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トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニアのフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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カロタセグの編みクロスステッチ

フェリシモ社のハンドメイドカタログ、クチュリエ。
イーラーショシュの本が出た年に初めて声をかけていただき、
イーラーショシュ、ビーズ刺繍のボクレータ、
ネット編み刺繍、ビーズの針金細工、アウトライン刺繍・・・。
さまざまな刺繍の企画、見本づくりの仕事をさせていただいた。
一昨年くらいからお話があった新企画「編みクロスステッチ」、
コンセプトを決めて、図案を起こし、
材料を選び、見本づくりとスムーズに進むはずだったのだが、
コロナ禍のために材料がそろわず、
去年の年明けにすでに図案は決定していたのに、
材料が届いたのは8月に入ってからだった。

日本ールーマニア間の国際便EMSや航空便などがストップしたため、
個人の宅配サービスで荷物が届くはずだった。
それが、厳しいルーマニアの税関で止められ、
7,8種類の書類を提出したり、
翻訳事務所や税関へ行かされ、
こちらの申し分には耳も傾けず、事務的なメールしか送ってこない。
宅配サービス会社に腹を立てつつ、時間が過ぎ、
結局、材料の入った小包は日本へ送り返されてしまった。
とうとう日本の会社が宅配サービス会社の日本支店と
やり取りをして、私の手元に届いたのは8月も半ば頃だった。

ちょうど子供たちとの夏休み、
そのあとは9月の日本の日、そして阪急のイベントと
次から次へと押し寄せるイベントの波にもまれ、
なかなか手が付けられずにいた。
手が空いた時には、もう締め切りまで一か月しかなかった。

お姑さんに助力を頂いて、
それでも週1,2個を完成させるペースで、
10個の編みクロスステッチを作らなければならなかった。
図案によっては比較的簡単なものも、
複雑で分量の多いものもあった。
最後の週になって、お姑さんが4つしかできないことが分かり、
その分を引き受け、
荷物発送の前日には夜なべで刺繍をすることもあった。
完成間際になって、図案の間違いに気が付き、
ほとんどを泣く泣く解かなければならないこともあった。

こうして、端の始末と図案の一部をやり残したまま、
不本意な形ではあったけれど、発送することになった作品。
日本で社員さんに最後の作業をしてもらい、
何人もの手でようやく大きなタペストリーが完成した。

こうして完成した作品を見ていると、
涙ながらに解いた苦労の跡もまったく残さず、
整然とすまして撮影されている。


amikurosu.jpg


編みクロスステッチは、かつてトランシルヴァニア一帯に見られた刺繍。
普通のクロスステッチと違い、ひと手間かかる分、
隙間が空かず、色がより鮮やかに、
そして編み目のような立体感が生まれる。
手間がかかることから20世紀に入っては、
ほとんどの地方で廃れてしまった。
ここでは、カロタセグ地方で60~70年代にかけて
リバイバルした編みクロスステッチの図案。
バラやクジャク、花びんなどの19世紀の終わりの都市の流行と
カロタセグの民俗モチーフが融合したスタイル。
白地に赤と緑は、ハンガリーのトリコロール・カラーである。

毎月ひとつずつ図案が届き、10か月で完成させる大作。
同封されたコラム記事では、カロタセグの春の習慣や
トランシルヴァニア各地の編みクロスステッチに触れることができる。
この春の時期に、どうぞカロタセグの編みクロスステッチをお楽しみください。

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comments(0)|trackback(0)|トランシルヴァニア食文化|2022-03-24_17:53|page top

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