トランシルヴァニアへの扉 - Erdely kapuja-

古きよきヨーロッパの面影を残す、トランシルヴァニアへの扉をそっと開いてみませんか?

::自己紹介::

谷崎 聖子

Author:谷崎 聖子
1978年宮﨑生まれ。
大阪外大、ハンガリー語学科卒業。
ブダペスト大学で民俗学を専攻。
ルーマニア、トランシルヴァニア地方のフォークロアに惹かれて、セーケイ地方に移住、結婚。
三人の子育て中。

伝統手芸研究家。
トランシルヴァニアの文化、手しごとを広める活動をしています。主な著書「トランシルヴァニアの伝統刺繍 イーラーショシュ」、「カロタセグのきらめく伝統刺繍」。

東欧雑貨ICIRI PICIRIFOLK ART Transylvaniaのオーナー。

詳しくは、森の彼方-トランシルヴァニアへの扉をご覧ください。

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日曜日のミサ

日曜日。
その日は例になく早起きをして、身支度を始めた。
教会のミサに行くことになったからだ。
私はキリスト教徒ではないから、どんな服装で行けばいいのか分からない。
だんなに聞いてみた。
1.清潔な服装・・・つまりシミやしわのないように。
2.余り派手でない服装
3.肌を余り見せない・・・ミニスカートやパンツはだめ。

考えた挙句、濃紺に小さな花柄の長袖ワンピースを取った。
すると私の姿を見て「おばあちゃんみたいだ。」と一言。
それでも目立つよりかはましである。ただでさえ、東洋の顔なのだから・・・

9時半に、近所の男の子が呼び鈴を鳴らした。
私は息子を連れて、アパートを走って降りた。
若い友人ロビは、8年間学校でプロテスタント学級に通っていたらしい。
普通の授業に加えて、キリスト教の授業が週に5回ほど入り、また教会の行事にも参加するという内容だそう。
私の為にミサの説明をすると、案内役を買って出た。

やや遅くおきたせいもあって、教会が遠いので先を急ぐ。
目指すのは、小高い丘の上にある「要塞教会」だ。
トランシルヴァニアでは、中世から残る要塞教会が有名で、うちのいくつかはユネスコ世界遺産にも登録されている。
石畳の道を登ったところに、分厚い石垣にしっかりと守られるようにして教会が立っている。
eskuvo 001

来る途中ですでに10時を知らせる鐘が鳴り響いたので、遅刻は覚悟の上である。
中に入ると、牧師さんが教会の真ん中ほどにある台に立って演説をしていた。

牧師さんは黒いマントをまとって、抑揚のある口調で聖書の話などをしていた。
頭の上には大きな王冠がかぶさり、プロテスタント・ルター派の象徴らしいペリカンの姿もある。
あの大きいクチバシでえさをやるペリカンが神、子供たちが信者を象徴しているらしい。

聴衆の方を見やると、ほとんどが中高年の姿。
私たちのような(!)若者の姿はごくまれである。
若者があまり宗教に関心がないというためもあるだろうが、夏休みのこの時期はみんな昼ごろまで寝ているせいもあるだろう。

私がここにきた理由はミサの話を聞きに来たというよりも、教会と教会に通う人たちの写真をとりにきたからだ。
1つお話が終わって、1つ歌を歌い、またお話・・・という流れで一時間近く続く。
聖書どうこうの話は上の空で聞いていたが、普通の倫理的な話はわりと興味を持って聞けた。
息子はすでに我慢できなくて、外に飛び出して庭で遊んでいるようだ。

そろそろミサも終わりのようす。
すると牧師さんが「今日は何組か洗礼に来ています。」と話した。
なんていう偶然。
後ろを見ると、もうすでに入り口の辺りで正装の人たちが立っている。
腕には小さな赤ちゃんの姿・・・
光り輝く純白の衣装に身を包んだ赤ちゃんは、まさに天使そのもの。

eskuvo 003

赤ちゃんとその両親、その祖父母、そして親戚や友人たち・・・・
一組でそれだけの人たちなのだから、4組となったときにはもう教会の中はかなりの込み具合。
私もすかさず、まるで知り合いの様な顔をしてその中に加わる。

eskuvo 004

ちなみに洗礼のときに立ち会った友人、親戚などをクリスチァン・マザー(またはファザー)という。
この洗礼のおかげで、友人もまるで親戚のようなよい関係になるのである。

赤ちゃんは、黒い衣装のおじさんから水をかけられるのだからたまったものではない。
小さな銀の水差しで赤ちゃんの頭に水をかけた後、神父さんのキスで祝福される。

templom.jpg

templpm2.jpg

キリスト教圏において、洗礼というのは大切な行事である。
村では、洗礼されていないと共同墓地に入れてもらえないそうだ。
だから、できるだけ早くに子供を洗礼させるという。
息子もいつか洗礼をさせないといけない・・・周りの人たち(特にひいおばあちゃん)を安心させるためにもそう考えている。

やがて教会から出てくる人たちの、すがすがしい笑顔。
洗礼を終えて、晴れてキリスト教徒となった天使たちは、やや疲れ気味。
本人よりも、周りの人たちが安心と喜びの面持ちである。

templom3.jpg

templom4.jpg

これから(キリスト教徒としても)一歩一歩踏み出していく彼らに、心からの祝福を送りたいと思う。



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教会の外にいた、人懐こいネコ。

eskuvo 022



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comments(2)|trackback(0)|文化、習慣|2008-08-05_04:29|page top

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ルーマニアはロシア聖教かと思っていたのですが、
プロテスタントもあるのですね。
あ、それともドイツ系ルーマニア人の祖先があるから、
プロテスタントの人も結構いるでしょうか?

ドイツでもミサに出席するのは高齢の方々ばかりです。
日本の若者の仏教離れと似ているかもしれませんね。

トランシルヴァニアの宗教は、さまざまですよ。宗教と民族の関わりも強いようです。
例えば、ルーマニア人はルーマニア正教(オーソドックス)やギリシア・カトリック教が主のようですし、ハンガリー系なら、ローマ・カトリック教、ルター派プロテスタント教、カルビン派プロテスタント教、ユニタリウス派(これはトランシルヴァニア発祥のプロテスタント教のようです)・・・
ドイツ系はほとんどがカルビン派プロテスタントのようですね。

あの有名なビエルタンの要塞教会もドイツ系の人たちが作ったものです。
建物を作るのは、やはりドイツ系の住民が一番優秀だったようですね。

宗教離れ、仕方がないのかもしれませんが、親がきちんと子供に倫理教育ができないのならば、教会に任せたほうがよいのかもしれません。