トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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ドボイでキノコ狩り

今日の仕事は、残りの溝を片付けるだけだから簡単だ。
これが家の基礎になるから、次にはここにセメントを流し込むわけだ。
息子は溝で電車遊びを始め、旦那にしかられる。
(私を除く)三人がかりで溝堀の作業を進めた。

Doboly 2 075


私と息子はのんきに花を摘んだり、大きな土地まで散歩をしたり。
きれいなの野花が咲いていた。
夏に白い花を見ると、涼しげで気持ちがよい。

Doboly 2 076


あちらの土地で木に水をかけていると、
きのうのヒツジの忘れ物か、首にかける鈴が落ちていた。
カラカラと低く心地よい音がする。
私の持っている鈴は小さく、高い音がする。
息子の首に鈴をかけてみた。息子の服は、一度しか着なかった幼稚園の体操着である。

Doboly 2 080


Doboly 2 079


近所のヨーシュカおじさんに鈴を返しに行くと、
「うちのヒツジの鈴の音がするから変だと思った。」と言った。
音で他のヒツジとの区別がつくのだ。

帰ってみると、作業はほとんど終わり。
今日はこの後、キノコ狩りに行くことになっている。
以前おじさんからもらったアンズタケを見つけるのが目的だ。

向かいの家のヤーノシュおじさんも行くというので、
バルニの飼い犬ブンダーシュも伴って森の中へ。
私はクマが怖いので、念のために鈴をリュックに縛り付けた。

薄暗い山道を、木の枝をかき分けながら進む。
かなりの急斜面で、山登りさながら。
しばらく行くと目の前がさっと明るく開けて、緑が目の前に輝く。

Doboly 2 090


もうこんなに高いところまできたのだ。
ドボイの村がはるか下にあった。

Doboly 2 093


森の入り口では、牛たちが木の陰でお休み中。

Doboly 2 098


森に入るとまた景色がまったく変わってしまう。
薄暗く、所々木漏れ日がさすのが幻想的。
去年からそこに横たわる落ち葉を踏みながら進む。

Doboly 2 103


とメンバーが縦横に散ってゆき、おのおのキノコ探しに夢中である。
真っ白なケシェルー・ゴンバ(苦いキノコ)はあちらこちらで見られた。
息子もしっかりと手に握っていた。

Doboly 2 101


上に点々のついたのは、旦那の好物のボルシュ・ゴンバである。

Doboly 2 109


お目当てのアンズタケなかなか姿を見せない。
友人は、「先に行くとヒツジを放しているから危ない。
道をそれていこう。」と話した。
ヒツジの放牧に猟犬がつきもの。
この犬は敵をかみ殺すように仕込まれているので、人間でも危険である。
特に友人の犬は危ない。

私たちは、上の方へと進んで森を横切った。
こんな風に突然、目の前に野原が現れるのが好きだ。

Doboly 2 113


木の木陰に入ってしばらく休む。
男性陣が飲んでいるのはパーリンカである。
自家製のプルーンでできる蒸留酒で、トランシルヴァニア人とは切っても切れない関係である。
アルコール度数は30度~50度ほどで、果実の甘い香りとともに喉が焼けるようだ。

Doboly 2 116


息子はバルニの帽子を拝借。

Doboly 2 115


さて出発。
どこまでも果てしなく続く野原に、木がポツポツと生えている。
トランシルヴァニアの山の典型的な風景。

Doboly 2 119


今度は向こう側の森へと入る。
ここでもキノコを探すが、お目当てはまだまだ。
キノコ探しに夢中で気がつくと、静かな森の中にひとり取り残されてしまった。
やがてカサカサと音がして、ブンダーシュがやってきた。
大丈夫、まだ近くにいるはずだ。
大声で旦那の名を呼ぶと、しばらくして返事もあった。

黒い土色のなかに、ほんのりと黄色いキノコを発見。
アンズタケだ。ただ1個や2個では話にならない。
私たちは合流して、森から出ることにした。

野原を下へ下へと歩く。
「この先が、ドボイが一番美しく見える場所だよ。」とバルニ。
どんな風景が待っているのだろう。
気持ちがはやる。
息子はすでに駆け出してしまった。

