トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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初夏の収穫祭

村に住むおばあちゃんのところへ向かった。

今日は日曜日。
キリスト教徒にとっては休息の日であるから、基本的には働いてはいけない。
今ではもちろん、日曜日でも開いているスーパーはあるし、
村では夏が働き時であるから仕事をしている人の姿も見かける。
一昔前では、日曜日に仕事をするものは罰せられた時代もあったそうだ。

いつもよりもゆったりとしたペースで時間が流れるのが日曜日。

家の門を開くと、縁側でいすに腰掛け、通りを眺めているおばあちゃんの姿。
息子の姿を見ると、笑顔がこぼれた。

私たちはおばあちゃんに挨拶をすると、
すぐに庭のほうへ向かった。
一週間ごとに見るたびに、植物は違った表情を見せてくれる。

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リンゴはまだ子供の手のひらサイズだが、
かじってみるとちゃんと甘みがある。
風が吹くと、この緑色のリンゴが音を立てて落ちるのだ。
これを集めるとすぐにかご一杯になったので、
家へ持って帰ってジュースにしよう。

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サワーチェリーは今年は不作であったが、
つやつやした真っ赤な玉が木にぶら下がっていた。
サワーチェリーはサクランボに似ているが、どちらかというと肉薄で
水分が多く、甘酸っぱい。
そのままよりも砂糖漬けにしたり、ジャムにしたりする。
魅力的なのはこの色。サクランボよりも赤が深く、ルビーのように輝く。

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旦那が木に登って、ビニール袋にチェリーを一杯にして手渡す。
そんな連携作業で、どうにかボール一杯分にはなった。
しまいにははしごも登場した。

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昔、学生時代にクルージ・ナポカの丘にある果樹園でサクランボ狩りをしたことを
ふと思い出した。
近所の子供たちに連れられて、サクランボの木に登り、摘んではバケツに放り込む。
バケツ一杯で2レイ(当時は100円以下)の低賃金であったが、
木の上から眺めた景色の素晴らしさ、そして木の上で好きなだけサクランボがつまめるという好条件であったので、楽しかった。
もちろんノルマもなし。
帰りには少しばかりのお金と、ビニール袋一杯のサクランボをもらって帰った。

面白いのは、サクランボの木によっても味が違うし、同じ木でも日当たりの具合で味が変わることだ。
言うまでもなく一番美味しいのは、木の頂上付近のものだ。
だが、ほとんどは鳥が先に食べてしまう。

「ママ、これ美味しいよ。」と息子が手渡してくれたのは、
黒スグリだ。
真っ黒くて、一見ブルーベリーのようだが、口に含むと野性っぽい濃厚な味。
少し赤ワインのような風味にも似ている。
一度、この黒スグリで作ったワインを飲んだが、鉄分の多そうな深みのある味だった。
今年も飲むのが楽しみである。

Cofaluva 029


赤いほうは、赤スグリ。
みずみずしい赤色をした可愛い実である。
こちらは水分が多く、クセはないが酸味が強い。
旦那が一度、これをミキサーでつぶしたものに、卵白をあわ立てて砂糖と一緒に混ぜた
メレンゲを作ってくれたが・・・
そのピンク色の可愛いクリームは、甘すぎてとても食べられたものではなかった。

Cofaluva 040


私の大好物はラズベリー。
そのフワフワとした粒を口に含むと、甘い芳香で一杯になる。
この地方の果実でこれほど味、香りともに強い果実はないと思う。
ジャムにしても、ジュースにしても美味しくて病み付きになる。

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ただ問題は、ラズベリーはとげのある茂みに生えること。
庭の中でも、この一帯だけジャングルにでもなったかのようだ。
とげに手をさされながらも茂みの奥に入り込んで、赤い実をちぎる。

すると私の足に激痛が走った。
チハニだ。
この植物は一見分からないが、よく見ると葉や茎に無数の小さなとげを持っている。

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ちょっと触れるだけでも、電気が走ったような鋭い痛みがある。
しばらくすると、その部分は赤くはれて、白いブツブツが浮き上がる。
傷みは数時間は引かない。
この憎たらしい雑草は切ってもすぐに生えてくるそうだから、
日本には生息しないのが幸いだと思う。

Doboly 2 072


よくヨーロッパの中世の拷問の話など聞くが、
私はこのチハニの刑もあったのではないかと踏んでいる。
これに刺されるたびに、そんなことが頭によぎる。

そして、意外なのはこれを茹でて食べる習慣があることである。
ドロドロになるまで茹でてから塩味をつけて、目玉焼きなどと一緒に食べる。

この世に無駄な植物などないということなのだろうか。
それにしても誰があの植物を食べようなんて考え付いたのだろう・・・
人間の食欲のすごさには驚かされるばかりである。

Cofaluva 042


*チハニは、日本名「イラクサ」というそうです。
ご指摘を下さった方、ありがとうございました。
詳しくお知りになりたい方は、こちらへどうぞ。
Wikipedia 
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Theme:東欧
Genre:海外情報

comments(2)|trackback(0)|トランシルヴァニア食文化|2008-07-14_06:32|page top

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果実なんかをそのままもぎ取って
食べる機会がないので羨ましいです。
赤い実は色も綺麗で見た目も楽しませてくれますね。

脚、痛そうです。
これは拷問にはもってこいですよね。
ホントに。
果物が好きな方は夏は楽しめますよ。
りんごにしても、品種改良が余りされていないらしく、形も小ぶりです。甘いだけではない、本当の果物の味がします。

イラクサって日本にもあるそうですよ。
ビックリしました。
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