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トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニアのフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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第4回「トランシルヴァニアから伝統刺繍を広めたい!」Onlineワークショップ

2023年の年末から年始にかけて、
しばらくは新しいことが手につかずにいた。
不思議な縁で、無報酬ではあるが新しい仕事がはじまり、
なかなか次のオンラインワークショップの企画が決まらずにいたのだ。
または、昨年末から続いた
長引く風邪による不調も影響していたに違いない。
ただの体の不調だけではなく、気持ちが全く前に向かなかった。

それから、1月の展示会で不思議な縁に引き寄せられ、
バルツァシャーグ地方へと出かけることになった。
ここで衣装職人のおばあさんを訪問することによって、
次回のワークショップのひとつの骨組みが出来上がった。
その日の終わりに、笑顔をたたえておばあさんは言った。
「今日は私の記念日よ。」
誇りとする故郷の刺繍を伝えることの栄誉からか、
生前の舅を知り、こうして出会うことができた縁のためだろうか。

さらに、長年音信不通となっていたカロタセグの伝統刺繍研究家の
おばあさんに連絡を取ってみた。
すでに3回のワークショップを行ったイーラーショシュの講座に、
新しい風を入れたいと思っていたからだ。
「いいえ、電話ではなく、実際に面と顔を合わせて打ち合わせしなければ。」
という彼女にテレビ電話をもちかけ、
そこで長い間話をした。
彼女のこだわり、刺繍にかける思いの強さから、
さまざまな人と衝突することがある。
イーラーショシュの本の制作の際にはお世話になったものの、
お礼に送った著書に対する非難の言葉にひどく傷つき、
進んで会いたいという気持ちが消えてしまったのだった。
それから10年が過ぎた。

イーラーショシュの本場は上地方ではあるけれど、
ここに刺繍をするおばあさんたちの共同体はもう存在しない。
カロタセグでも最後の刺繍コロニーである、
ペトリ村をぜひとも紹介したかった。
なぜなら伝統刺繍は、共同体があっての刺繍であるからだ。

シク村でも愛するエルジおばあさん親子のところを離れ、
刺繍の作り手を記録するという視点から村で一番の作り手を選んだ。
ジュジおばあさんのことは、シク村のご近所さんから聞き、
「村でも刺繍の作り手はいるけれど、
彼女こそが本家という感じがするわ。」と太鼓判をおされていた。
すでに80歳を過ぎたおばあさんの部屋を訪ね、
あらゆることを見聞きして学ぶことができたのは幸いだった。
おばあさんが刺繍する姿を一度見たことがあるが、
その熟練の技に胸が震えた。
大きな板のような枠を上下する針、
中でもせわしく動く左手の見事な手さばきに舌を巻いた。
2月になり、おばあさんの電話をご近所さんから聞き出し、
恐る恐る尋ねてみたのだが、よき返事をもらうことができた。

現地から生中継で行う、オンラインワークショップ。
頻繁すぎるのではという意見もあったけれど、
時は待ってはくれない。
この職人おばあさんたちは年を取り、
あと何年という時間の保証が全くできない状況にある。
鉄は熱いうちに打てという言葉があるように、
最後のこの世代の職人さんが現存する、
この機会を逃してはいけないと私のうちの何かがささやいている。

募集終了の日が近づいている。
イーラーショシュ以外のワークショップは、まだ最低人数が集まっていない状況だ。
春の美しいトランシルヴァニアで、
刺繍に情熱を注いできたおばあさんたちとともに
刺繍の楽しさ、素晴らしさを伝えたい。
その気持ちが実を結ぶことを切に願っている。



第4回「トランシルヴァニアから伝統刺繍を広めたい!」Onlineワークショップ

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フォークロアの宝庫であるトランシルヴァニア地方。
現地では手仕事の担い手が高齢化し、その存続が危ぶまれています。
このコロナ危機の中、お年寄りのおばあさんたちは 人々との交流の機会も失われている現状ですが、
現地のおばあさんたちを元気にしつつ、 私たちも手仕事のメッセージを受け取り、
お互いを活気づけるプロジェクト。

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今回はカロタセグ地方、シク村、バルツァシャーグ地方、 ウドヴァルヘイ地方へと出かけます。
現地に15年在住の伝統手芸研究家が皆さまと 
トランシルヴァニアのおばあさんたちとの橋渡しをして、
皆さまに手仕事の素晴らしさをお伝えます。
こちらの企画も、今回で第4回を迎えることになります。
 IMG_9870.jpg

プロジェクトが成立しましたら、
4月に現地のおばあさんたちから 手仕事のレクチャーをしてもらえる
ワークショップを企画いたします。
お忙しい方でもご参加いただけるよう、日にちもいくつかお選びいただけます。
日本にいながらにして、まるでトランシルヴァニアの村々を旅するような
そんな体験をしていただけます。
さらにワークショップの後にワークショップを編集した映像を、お送りさせていただきます。
たくさんの方々のご応募をお待ちしております。

講習費 2時間2500円 (ご希望の方には、簡易キットとして材料をお届けします。)