やがて姿を現したのは、緑と土色がつぎはぎになって丘の上を泳いでいる。
麦の穂を乾かすために作られた、小さな麦のお城が一列に並ぶ。
まるで精霊か何かが住んでいるようだ。
しばらくこの景色に目を奪われていると、今度は右へそれてドボイの村が目の下にあった。

Doboly 2 133


萌える緑に包まれた村は、森の要塞さながら。
ここからのドボイの見晴らしは最高である。
息子は興奮してか、坂道を一気に走ってゆく。

Doboly 2 138


「気をつけなさいよ!」と叫んだ直後にドスン。
地面に顔を打って、鼻から血を流す息子の顔を拭いてやる。
それでもなかなか泣き止まない。
やがて、息子の腕にテントウムシが止まった。
息子はすぐに泣き止んだ。

村のはずれは、ジプシーの家が多いらしく子供の洗濯物がたくさんぶら下がっていた。
やがて見慣れた大きな井戸が見えた。
私たちの土地ももうそこだ。

結局アンズタケは少しだったが、その他のキノコは買い物袋いっぱいで重いくらいだ。
そして、あの素晴らしい景色が何よりものお土産である。
車に乗り込むと、一日はしゃいだ息子はすぐに眠りについてしまった。

Doboly 2 154



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Theme:東欧
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comments(7)|trackback(0)|セーケイ地方の村|2008-07-07_22:48|page top

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息子さん、いや、たいき君可愛い~♡
幼稚園の体操着を着せてるんだね。
緑が清々しくて心地よいね。
もう一つのブログも読んだんだけど、文章の表現力がプロ並みなところに感動しました♡
なつみちゃん、いつもコメントをありがとう♪お褒めの言葉まで・・・うれしいです。

トランシルヴァニアの森は、本当にすばらしいよ。心から癒されるようです。

ぜひいつか一緒に行きましょうね!

たいきも楽しみに待ってます☆
たいきくーーん!!
この体操服は見覚えあるよ!運動会で着てたね。
たいきくんの体も随分大きくなってるね。近くでその成長を見れないのが残念です><
日本語となるみ一家の事を忘れないでね!!
白いきのこはよく分かりませんが、ご主人の大好物の方はガンタケでしょうかねえ。日本では相当きのこのことをよく分かった人しか食べない種類です。どうやって料理されるんでしょうか。
なるみちゃん!
日本語はちゃんと話しているから大丈夫。なるみちゃんご家族のこともよく話すよ。ちゃんと、おばあちゃんのことも覚えているからね。

もせてさん、ガンタケというんですか。
こちらでは好きな方が多いらしいですよ。私たちは、煮込みにしました。

でもあの苦いキノコ(白いやつ)は、煮込むと毒の味がした・・・と友人が話していました。
こちらは焼いたり、酢の物にしたりするそうです。

羊の鈴をつけたり、お帽子を被った
息子さんの可愛いこと(^^)
ぜっけんの周りの刺繍は、
ママのお手製ですよね?可愛い。

飼い主さんは、ちゃんと鈴の音で
わかるんですね~ 感心します。

きのこの話を聞いて、とっても
食べたくなりますけど、日本では
いつでもどこでもは手に入らないですね。アンズタケ、どんな味なんだろう?苦い味のはご遠慮しますが(^^;

私はプルーンの蒸留酒にも興味ありです。
CARINAさん、ありがとうございます!

あのゼッケンの刺繍にお気づきになるとは、さすがハンドメイドされる方ですね。
去年の秋に初めての運動会があったので、お飾りをしました。娘だったらもっと、腕を振るっていろいろ作るんですけれど・・・。

きのこの世界はおくが深くて、面白いですよ。私もこちらで初めてキノコ狩りをしました。アンズタケは、高級なお肉のような風味があります。フランスでは缶詰にもされるらしいですよ。

プルーンの蒸留酒に惹かれるなんて、お酒通ですね!こちらの人たちと気が合うかもしれませんよ。
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