トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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ハンガリーのイースター

春の足跡が少しずつ近づいてくるのが感じられるようになったこの頃。気が付くと、イースターという春と切っては切れない関係のイベントが今週末にやってくるという。
以前、ブダペストに留学していたころ、「パプリカ通信」という
在ハン邦人向け雑誌に記事を書いていたので、ちょうどイースターに関するものがあったと思い出した。
その記事を紹介してみたい。

ヨーロッパの春はイースターから。
・・・長い長い冬に別れを告げ、ようやく緑の季節がここ、ハンガリーにも到来します。毎年4月になと市場に並ぶ、たまごやウサギ、ネコヤナギの枝の意味を知っていますか。日本ではほとんど馴染みのないイースターですが、ここで幅広くご紹介しましょう。

イースターとは?
大きく二つの意味合いに分類できる。
一つはキリスト教の復活祭のこと。キリストは、金曜日に十字架に張りつけられて、3日後の日曜日に復活したという。それを祝してキリスト教圏では、クリスマスと並ぶ、主要な行事となっている。
また謝肉祭の後に約50日間、肉食を断ち、この時期にやっと解禁される。ここでは、むしろ春を迎える祭りという意義が大きい。長い冬からの開放と、生命の誕生を祝う風習といえよう。ハンガリー語のHúsvét(Hús=肉)はここからくる。

イースターはいつから始まるか?
3月22日~4月25日の間のいずれか。いつになるかは、毎年変動するが、春分の日〈3月21日〉の後、最初の満月の直後の日曜日に始まるといわれる。〈325年、ニケーア公会議から〉それ以前は、ユダヤ教の過ぎ越しの祭りと同時期にあった。今年は、4月20日にあたる。

イースターの起源
元来、キリスト教以前の春を祝う祭りとして様々な地方で行われていたという。
語源を辿ると、それがよく分かる。例えば、ドイツ語でOster、英語でEasterは、ゲルマン神話の女神オスタラに由来する。また一説には、太陽の昇る方角、東(East)にあるともいわれる。また、ユダヤ教の過ぎ越しの祭りでは、出エジプトを祝って、子羊の血で家の扉をを染めていた。

イースターのシンボル
・たまご・・・永遠なる生命の象徴として最も重要。又はたまごとひよこ。特に赤いたまごは、イエス・キリストの流した血を意味する。東ヨーロッパでは、この時期にたまごを赤く染める習慣が見られる。
・赤い色〈血〉・・・一般に生命を意味する。例えば、古代の墓にも赤い塗料が確認されている。また、冬を悪としてとらえるなら魔よけの色ともいえる。
・火と水・・・ともに清めの意味をもつ。(習慣参照)
・ウサギ・・・ゲルマン神話によると、もともと鳥から姿を変えたもの。
・子羊・・・キリストが子羊として姿を現したことから、キリストの象徴。また、いけにえの動物としても知られる。
・魚・・・肉を断つ期間に許された貴重な食べ物であった。キリストの象徴ともいわれる。
・ネコヤナギ・・・つぼみを持つことから春のシンボル。

イースターの料理
たまごを使う料理から、子羊を焼いたものまでみられる。ご馳走を家族皆で囲むというのは、クリスマスにも似ている。たまごやハム、子羊、カラーチ(菓子パン)など。

ハンガリーにおける風習、卵のいろいろ
この時期の多くの習慣は、たまごに関連する。その中から、いくつかをご紹介しましょう。
・たまごを染め、模様を描くのは、主に女性に限られる。染めは、玉ねぎの皮を使うのがふつうである。その他にも、リンゴの皮から黄色、麦から緑色、レンズ豆からは青い色ができる。その際、お酢をたらすと色が残りやすい。模様をつける場合は、溶かしたろうを針のついた筆でたまごの上に描くのが一般的なやり方である。つまり、ろうで描いた個所が白く残るわけである。主に、幾何学模様にする。
・ハンガリーで最も有名なものは、Locsolás=ロチョラーシュ(水をかけること)である。女性を花にたとえて、男性が水をかけに家を訪ねにゆく。昔はバケツ一杯の水を頭からかけるという、かなり激しいものであったが、今では香水を使うのが普通である。その際、女性は色とりどりのたまごを男性に贈る。お菓子やアルコール類を勧めるのも忘れてはならない。
伝統的には、まず詩を読み、水をかけてよいか尋ねる。例えば、
「私は庭師の若者です。花に水をかけにまわっています。この家で、花が枯れそうになっていると聞きました。水をかけてもよろしいですか。」
・木曜日・・・緑の木曜日ともいわれる。緑色の野菜を食事に使う。ネコヤナギの枝を清め、それに治癒する力が宿るといわれる。
・金曜日・・・キリストの命日。今では、この日だけ肉食を断つ。
・土曜日・・・新しい洋服を着る。または、新しい手袋。
・日曜日・・・復活の日。この日に朝日を見る風習もある。太陽に、キリストの姿を、又は、旗をすかして子羊の姿が確認できるといわれる。
・月曜日・・・ロチョラーシュ、水をかける習慣。
〈この一週間後に、女性がお返しに水をかけに行く習慣があるところも〉

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comments(0)|trackback(0)|文化、習慣|2008-03-20_20:34|page top

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