いは芝生が続いて、散歩もできる。
牛の放牧も見られるのどかな場所。

私の実家も川沿いにあるが、大淀川の下流のあの広々とした青い流れを思うと、こちらのオルト川は小川といったほうがいいような感じだ。川は濁っていて、コーヒー色である。
私が不満を言うと、旦那はこう返す。
「オルトはここでは上流だからこんなに小さいものの、下流ではドナウ川と合流するんだ。」と。
そんなことはどうでもいい。
海や川に親しんだ私にとって、時に水が恋しくなるときがあるのだ。

牛乳を買ったついでに、その付近の市場に寄ってみる。
ここは「オロス・ピアツ(ロシア市場)」と呼ばれる。
名前の由来は、社会主義時代にロシア(当時ソ連)からいろいろな生活雑貨を運んできて売っていたからだそう。

私も昔来たことがあったが、いろいろな部品が置いてあるだけでそう興味の引かれるものはなかった。このバルカンの雰囲気をブログに書くにはいいかもしれない。
そう思って立ち寄ってみた。

入ってみて、多少びっくりした。
・・・というのは感じが変わっていたからだ。
昔のあのやる気のないような、粗末な建物に物がごちゃごちゃ・・・・という感じから、一変して簡易のアーケードのような造り。そして、置いてある商品は中国商品ばかり。
これは、もうロシアではなく中国市場である。

それでも入り口付近にあったこのブース。
この雑多な感じが面白い。
ルーマニア正教のイコン画に、おみやげ物のようなセーケイの門まである。
「MADE IN  CHINAかもね。」と旦那。この粗末な造り・・・

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このアーケードを通って、どこかで見たようないろいろの商品を見ていると、ブダペストの中国市場を思い出す。あそこは売り手も中国人ばかりだが、こちらはトランシルヴァニアの人である。
ただそれだけの違い。

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どこもここも派手派手で露出の激しい洋服ばかり。
あえて写真には撮らなかった。

つり道具やさんもある。
海はないが、川や湖で釣りをする人は多い。
ラツィおじさんも魚は一切食べないが、釣るのは好きらしい。
(それも当然、あの骨ばかりの魚しかないのだから・・・)

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日本では見ることのない馬の蹄鉄。
横にある細長い釘でつけるそう。
痛くないのだろうか・・・
ちなみにこの蹄鉄、ヨーロッパでは幸運を運ぶといわれていて、家の玄関にぶら下がっているのをよく見かける。

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これは以前、記事に書いた「トランシルヴァニアの不思議なもの」のひとつ。
ひき肉を作る挽き器である。
万歳をしているようでかわいらしい。

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旦那が「ちょっと・・」と声をかけるので見ると、
あれ!巨大な和バサミのようなもの。
これは、ヒツジの毛を刈るハサミだそうだ。
さすがはヒツジ王国、ルーマニア。

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ロシア市場の壁の向こうは、屋外プール。
なんともミスマッチである。
あちらは涼しそうだ。

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このロシア市場の反対側の隣には、VILLAという西欧資本の巨大なスーパーが建っている。
このトランシルヴァニアにも消費社会の流れが、もうすでに押し寄せているのだ。

それでも新しいものと古いものが共存しているところがまた面白い。


その後、こんな風景も。
ゴミをあさっているジプシーの奥さん。
そして、馬車で裸同然で座っている子供たち。
まるでどこか遠くの世界のことのようだ。

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ジプシーなのに、金髪。
不思議である。両親は黒髪なのに・・・
だんなの話によると、差別をされたくない思いからジプシーの夫婦が金髪の男性に子供を産ませてくれるように頼むことがあるという。
なんだか切なくなるような話だ。
それでは、隠し子のある金髪男性も多いということか?
・・・・旦那が金髪でなくてよかった。

ちなみにこの子達は双子ではないらしい。
「可愛い子ですね。」とほめると、奥さんは誇らしげだった。
そしてすかさず「パンを買うものをくれない?」と聞いてくる。
お金をくださいということだ。
「今お金がない。」というと、「ああ、そう。」とさっぱりとしていた。
ジプシーにとって(ガーボル・ジプシーたちは別である)物乞いをすることとは、挨拶代わりである。

以前、息子よりも断然身なりのよい子供が
「お腹がすいているの。パンを買うものをちょうだい。」と聞いてきた。

トランシルヴァニアに残る古いもの、の代表が彼らかもしれない。

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comments(2)|trackback(0)|トランシルヴァニアの町|2008-07-02_06:37|page top

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No title
ジプシーというと
ジョニーデップの「耳に残るは君の歌声」での知識ぐらいしかありませんが、いずれにしても憎むべきは民族差別ですね。
人間ってほんと悲しいですね。
Re: No title
こんなに昔の記事まで読んでいただいて、
ありがとうございます。

ヨーロッパのジプシーは、
ルーマニアにとって根の深い問題です。
はじめはただの民族差別と思っていたのですが、
やはりお互いに言い分があり、
よそ者の私たちにはなかなか理解しづらい、
根深いところだと思います。

一番問題なのは相手に対する無知、
先入観だと思います。
この町のはずれにもジプシー居住区がありますが、
足を踏み入れたことがない人がほとんどです。