申し込み先 FOLK ART Transylvania

*ここから先、タイトルをクリックしていただくと、リンク先へ移行します。

第1日 カロタセグのイーラーショシュ
4月15日(土)午後8時~10時 (現地時間午後2時~4時)

トランシルヴァニア西部、カロタセグに伝わる伝統刺繍イーラーショシュ。
その魅力は、赤や黒、青、白による単色のステッチと、
太いコードのようなラインを生かしたヴァリエーション豊かな図案にあります。
イーラーショシュの本場と呼べる上地方の村から、
イーラーショシュの研究で知られるシンコー・カタリンさんをお迎えします。
今回制作するのは、結婚式に使うロングクロスの伝統図案。
昔ながらの手織布を使い、型を使って実際に図案を描くやり方と、
一本の線にそって刺繍していく伝統的なイーラーショシュのステッチをお教えいたします。

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トランシルヴァニア西部、山のふもとにひっそりとたたずむシク村。
ハンガリーでは言わずとも知れたフォークロアの宝庫。
アコーディオンプリーツの袖がふくらむシャツやブラウス、
黒と赤を基調をするシックな衣装は人々の手によって大切に受け継がれています。
この村に伝わる古い刺繍、アウトライン刺しゅう。
普通は輪郭をえがくアウトラインステッチで、面をびっしりと密に埋めていく刺しゅうです。

今回は村で一番の刺繍職人ジュジおばあさんをお招きして、
職人芸と呼ぶにふさわしい刺繍の技を見せていただきます。
制作するのは、モミの枝、またはロウソクと呼ばれる伝統図案です。
アウトライン刺繍の醍醐味である、ステッチの流れにより、
空白が浮き上がる部分に焦点を当てて、
アウトラインで面の埋め方、線の描き方、網目のようなクロスのステッチをご紹介いたします。

WS8.jpg


第3日 バルツァシャーグのクロスステッチ   
4月22日(土)午後8時~10時 (現地時間午後2時~4時)

バルツァシャーグは、トランシルヴァニア地方の東の果て、
中世から交易の拠点として栄えたブラショフの近くにあります。
ここでは古くからルーマニア人、ハンガリー人、ドイツ系ザクセン人が共存し、
互いに影響しあって、独特の文化が生まれました。

衣装職人でいらっしゃるグドゥリ・アンナおばあさんは、
20世紀はじめで途絶えた伝統衣装の制作を1から始め、
民俗衣装を村に根付かせた方です。
伝統の絵付け家具で彩られた美しい部屋が、ワークショップの舞台となります。
今回制作するのは、カーネーションの伝統図案をあしらった巾着です。
昔、冬の伝統行事で子供たちがお金を入れて持ち歩くのに使っていたものです。
クロスステッチ用布にパステルオレンジ色で刺繍をしていきます。

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第4日 ウドヴァルヘイの刺繍  

カルパチア山脈の国境を守る兵士であったセーケイ人の末裔が暮らす、セーケイ地方。
その中でも、ウドヴァルヘイ地方はハンガリー人が多く暮らす地域として知られています。
1970年代に出版された「ウドヴァルヘイ地方の刺繍」の著者、ゲルゲイ・ギゼッラさんの
お弟子でおられるトードル・ヴィルマさんをお迎えします。
ウドヴァルヘイ地方の刺繍は、チェーンステッチだけと、
アウトライン刺繍に様々な技法を合わせたものとがありますが、
今回は後者のほうをお教えいたします。

制作するのは、鳥の図案の円形パースです。
輪郭の刺し方、空間の埋め方、ななめ格子と、格子の埋め方をお教えいたします。
またヴィルマさんに、ウドヴァルヘイ地方の衣装なども見せていただきます。
 
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谷崎 聖子(たにざき せいこ)
伝統刺繍研究家、民俗衣装コレクター。

大阪外国語大学ハンガリー語科卒業後、
ハンガリー政府奨学生として2002~2004年まで
ハンガリーのブダペスト大学フォークロア学科在籍。
2008年にルーマニア、トランシルヴァニアに移住。
現地の伝統刺繍ならびに民俗衣装を収集し、伝統刺繍の担い手を訪ね、研究をしている。
2012年から定期的に日本、台湾で展示会、刺繍のワークショップを主催している。
トランシルヴァニアの村に暮らす女性たちの手仕事を支援すべく、
展示会などで刺繍の作品を販売している。
クチュリエのイーラーショシュ、ビーズ刺繍、アウトライン刺繍など、
手芸キットの開発にも携わっている。
現地で手芸ツアーの企画、案内人としても活動中。

2021年より現地のおばあさんたちと一緒に本場の刺繍の楽しさを伝える、
「トランシルヴァニアから伝統刺繍を広めたい!」と題した
オンラインワークショップを企画している。


著書 

文化出版局 「トランシルヴァニアの伝統刺繍イーラーショシュ」
   
誠文堂新光社 「カロタセグのきらめく伝統刺繍 受け継がれる、ハンガリー民族のきらびやかな手仕事」
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